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2015年5月20日 (水曜日)

新ライブ盤『Jeff Beck Live+』

この5月、かの伝説のロック・ギタリスト、ジェフ・ベックがスタジオ新曲も収めたライヴ・アルバム『Jeff Beck Live+』(写真左)をリリースした。ジャケットは、味もしゃしゃらもないシンプルなもの。これだけ見れば「ブートか」と勘違いしてしまうくらい(笑)。

しかし、その内容はと言えば、これがまあ、70歳を超えたロック・ギタリストとは思えないほどに「尖った」、実にアグレッシブな内容なのだ。ちなみに、このジェフ・ベック・バンドのパーソネルは、Jeff Beck (g), Jimmy Hall (vo), Rhonda Smith (b), Jonathan Joseph (ds). Nicolas Meier (g)。ジェフ以外、知らないメンバーばかり。それはまあ当たり前か。

アルバムに収められるライヴ音源は2014年に行われたライヴ・ツアーからのものが主。Beatles「A Day In The Life」、Jimi Hendrix「Little Wing」、Mahavishnu Orchestra「You Know You Know」、Sam Cooke「A Change Is Gonna Com」などといった、実に渋い選曲のカバー曲を含んだ全14曲を収録している。

加えて、新スタジオ・レコーディング・トラックである「Tribal」と「My Tiled White Floor」も収録。このスタジオ録音のトラックの出来も良く、ライブ音源共々、実に充実した、ロック・レジェンド、伝説のギタリスト、ジェフ・ベックのエレギが堪能出来る。

1曲目の「Loaded」を聴けば、その尖り具合が判る。切れ味の良いタイトなリズム&ビートに乗って、思いっきりアグレッシブで自由奔放なジェフのエレギが乱舞する。凄まじいほどの迫力。自由度の高いアドリブ・フレーズを伴って、レジェンド・ジェフが練り歩く。
 

Jeff_beck_

 
Beck, Bogert & Appice時代のヒット曲「Superstition」もやっているが、アレンジもボーカルも完全に今様なもの。これが意外とスッキリしていて良い感じなんですよね。70歳を過ぎたジェフが現代の音環境に合わせて、その志向が変貌していく。アーティストとして、この柔軟性にはほとほと感心します。

若かりし頃の「閃光」の様な瞬時の切れ味は感じられなくなったが、演奏の全体像については、年輪を感じさせる奥深さと幅広さに思いっきり感動し、衰えを知らないテクニックには、かえすがえすも「驚愕」するばかり。このど迫力の高テクニックは凄い。日本を代表するロック・ギタリスト、布袋寅泰もビックリである(笑)。

ジェフ・ベックの、キャリア50年を過ぎてもなお、その類まれなギタープレイについては、とにかく「感動」あるのみ。超弩級の迫力と小粋な節回しをベースに、様々なカバーを絡めながら、その高テクニックを煌めかせながら、ジェフのギターが練り歩く。

往年のロック・エレギ者の方々にも、若きロック・エレギ者の方々にも、是非ともご一聴をお勧めしたい。素晴らしい内容と迫力のライブ盤です。

 
 

震災から4年2ヶ月。決して忘れない。まだ4年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

いわゆる「三大ギタリスト」の中でもベックは不思議?なギタリストですよね。
なぜなら初期の頃から「恋は水色」やら近年でも時々大スタンダード曲を
真正面からとりあげたりしますよね。

私はベックといえば「ベックのブギー」のハーモニクス奏法なのですが(~o~)
アルバムごとにいろんなコンセプトの顔を見せるので興味深いです。

たぶん「上手さ」?でいえば三大ギタリストの中でもこの人がイチバンではないか?と思っていますが逆に「音楽○カ」「器用貧乏」?な雰囲気がするあたりがまた「天才」といわれる由縁でしょうか。笑

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