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2015年5月 7日 (木曜日)

ハードバップ初期の好盤2枚です

ジャズのスタイルには様々なバリエーションがあって、全く飽きることが無い。それでも結局、自由に吹きまくるフリー・ジャズや、電気楽器がメインで8ビートが主流なフュージョン・ジャズなどを聴きまくって、ちょっと疲れて、そして、耳休めに戻ってくるのが、ハードバップ。

ハードバップはジャズのスタイルの基本であり、様々なスタイルのベースになるものである。乱暴な言い方をすると、ハードバップ以前のスタイル、聴き易さ、聴いて楽しむスイングと、テクニックを追求し技術を極めるビ・バップの、それぞれの良いところをとって融合させたようなスタイルである。聴いて楽しみ、テクニックを楽しむ。ジャズの基本のスタイルがハードバップである。

ハードバップは、1940年代中盤から1950年代初頭にかけて、爆発的に流行した「ビ・バップ」というスタイルをベースに、音楽として聴いて楽しめる様に、そして、併せて、様々な演奏テクニックやアレンジも楽しめる様に、演奏手順や演奏時間、アレンジを全面的に見直したスタイルである。よって、演奏時間も「ビ・バップ」に比べて、1.5〜2倍になっている。

このハードバップの演奏スタイルや方法論が確立されたのが、1950年代前半とされているが、例えば、この2枚のアルバムを聴けば、そのハードバップの特徴である、音楽として聴いて楽しむことが出来る、そして、様々な演奏テクニックやアレンジを楽しむ事ができる、の2点について、とても良く判る。

その2枚のアルバムとは、J,J,Johnson『The Eminent Jay Jay Johnson Vol.1&2』(写真)である。ブルーノートの1505番と1506番。録音日は1953年6月22日、1954年9月24日、1955年6月6日の3セッションに分かれる。ちなみにパーソネルは以下の通り。

このパーソネルを眺めてみて判ることは、ハードバップは誰か特定の演奏家が考案し、提唱し、広めたものでは無いということ。ビ・バップの延長線上で、様々な先進的なビ・バップの演奏家達が、前述のハードバップの特徴である、音楽として聴いて楽しむことが出来る、そして、様々な演奏テクニックやアレンジを楽しむ事ができる、の2点を追求し、実現していた、ということが良く判る。
 

The_eminent_jay_jay_johnson_vol12

 
・1953年6月22日のセッションのパーソネルは、Clifford Brown (tp) J.J. Johnson (tb) Jimmy Heath (ts,bs) John Lewis (p) Percy Heath (b) Kenny Clarke (ds)。
・1954年9月24日のセッションのパーソネルは、J.J. Johnson (tb) Wynton Kelly (p) Charles Mingus (b) Kenny Clarke (ds) "Sabu" Martinez (congas)
・1955年6月6日のセッションのパーソネルは、J.J. Johnson (tb) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Paul Chambers (b) Kenny Clarke (ds)

 
それぞれの収録された演奏の内容を確認してみても、楽器の吹き回しのイメージは、まだ、ビ・バップの影響を引き摺ってはいるものの、演奏全体の構成、雰囲気、展開については、ビ・バップ時代のそれぞれと比較して、明らかに異なる、明らかに新たに考案された演奏スタイルであるということが良く判る。

アドリブの展開についても、演奏時間が長くなり、様々なテクニックを織り交ぜることが出来る様になった。アレンジについても、演奏時間が長くなったこともあり、聴き応えのあるバラード演奏が採用されている。テーマ部のアンサンブルにも工夫が施され、上手くアレンジされたユニゾン&ハーモニーが聴いて取れる。

ハードバップとは如何なるスタイルか、と問われた時、僕はこの2枚のアルバムを聴いて貰う。ビ・バップ時代のチャーリー・パーカーの演奏とこのアルバムでの様々な演奏とを比較すると、たちどころに「ハードバップとは何か」を理解することができるのではないだろうか。

このアルバム2枚は、ハードバップ初期の好盤。パーソネルも申し分無く、皆、適度な緊張感を持ちつつも、楽しげにハードバップな演奏を繰り広げています。良いアルバムです。さすがはブルーノート・レーベル。良いアルバムを残してくれています。

 
 

震災から4年1ヶ月。決して忘れない。まだ4年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

マスターのご意見にはいつも共感しきりです。^^
いまやフリージャズにしてもなんにしても、およそスタイルが確立されているので、「形」からはいらざるを得ないと思いますが、クラシックでも「現代音楽」あたりは「読書のバックグラウンド」として聞くと意外とよかったりして。(~_~;)

「ジャズはフリーしか聴かない」という友人や専門サイトなどをのぞくたびに不思議に思うのは「この人達は普通のハードバップなんかの主流は聞いたうえでのことなんだろうか?」という疑問であります。笑

まあ趣味のことですから自分が好きならそれでいいのですが、「オンリーさん」?とは疲れるので敬いつつ遠ざけることが多いなあ。ww

私はSJ誌は「NHK」みたいなもの、と思いながら愛読していましたが、
昔のFMレコパルのジャズ漫画のネタもとはすべてSJ誌からでしたし、同じくクラシック編もレコ芸がネタもとでしたね。

「おっちゃん」さん、松和のマスターです。
 
確かにいらっしゃいますよね、ジャズはフリーしか聴かない、とか、逆にジャズはハードバップしか聴かない、とか。
 
個人的な好き嫌いの問題なので、あまり口を挟むことも無いのですが、偏食と一緒でバランスを欠いていることは明らかなので、ジャズというものを一方向からしか聴かない、というのは、私も極力敬遠してしまいます。
 
そうそう、FMレコパルの「レコパル・ライブコミック」の件、懐かしいですね。高校時代、このライブコミックで、ジャズやクラシックのエピソードを通じて、いろいろな知識を身につけたことを思い出しました。様々な有名漫画家を採用していたので、難しいのでしょうが、是非とも復刻して欲しいです。
 

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