クリムゾンのお宝ライブ音源
1960年代後半から1970年代前半にかけて、英国ではクロスオーバー・ジャズとプログレッシブ・ロックの境目がかなり曖昧で、力量のあるプログレ・バンドが英国のクロスオーバー・ジャズの成果を牽引していたところが多々ある。
プログレッシブ・ロックの雄、伝説のバンド、キング・クリムゾンもそのひとつで、キング・クリムゾンの即興演奏は、ジャズの切り口で聴くと、素晴らしく高度で内容のあるエレクトリック・ジャズである。その内容は、エレクトリック・マイルスやウェザー・リポートの即興演奏に匹敵するレベルで、今の耳で聴き直して見ると、結構、その充実した内容にビックリしたりする。
そのクロスオーバー・ジャズとプログレッシブ・ロックの境目の曖昧さを確認することが出来、その充実した内容を確認することができるボックス盤がある。King Crimson『The Great Deceiver』(写真)である。
1973年から74年のキング・クリムゾン、オリジナル・アルバムで言うと、「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「レッド」の3枚の時代は、クロスオーバー・ジャズともプログレッシブ・ロックとも取れる、凄まじいほどの高度な即興演奏を繰り広げており、スタジオ録音での即興演奏がライブではどの様になるのか、興味津々なのだが、そのライブ音源がなかなか出ない。
そして、1992年10月、突如として、1973年〜74年のライブがこれでもかと言わんばかりに4枚のディスクに詰め込まれたライブ音源がリリースされる。このリリースには歓喜した。当時はまだ30歳代前半、資金的には苦しかったが、即、ゲットである。
このボックス・ライブ盤には、テンション・エネルギー・パワー、それぞれ全開のスリリングで聴き応え満載のライブ音源がてんこ盛りである。しかも、演奏レベル、演奏精度が高い。ほとんど、スタジオ録音の演奏のレベルをそのまま、ライブ演奏にて再現している。この演奏テクニックの高さにも驚愕した。
この時代のクリムゾンのライブって、1974年6月28日のアメリカのアズベリー・パーク公演の音源(一部、6月30日の公演の音源)を編集した『USA』以外、正式ライブ音源が無かった。そんな時代のこのCD4枚組のライブ音源の大放出である。しばらく、聴きまくりました。
今では、クリムゾンのライブ音源って、かなりの量が放出されているんですが、この『The Great Deceiver』の音源は、演奏レベル、演奏精度が高く、クリムゾンのライブ音源の中でも最高の部類のもの。いの一番に、ロバート・フィリップ翁が満を持して、世に問うた気持ちが良く判る。
良いボックス盤です。キング・クリムゾンのファンには当然、プログレ・ファンにもこのライブ・ボックス盤はお勧めです。リリース当初は縦長のボックスでのリリースでしたが(写真左)、今では、ジャケット・イラストを差し替えて、スクエアなボックス仕様に変わっているみたいです。
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