『Memorial Album』は外せない
Eric Dorphy & Booker Littleの歴史的なクインテットが、ファイブスポットで残した記録としては『At the Five Spot』のVol.1とVol.2が有名ですが、もう一枚、このアルバムもなかなかの内容です。
そのアルバムとは、Eric Dorphy『Memorial Album : Recorded Live At The Five Spot』(写真左)。伝説的なファイブ・スポットのライブ盤の三作目。Vol.3 というタイトルでは無いところが面白い。このライブ盤がリリースされたのは、主役のドルフィーが亡くなった後だったので、この『Memorial Album』というタイトル。
パーソネルは、当然、Vol.1 & Vol.2 と同じく、Eric Dolphy (fl, bc, as)、Booker Little (tp), Mal Waldron (p), Richard Davis (b), Eddie Blackwell(ds)というのがメンバーで、1961年7月16日、ニューヨークのライブスポット「Five Spot」の録音。ドルフィーとリトルは、相変わらず、アブストラクトでアバンギャルド。限りなくフリーに近い、自由度の高いブロウを繰り広げている。
そして、このアルバムで目立っているのが、エド・ブラックウェル(Eddie Blackwell)のドラム。バッシャンバッシャンと浮いたような、腰の高いドラミングが、アブストラクトでアバンギャルドなドルフィーとリトルを煽りまくる。珍しく、長編のドラム・ソロも良い感じだ。
収録曲は、LP時代のA面、収録時間16分30秒の「Number Eight」と、LP時代のB面、収録時間14分39秒の「Booker's Waltz」の長編2曲。
どちらも甲乙付けがたい内容。スリル満点の疾走感。どこへどう展開するか判らない、限りなくフリーで自由度の高いアドリブ・フレーズ。この自由度の高い演奏は何度聴いても良い。
『At the Five Spot』のVol.1とVol.2と、加えて『Memorial Album』で、この1961年7月16日のニューヨークのライブスポット「Five Spot」のEric Dorphy & Booker Littleの歴史的なクインテットを堪能できる。Vol.1だけでは物足りない。Vol.2を加えても物足らない。
この『Memorial Album』と併せて、やっとこのEric Dorphy & Booker Littleの歴史的なクインテットの全貌、クインテットの創造力・構築力・自由度を確認することが出来る。う〜ん、やっぱりこの3枚があって、Eric Dorphy & Booker Littleの歴史的なクインテットがある。長年、愛聴の3枚です。
震災から4年1ヶ月。決して忘れない。まだ4年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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