« ブルーノート謹製ハードバップ | トップページ | ロリンズは豪快に吹きまくる »

2015年3月10日 (火曜日)

ファンキーなボブ・ジェームス

最近、タッパンジー・レーベルのボブ・ジェームスのアルバムが、廉価盤でリイシューされた。いやはや、僕にとっては待望のリイシューで、ボブ・ジェームスの9枚目のリーダー作以降をCDでコレクション出来るのだ。やっとである。

さて、久々のボブ・ジェームス。久々のBob James『Sign of the Times』(写真左)。ボブ・ジェームスの9枚目のリーダー作である。1981年のリリース。本作では全6曲中の半分にあたる3曲をロッド・テンパートンの曲を取り上げており、ボブ・ジェームスのアルバムの中でも、一番「ファンクネス」が前面に押し出されている盤となっている。

ボーカル入りの曲、コーラス入りの曲がフィーチャーされていて、とにかくファンキー。ボブ・ジェームスにはファンクネスは似合わない、と思っているが、確かに「らしくない」(笑)。しかし、ボブ・ジェームスのアレンジとキーボードがしっかりとそんなとっ散らかった「ファンキーな音」をグッと引き締めている。

時代は1980年代に入って、録音環境も録音機材もアナログからデジタルへとドラマチックに変化していく。この『Sign of the Times』では、そんなデジタルな世界での音作りに苦闘するボブ・ジェームスが見え隠れする。シンセサイザーもアナログからデジタルへ。音は洗練されてはいるが細くデリケートになる。
 

Sign_of_the_times

 
切れ味は良いが硬質で尖った音とエコーが、幾ばくかの違和感を持って展開される。デジタルの時代は、アナログの時代の様に脳天気に弾きまくれば良い時代では無くなった。よくよく計算して音を重ねないと、逆にアンサンブルが薄っぺらくなる。そうならないように、入念にボブ・ジェームスはアレンジする。

冒頭の「Hypnotique」のファンクネスに思わず狼狽えるが、曲が進むにつれ、ボブ・ジェームスならではの音世界になっていくので、ホッとする。ボブ・ジェームスならではの音世界って、ボブ・ジェームスのオリジナル曲なんですね。納得です。それでも、デジタルな雰囲気が色濃く漂っていて、1970年代フュージョン・ジャズは遠くなりにけり、という感慨にふけってしまう(笑)。

ロッド・テンパートンの曲で展開される、ボブ・ジェームスのファンクネスな音世界と、自作曲で展開されるボブ・ジェームスの従来からの音世界との対比が興味深い『Sign of the Times』です。ボブ・ジェームスの冒険心を感じる、チャレンジブルなアルバムだと思います。

 
 

震災から4年。決して忘れない。まだ4年。常に関与し続ける。決して忘れない。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ブルーノート謹製ハードバップ | トップページ | ロリンズは豪快に吹きまくる »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ファンキーなボブ・ジェームス:

« ブルーノート謹製ハードバップ | トップページ | ロリンズは豪快に吹きまくる »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー