原田知世『恋愛小説』を聴く。
うむむ、良いんでないの、これ。「大人のラヴ・ソング」をテーマに、ポップス、ロック、ジャズ、ボサ・ノヴァといったさまざまなジャンルのラヴ・ソングから、歌詞を吟味し10曲を厳選。ふむふむ。
女優としてのみならず、シンガーとしても高い評価を得ている原田知世。歌手としては、デビュー以来、継続的にアルバムをリリースしている。確かに知世ちゃんのアルバムは優れたものが多く、昨年には約5年ぶりとなるオリジナルアルバム『noon moon』をリリースしており、これがなかなかの内容だった。
実は年1作ペースで順当にCDリリースしており、女優と歌手の比率が拮抗している。お洒落でナチュラルで、ほんわか肩の力が抜けた、良い意味での「脱力系」アンニュイなボーカル。これが知世ちゃん独特の個性で実に良い。
そんな知世ちゃんが、さまざまなジャンルの洋楽ラブソングをカバーしたアルバム『恋愛小説』(写真左)を3月18日にリリースしたのである。14年ぶりとなるカバーアルバム。ジャズ・スタンダード曲も含まれていて、思わず、ジャズ・ボーカル盤のノリでゲット。
さて、収録された曲は以下の通り。括弧内はオリジナル・アーティストor代表的歌唱アーティストである。
1. 夢の人 (ザ・ビートルズ)
2. ドント・ノー・ホワイ feat. ジェシー・ハリス(ノラ・ジョーンズ)
3. イン・マイ・シークレット・ライフ(レナード・コーエン)
4. ベイビー・アイム・ア・フール(メロディ・ガルドー)
5. ナイト・アンド・デイ(スタンダード)
6. ブルー・ムーン(スタンダード)
7. イフ・ユー・ウェント・アウェイ(マルコス・ヴァーリ)
8. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(ジュリー・ロンドン)
9. 恋の面影(ダスティ・スプリングフィールド)
10. ラヴ・ミー・テンダー(エルヴィス・プレスリー)
良いですね〜、良い選曲ですね。いきなり、ビートルズの「夢の人」です。『4人はアイドル』のB面5曲目に収録さえている小曲。アンニュイな脱力系ボーカル全開で、知世ちゃんが歌います。続く曲は、ノラ・ジョーンズの名曲「ドント・ノー・ホワイ」。雰囲気のある名曲をホンワカに歌います。
ジャズ・スタンダード曲で有名な5曲目の「ナイト・アンド・デイ」、6曲目の「ブルー・ムーン」、8曲目の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」、どれもなかなか良い雰囲気。ジャズ・ボーカリストとしても十分通用する知世ちゃんのボーカルにビックリ。
この知世ちゃんの洋楽ラブソング・カバー集、ヴァーヴ・レーベルからのリリースなんですね。これまたビックリ。アルバム全体のプロデュースおよび楽曲アレンジは伊藤ゴロー。アレンジの良さも特筆もの。バックの演奏もツボを押さえた渋い演奏で、フロントの知世ちゃんのボーカルをガッチリと支えます。
いや〜、想像していたより、雰囲気のある、良い内容のボーカル盤です。特に、知世ちゃんのボーカルの個性と特徴が最大限に活かされていて、聴いていて実に楽しい。知世ちゃんのボーカルで、ジャズ・スタンダード曲がもっと聴きたくなりました。次は、ジャズ・スタンダード曲オンリーでカバー盤を出してくれないかなあ。
最後に参加ミュージシャンの主だったところをピックアップしておきましょう。
原田知世 - vocals
伊藤ゴロー - classical & electric guitar, etc.
澤渡英一 - acoustic piano
坪口昌恭 - acoustic piano, Fender Rhodes
鳥越啓介 - acoustic & electric bass
小川慶太 - drums & percussion
堀江博久 - Hammond B3 organ, clavinet
織田祐亮 - trumpet, flugelhorn, valve trombone
藤田淳之介 - soprano & tenor saxophones, flute
震災から4年。決して忘れない。まだ4年。常に関与し続ける。決して忘れない。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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