最近のトラックバック

« ハッピー・スインガーなピアノ | トップページ | 日本男子もここまで弾く・1 »

2015年3月 2日 (月曜日)

トニーのインテリジェンス

今日から朝のスタートは「山下洋輔&坂田明」週間。フリー・ジャズ、ポップ・アバンギャルド、アンビエント・ジャズのジャンルの好盤を純に聴き進めている。ということで、このところ、フリー・ジャズなバーチャル音楽喫茶『松和』です(笑)。

なぜか、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、春は「フリー・ジャズ」。春の雰囲気に「フリー・ジャズ」が良く合うんですね。どうしてって、夏は「暑苦しい」、秋は「もっとしみじみしたい」、冬は「何か違うでしょ」という感じで、春はなんだか「フリー・ジャズ」がしっくり来るのだ。

さて、今日聴いたアルバムが、Tony Williams『Spring』(写真左)。1965年8月の録音。ブルーノートの4216番。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ts), Sam Rivers (ts), Herbie Hancock (p), Gary Peacock (b), Anthony Williams (ds)。

ベースがロンでは無く、ピーコックなのが面白い。マイルス学校の門下生、トニー、ハービー、ショーターと揃っているのに、ベースがピーコックか(笑)。恐らく、トニーは、ロンのベースはフリー・ジャズに向かないと思っていたのでは無いか。そうでなければ、トニーの保護者役のロンは必ず参加を要請しているはずだ。

この盤はトニー・ウィリアムスが一番尖っていた時代の過激なアルバム。全編に渡って、フリー・ジャズの波が押し寄せている。このアルバムが録音された時期、マイルス学校の門下生、トニー、ハービー、ショーターはフリー・ジャズがやりたくてやりたくて仕方が無かった様ですね。

さて、メロディアスな聴きやすいジャズを期待すると大きく外れるのだが、先の『Life Time』のレビュー(2015年2月16日のブログ・左をクリック)でも書いたが、フリー・ジャズという演奏フォーマットは、ジャズの即興性のみを取り出して楽しむには「最適な演奏フォーマット」であることは間違いない。
 

Tony_williams_spring

 
1曲目〜3曲目の演奏などはフリーな演奏の最先鋒なのだが、トニーのドラミングに耳を傾けてみると、デビューアルバムの『Life Time』の時よりも、より柔軟で、より多彩なドラミングがとても素晴らしい。 トニーのドラミングだけ聴いていても楽しめる、トニーの表現豊かなドラミングに一層の磨きがかかっていることがよく判る演奏だ。

競演しているサイドメンも良し。ここでも、デビュー作の『Life Time』と同様、ベースのピーコックが素晴らしい。トニーのドラミングとフリーな演奏に対して、実に相性の良いベースを聴かせてくれる。

ピアノのハービーもフリーなフォーマットの中でも、その個性的なフレーズとアプローチを駆使していて、その実力を遺憾なく見せつける。サックスは、サム・リバースとウエイン・ショーターの2本立てだが、ウエインのサックスの方がより柔軟で自由。

4曲目の「Love Song」は、このアルバムのハイライト。それまでのフリー寄りの演奏から、雰囲気がガラリと変わって(もしかしたら、このアルバムから見ると異質ともいえる)、フォーク・タッチの哀愁を帯びた、魅力的なメロディーを持った、ジャズの従来の伝統的な演奏フォーマット。

その演奏の内容たるや「素晴らしい」の一言。やはり、このメンバーが一丸となって、伝統的なフォーマットを演奏すると、今でも 最高峰と言える演奏になるのだ。この4曲目、一度聴くべし。

フリー・ジャズってどんなものかなあ、と思いたち、一度、フリー・ジャズを聴いてみたいなあと思っている方には、先にご紹介した『Life Time』と併せてお勧めのアルバム。
 
フリー・ジャズのアルバムの中には本能のおもむくまま、無茶苦茶に吹きまくり、叩きまくりというアルバムが多々あるが、このトニーのアルバムはそうでは無い。全編、トニーのインテリジェンスが溢れている。

 
 

震災から3年11ヶ月。決して忘れない。まだ3年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ハッピー・スインガーなピアノ | トップページ | 日本男子もここまで弾く・1 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/59120103

この記事へのトラックバック一覧です: トニーのインテリジェンス:

« ハッピー・スインガーなピアノ | トップページ | 日本男子もここまで弾く・1 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ