« 懐かしの『My Aim Is True』 | トップページ | ハービーの初リーダー作です 『Takin' Off』 »

2015年3月16日 (月曜日)

マシューズのアレンジって良い

最近、日本のフュージョン・レーベルであった「ELECTRIC BIRDレーベル」のアルバムが廉価盤でリイシューされている。これは凄い。僕がジャズ者を志したのが1978年。この頃、ELECTRIC BIRDレーベルは、なかなか魅力的なフュージョン盤を精力的にリリースしていた。

僕がジャズ者初心者の頃は、このELECTRIC BIRDレーベルのアルバムにはお世話になった。とにかく聴き易く、とにかくフュージョン。日本人独特の感性で、ロックのテイストとジャズのテイストを本当に上手く織り交ぜ、乾いたそこはかとないファンクネスを漂わせた「日本発のフュージョン・ジャズ」を世に出していた。

今回、僕にとって嬉しいリイシュー盤の一枚がこれ。David Matthews Orchestra feat. Earl Klugh『Delta Lady』(写真左)である。1980年のリリース。デビッド・マシューズ率いるジャズ・オーケストラに、ジャズ・アコギの名手アール・クルーが参加した企画盤である。

ちなみに主だったパーソネルは、David Matthews (el-p. arr), Earl Klugh (ac-g), Paul Metsky (el-g), Gordon Johnson (b), Jimmy Madison (ds), Ronnie Cuber (fl, bs), David Tofani (fl, ss), George Young (fl, ts), Fred Griffin (french horn), Sam Burtis (tb), Burt Collins, Joe Sheppley (tp)。

これが実に良い。冒頭の「Funky Turkey」は、モータウン・チックでR&Bなフュージョン・ジャズで、ブラスのユニゾン&ハーモニーがファンキーで実に良い。踊るような歌うようなアール・クルーのアコギ。ソウルフルなソプラノも良い、ブリブリ低音ファンクなバリトンも良い、エモーショナルなペットも良い、大団円なファンキー・フュージョンでスタート。
 

Delta_lady

 
続くデイヴィッド・ゲイツ(David Gates)の名曲「If」が、打って変わって「絶品バラード」。歌うようなアール・クルーの「泣きのアコギ」が絶品。実に美しい旋律が続いて、思わずウットリします。確かにこの曲って、聴く度に「アール・クルーのアコギってええなあ」と溜息をつくんですよね。これほど、泣きのアコギが浮き出るようなアレンジって、さすが、マシューズ御大、良い仕事してます。

続く「Gosman's Bazebo」は、爽快感溢れる、疾走感抜群のサンバ・ジャズ。マシューズ率いるジャズ・オーケストラは、一糸乱れぬアンサンブルで、フロントのアール・クルーのアコギを盛り立てます。爽やかに突っ走るようなクルーのアコギは「聴きもの」。これぞ、フュージョン・ジャズというアレンジも秀逸。いいぞマシューズ。

実は、1980年当時、このアルバムを聴いて、初めて「デビッド・マシューズ」の名前を知りました。そして、このアルバムを聴いて、マシューズのアレンジが大のお気に入りに。それからというもの、マシューズのアレンジの追っかけとなって、マシューズが絡んだアルバムは片っ端から聴きました。今でも大のお気に入りです。

ジャズ者初心者の頃、行きつけの喫茶店で寛ぐ時、BGMの様に聴きまくったアルバムです。CDの時代になって、暫く廃盤状態が続いて、その存在を忘れていましたが、今回のELECTRIC BIRDレーベルの廉価盤リイシューで、明確に思い出しました。今の耳で聴いても、上質のフュージョン・ジャズです。フュージョン者の皆さんにお勧めの好盤です。

 
 

★震災から4年。決して忘れない。まだ4年。常に関与し続ける。決して忘れない。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 懐かしの『My Aim Is True』 | トップページ | ハービーの初リーダー作です 『Takin' Off』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マシューズのアレンジって良い:

« 懐かしの『My Aim Is True』 | トップページ | ハービーの初リーダー作です 『Takin' Off』 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー