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2015年3月 3日 (火曜日)

日本男子もここまで弾く・1

日本ジャズ界の若手は女性上位である。というか、若手については、女性ジャズ・ミュージシャンがほとんどである。男性ジャズ・ミュージシャンは何をしているんや、と思って探してみても、右手に一杯くらいしかいない。おいおい、どうなってんの、と思ってしまう。まあ、ジャズの世界に男女の差は無いので憂慮すべきことではないのだが、なんだかバランスが悪い。 

おかしいなあ。時代が時代だったせいもあるが、1960年代から1970年代については、ジャズ・ミュージシャンと言えば男性がほとんど。日本女子のジャズ・ミュージシャンと言えば「穐吉敏子」くらいだった。ジャズ以外の音楽ジャンルでは、既に女性が結構な数が活躍していた訳で、ジャズ、と言えば男子上位の世界だった。

日本ジャズ界において、最近ではめっきり減ったというか、絶滅危惧種に選定されても良い「若手男性ジャズ・ピアニスト」。1960年代から1970年代にかけては、有望若手な「男性ジャズ・ピアニスト」がごちゃまんといた。ということで、「日本男子もここまで弾く」というテーマで、日本男子ジャズ・ピアニストの好盤を幾枚か、暫く定期的にご紹介したいと思う。

と言うことで、第一弾は、本田竹曠の『THIS IS HONDA』(写真左)。1972年4月、東京イイノ・ホールでのレコーディング・セッションを記録した好盤。ちなみにパーソネルは、本田竹曠 (p), 鈴木良雄 (b), 渡辺文男 (ds)。伝説の「トリオ・レコード」からのリリース。プロデュースは、これまた伝説の「菅野沖彦」。

ジャケットからして、良い意味で日本のジャズ離れしている。実に迫力あるモノクロのジャケットは、その盤に詰まった音を想起させてくれる。この盤には、きっと硬派で痺れるようなメインストリーム・ジャズが詰まっている。
 

This_is_honda

 
冒頭の「You Don't Know What Love Is」から、その期待にばっちりと応えてくれる。端正で正確でドライブ感溢れる、タッチも硬質で切れ味の良い本田竹曠のピアノに、グッと心を掴まれる。鈴木良雄のベースがブンブンと唸りを上げる。渡辺文男のドラムは、本多のピアノを鼓舞し続ける。むっちゃ硬質でダイナミックなバラードだ。

2曲目の「Bye Bye Blackbird」は、ちょっと軽やかな演奏にホッとする。軽やかで明るいテンポの「Bye Bye Blackbird」はとても魅力的だ。それでも、鈴木良雄のベースはブンブン唸りを上げ続け、渡辺文男のドラムは、よりダイナミックなドラミングを展開する。軽やかな演奏の中に、しっかと硬派で粋なメインストリーム・ジャズが居座っている。

3曲目の「Round About Midnight」はピアノ・ソロ。適度なテンションの中、むっちゃ硬質でダイナミックなソロ・ピアノが展開される。この曲はセロニアス・モンク作曲の名曲ではあるが、確か「難曲」であったような記憶がある。そんな「難曲」を端正かつ正確、ドライブ感溢れ、硬質で切れ味の良いタッチで、ドラマチックに弾き進めていく。迫力満点な「Round About Midnight」。

4曲目の「Softly As In A Morning Sunrise」以降、ピアノ・トリオに戻り、よりダイナミックな演奏になっていく。曲が進むにつれて、より高みに、よりダイナミックな展開にどんどん昇華していって、ラストの「Secret Love」など、もはや大団円な展開。

いや〜、日本男子もここまで、ジャズ・ピアノを弾くんやね。素晴らしいピアノ・トリオである。収録時間が38分50秒と、ちょっと短いが、LP時代、通常の盤質のLPで高い音質を供給するには、これくらいの収録時間がベストだった。確かにこの盤は音が良い。スイングジャーナル誌ジャズディスク大賞の最優秀録音賞を受けたというのも頷ける。

 
 

震災から3年11ヶ月。決して忘れない。まだ3年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

松和のマスターに座布団10枚進呈!でございます。^^
このLPが発売された当時、学生だった私が安アパートのオンボロコンポではじめてこれをかけて、その音(すばらしい録音)に、自分のオーディオが「高級コンポ」に変身したかのような衝撃を受けました。

私のオーディオ開眼の1枚ともなったアルバムでした。
今でも深夜などにヘッドフォンで音をあげてよく聞きます。愛聴盤です。^^

内容は本田さんのベストだと思っていますが、当時「ドラムが走る」などとケチをつける評論家もいましたね。

そもそもSJ誌の評論家センセの多くはドラムに対して恐ろしく保守的といいますか「タイコオンチ」?がおそろいで、やれ「エバンス~ラファロ~モチアンでタイコがモチアンでなければ歴史的トリオであった」とか、Kドりューの「ダークビューティー」でのAヒースのバスドラの「パタパタ音」がおかしい、とか、「マイルスバンドにおける若きトニー・ウィリアムスはバスドラワークに難がある」云々と、およそどあほな論評を書いていて噴飯モノでもありましたね。(~o~)

どうも、はじめまして、おっちゃんさん。松和のマスターです。
 
確かに、この盤は、私にとっても「音の良さ」というものは
こういうものを言う、ということを実感した盤でした。
 
そうそう、SJ誌の評論家センセ達のドラマーの評論、同感です。
どうも皆さん、ドラムの存在が相当に嫌いなんだなあ、と不思議に
思ったことを思い出しました。やっぱり、ジャズって自分の耳で
聴いて感じないとあかんのやな、と実感したのが、当時のドラム
評論でした。
 

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