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2015年3月29日 (日曜日)

日本男子もここまで弾く・4

加古隆。日本のジャズ・シーンにおいて、ジャズ・ピアニストとして認識されている度合いが低い、不思議なピアニストである。リーダーアルバムは相当数リリースしている。それでも、日本の代表的なジャズ・ピアニストとして名を連ねることが少ない。

映画やテレビ番組のBGMを担当していることが多いからだろうか。現代音楽のピアニストとして認識されているのかもしれない。確かに、加古隆のバイオグラフィーを紐解くと、彼のピアノの原点は現代音楽ではある。しかし、彼は現代音楽とフリー・ジャズとの間に共通性を見出し、フリー・ジャズの優れたアルバムを多々リリースしている。

加古隆のフリー・ジャズは、1960年代後半から1970年代前半、米国で流行った、ジョン・コルトレーンらが中心の、感情のままに激情に任せて吹きまくるスタイルでは無い。当時、欧州で流行っていた理知的で静的なスタイルである。意外とこの欧州で流行っていたフリー・ジャズのスタイルは日本は受けが悪かった。

そんな背景もあって、日本では、加古隆は現代音楽の人としての認識度合いが強い。しかし、加古隆のアルバムの中には、フリー・ジャズとして優れたアルバムが多々ある。そんな中の一枚が、加古隆『パッサージュ』(写真左)。1976年のリリースになる。
 

Passage

 
パリ留学の完遂を目前に控えた加古が一時期国、パリでも共演した豊住芳三郎とその成果を披露した、優れた内容のフリー・ジャズ盤である。1976年1月、日本での録音。改めてパーソネルは、加古隆 (p), 豊住芳三郎 (perc)。ピアノとパーカッションのデュオである。

確かに、現代音楽に端を発するピアノ・スタイルではある。ジャズの雰囲気を書き立てるファンクネスは全く存在しない、どころか、オフビートの雰囲気すら見当たらない。硬質なタッチ、透明度の高い高音の響き、静的で理知的な不協和音。現代音楽で培われたフレーズが、自由度の高い、質の高いリズム&ビートの上で飛翔する。

ピアノの高音部で執拗に硬質なタッチが響く「美しい音の連続」。雪崩のような、畳みかけるような、疾走感溢れるパーカッション。転がすように煌めく指の動き。それまでの日本に無かった、欧州スタイルのフリー・ジャズの成果がこのアルバムに詰まっている。

これは、1970年代の日本のフリー・ジャズの素晴らしい成果の一枚である。何も米国で流行ったフリー・ジャズのスタイルが全てでは無い。このアルバムは、日本人が表現した、欧州スタイルのフリー・ジャズの良質な成果であり、一聴に値する内容である。

 
 

震災から4年。決して忘れない。まだ4年。常に関与し続ける。決して忘れない。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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