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2015年2月 9日 (月曜日)

早逝の天才トランペッターの記録

ジャズは奥が深い。しかもジャズメンや奏法のバリエーションの裾野がやたらに広い。自分の好きな、お気に入りなジャズを聴くことが基本ではあるが、ジャズの歴史やスタイル、スタイル毎の代表的なジャズメンについて学ぶことも、実はジャズを聴き進める上で大切なことの一つだったりする。

ブルーノート・レーベルの数々のアルバムは、1940年代後半のビ・バップの時代から、1950年代のハードバップ、1960年代に入ってのモードジャズ、ファンキージャズ、そして、1960年代前半からのフリージャズ、1960年代後半のソウルジャズからクロスオーバージャズまで、ジャズの殆どのスタイルと歴史をカバーしている。つまり、ブルーノート・レーベルのカタログの順番にアルバムを聴き進めることにより、ジャズの全貌について学ぶことが出来るのだ。

さて、今日はそんなブルーノート・レーベルのアルバムの中から、このアルバムを選択して聴き込んだ。『The Fabulous Fats Navarro, Vol.1 & Vol.2』(写真)。ブルーノートの1531番&1532番。ビ・バップ時代の伝説のトランペッター、ファッツ・ナヴァロの演奏の記録である。

ファッツ・ナヴァロは、1923年9月生まれ。1950年7月に早逝している。享年26歳。故に彼の活動期間は極めて短い。しかし、彼は1940年代のビ・バップという、当時の流行の演奏スタイルのパイオニアの一人なのだ。しかも、彼のトランペットのテクニックは極めて高く、彼のブロウはトランペットを非常に良く鳴らすのだ。

このナヴァロのトランペットの奏法スタイルと音色、高いテクニックについては、後の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンに多大な影響を与えたとされる。また、1950年代後半、新たに表舞台にデビューしたトランペッターについては、皆、何らかの形で、このナヴァロのトランペット・スタイルに影響されている。つまりは、ジャズ・トランペッターとして、このファッツ・ナヴァロのトランペットは、絶対に聴くべき「必須科目」みたいなものなのだ。
 

The_fabulous_fats_navarro_2

 
しかし、早逝してしまったが故に、そんなファッツ・ナヴァロの音源はかなり少ない。よって、このブルーノートの『The Fabulous Fats Navarro, Vol.1 & Vol.2』は、ファッツ・ナヴァロのトランペットを体験する上で、相当に貴重な音源になります。

この2枚の音源を聴き通してみると、確かに、ナヴァロのトランペットは、後の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンに多大な影響を与えた、ということに思いっきり合点がいく。ナヴァロのトランペットは、テクニック優秀で音の乱れが無く流麗、そして、トランペットが「ブラスの輝き」よろしく朗々と鳴る。確かに、クリフォードのトランペットの個性にしっかりと引き継がれていることがよく判る。

演奏のスタイルは「ビ・バップ」。しかし、バックのユニゾン&ハーモニーは、スイング・ジャズの雰囲気を宿していて、ビ・バップ時代の演奏ながら、音楽として聴き易い。ナヴァロのアドリブ・フレーズはヒステリックに嘶くことは無く、そのラインは端正にして流麗。ビ・バップはそのアクロバティックなテクニックのみを愛でる側面もあるのだが、このファッツ・ナヴァロのアルバムでは、ジャズとして十分に鑑賞に耐えるものになっている。

このアルバム2枚を聴くと、このファッツ・ナヴァロや、後にこのナヴァロに影響を受けたクリフォード・ブラウンがもっと長生きだったら、ジャズ・トランペットの世界はどうなっていただろう。残念なことに、ナヴァロもクリフォードも早逝の天才トランペッターだった。それが残念でならない、という思いを強くさせる『The Fabulous Fats Navarro, Vol.1 & Vol.2』である。

しかし、こんな音源を1956年にリリースしていたブルーノート・レーベルって凄いよな〜。損得抜きで重要な音源を世に送り出すブルーノート・レーベル、さすがは、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンである。ライオンのお陰で、この21世紀になった今でも、伝説となったファッツ・ナヴァロのトランペットを愛でることが出来るのだ。

 
 

震災から3年10ヶ月。決して忘れない。まだ3年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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