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2015年2月23日 (月曜日)

チェンバースの初リーダー作

優れたベーシストのリーダー作はあまり多く無い。しかし、ポール・チェンバースのリーダー作には優れ盤が多い。今日は、Paul Chambers『Whims of Chambers』(写真左)。ブルーノートにおける、ポール・チェンバース初のリーダー作。

1956年9月の録音になる。ちなみにパーソネルは、Paul Chambers (b), Donald Byrd (tp), John Coltrane (ts), Kenny Burrell (g), Horace Silver (p), Philly Joe Jones (ds)。当時のブルーノートのスター・プレイヤーばかりで、ブルーノートの総帥アルフレッド= ライオンの期待のほどが伺える。

特に、テナーにジョン・コルトレーンの参加が目を惹く。とは言っても、この盤でのトレーンのプレイを聴いていると、仲の良いチェンバースに誘われ、リラックスして参加したような感じだけれどね。 それでも、コルトレーンをはじめ、このアルバムのサイドメン達の演奏の水準は高く、さすが、ハード・バップのスター達のセッションではある。

とりわけ、チェンバースの演奏は素晴らしい。特にこのアルバムは、チェンバースのウォーキング・ベースを心ゆくまで堪能できる。収録されたどの曲でも、チェンバースのウォーキング・ベースは秀逸。但し、ボウィングは音程も少し狂っており、ノコギリの音みたいでいただけないが。まあ、ボウィングの出来はご愛嬌と言うことで。
 

Whims_of_chambers

 
しかし、このアルバムではベース音の録音が素晴らしく、プロデューサーのアルフレッド=ライオンの明確な音のイメージ、そして、その彼のイメージをしっかりと汲み取り、技術の粋を集めて録音した録音技師のルディ=バン=ゲルダー、この2人の意図がピッタリとあった素晴らしい録音である。それが故、是非とも、ルディ=バン=ゲルダーの手になるリマスター盤で、その音を味わって欲しいですね。

ここでエピソードをひとつ。この盤のタイトルの「Whims」とは「思いつき」とか「奇抜な行動」などを意味しており、「チェンバースの思いつき」もしくは「奇抜なチェンバース」という感じのタイトルになる。

実はチェンバースは天才が故に、奇抜な行動についてのエピソードが多くあり、スパゲッティーにタバスコを真っ赤になるまでかけて食べるとか、「ゾンビー」とか言う相当に強いカクテルをがぶ飲みしたりとか、限度を超えた行動のエピーソードが数々あるらしい。そこからの命名かしらとも思われる「Whims」という単語。

このエピソードを聴く度に「天才の光と影」という言葉を思い出す。天才であるが故の苦悩。天才であるが故の奇行。その理由は天才にしか、その天才本人にしか判らない。しかし、このチェンバース初のリーダー作は素晴らしい出来だ。優れたベーシストのリーダー作としてご一聴をお勧めしたい。

 
 

震災から3年11ヶ月。決して忘れない。まだ3年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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