最近のトラックバック

« 四人囃子独特の個性の再確認 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・43 »

2015年1月12日 (月曜日)

渡辺香津美の全編アコギの傑作

渡辺香津美の考えるフュージョン3部作、1979年リリース、異種格闘技風の香津美フュージョンの傑作中の傑作『KYLYN』から、続く1980年リリースの『TO CHI KA』、そして、1981年リリースの『頭狂奸児唐眼(TALK YOU ALL TIGHT)』。

『KYLYN』での、当時YMOのメンバーであった坂本龍一、高橋幸宏との異種格闘技なコラボレーションから、『TO CHI KA』での米国フュージョン・ジャズの強者の面々とのセッションの経験を踏まえて、その成果を当時のKAZUMI BANDをメインに取り纏めたアルバムが『頭狂奸児唐眼』。

この渡辺香津美の考えるフュージョン3部作(と、僕が勝手に呼んでいるのだ)に続くアルバムは如何なるアルバムなのか。1981年当時、楽しみにしていたら、このアルバムがリリースされた。渡辺香津美『DOGATANA』(写真左)である。

とても不思議なアルバム・タイトルである。これは「渡辺」の漢字から、それぞれ「氵」と「辶」を取ったら「度刀」になる。これを読むと「どがたな」、つまり「DOGATANA」である。なるほど。しかし、この摩訶不思議なアルバム・タイトルから、これまた、意欲的で先進的なフュージョン・ジャズが展開されているのかと思った。
 

Dogatana

 
が、良い意味で、その予想は思いっきり裏切られる。冒頭の「Nuevo Espresso」は、マイク・マイニエリのヴァイブと渡辺香津美のアコースティック・ギターが紡ぎ出す、内省的で耽美的で知性溢れるデュオ演奏。これは絶対に、エレギ中心のフュージョン・ジャズでは無い。

以降、2曲目「Loosey Goosey」では石田長生、山岸潤二、渡辺香津美のギター・トリオが素晴らしいインプロビゼーションを展開。4曲目の「Island」のDavid Liebmanの繊細なフルートと渡辺香津美のアコギのデュオは絶品。7曲目の「Please Don't Bundle Me」は、Larry CoryellとのOvation Adamasでのデュオ。Ovation Adamas独特の音色が実に美しい。

このアルバムは、渡辺香津美が全編にわたってアコースティック・ギターを弾いたことから、当時、大きな話題を呼んだ。僕も最初は面食らった。しかし、このアルバムでの渡辺香津美のアコギは限りなく美しく躍動的だ。この時期に一世を風靡したアル・ディメオラらのスーパー・ギター・トリオと肩を並べる、胸の空くような爽快な内容の好盤である。

このアルバムを聴いて、渡辺香津美のギタリストとしての懐の深さを強く感じた。このアルバムを聴いて、このギタリストとの付き合いは長くなりそうだ、そう感じて早33年。今でも、渡辺香津美の新しいアルバムが出るたびにワクワクしている。

 
 

震災から3年9ヶ月。決して忘れない。まだ3年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 四人囃子独特の個性の再確認 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・43 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/58561430

この記事へのトラックバック一覧です: 渡辺香津美の全編アコギの傑作:

« 四人囃子独特の個性の再確認 | トップページ | ピアノ・トリオの代表的名盤・43 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ