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2015年1月12日 (月曜日)

渡辺香津美の全編アコギの傑作

渡辺香津美の考えるフュージョン3部作、1979年リリース、異種格闘技風の香津美フュージョンの傑作中の傑作『KYLYN』から、続く1980年リリースの『TO CHI KA』、そして、1981年リリースの『頭狂奸児唐眼(TALK YOU ALL TIGHT)』。

『KYLYN』での、当時YMOのメンバーであった坂本龍一、高橋幸宏との異種格闘技なコラボレーションから、『TO CHI KA』での米国フュージョン・ジャズの強者の面々とのセッションの経験を踏まえて、その成果を当時のKAZUMI BANDをメインに取り纏めたアルバムが『頭狂奸児唐眼』。

この渡辺香津美の考えるフュージョン3部作(と、僕が勝手に呼んでいるのだ)に続くアルバムは如何なるアルバムなのか。1981年当時、楽しみにしていたら、このアルバムがリリースされた。渡辺香津美『DOGATANA』(写真左)である。

とても不思議なアルバム・タイトルである。これは「渡辺」の漢字から、それぞれ「氵」と「辶」を取ったら「度刀」になる。これを読むと「どがたな」、つまり「DOGATANA」である。なるほど。しかし、この摩訶不思議なアルバム・タイトルから、これまた、意欲的で先進的なフュージョン・ジャズが展開されているのかと思った。
 

Dogatana

 
が、良い意味で、その予想は思いっきり裏切られる。冒頭の「Nuevo Espresso」は、マイク・マイニエリのヴァイブと渡辺香津美のアコースティック・ギターが紡ぎ出す、内省的で耽美的で知性溢れるデュオ演奏。これは絶対に、エレギ中心のフュージョン・ジャズでは無い。

以降、2曲目「Loosey Goosey」では石田長生、山岸潤二、渡辺香津美のギター・トリオが素晴らしいインプロビゼーションを展開。4曲目の「Island」のDavid Liebmanの繊細なフルートと渡辺香津美のアコギのデュオは絶品。7曲目の「Please Don't Bundle Me」は、Larry CoryellとのOvation Adamasでのデュオ。Ovation Adamas独特の音色が実に美しい。

このアルバムは、渡辺香津美が全編にわたってアコースティック・ギターを弾いたことから、当時、大きな話題を呼んだ。僕も最初は面食らった。しかし、このアルバムでの渡辺香津美のアコギは限りなく美しく躍動的だ。この時期に一世を風靡したアル・ディメオラらのスーパー・ギター・トリオと肩を並べる、胸の空くような爽快な内容の好盤である。

このアルバムを聴いて、渡辺香津美のギタリストとしての懐の深さを強く感じた。このアルバムを聴いて、このギタリストとの付き合いは長くなりそうだ、そう感じて早33年。今でも、渡辺香津美の新しいアルバムが出るたびにワクワクしている。

 
 

震災から3年9ヶ月。決して忘れない。まだ3年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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