あくまでも超然とマイペース 『Reel Life』
今日もソニー・ロリンズの聴き直しシリーズの続きである。今日は、1982年8月録音の、Sonny Rollins『Reel Life』(写真左)。「Reel」とは「フィルム・テープなどの巻き枠」の意だろう。ジャケット写真を見ればそう思う。リールの上に、ロリンズが小さくチョコンと座っている(笑)。
ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts), Bobby Broom (g), Yoshiaki Masuo (g), Bob Cranshaw (el-b), Jack DeJohnette (ds, cong, maracas)。日本のジャズ・ギタリスト、増尾好秋がカムバックして、ボビー・ブルームと共にツイン・ギターを形成。ドラムにジャック・デジョネットが座る。ベースはロリンズのお気に入り、エレベのクランショウ。
ツイン・ギターに、デジョネットのポリリズムが絡むのだから、このバックに相対して、ロリンズはバリバリ吹きまくるのか、と思えばそうでは無く、あくまでもロリンズはマイペースで吹いている。まあ、この頃のロリンズは、バックによって吹き方やアプローチを変えるなんてことは無く、あくまでも超然とマイペースで吹く。そう、もはや「超然」とした存在なのだ。
冒頭のタイトル曲「Reel Life」は、出だしで、茫洋とノンビリしたロリンズのブロウに面食らうが、すぐにご機嫌なネアカな純ジャズが展開。ツイン・ギターも好調にバッキングし、デジョネットのドラミングはあくまでロリンズのサポートに徹する。こんなに殊勝で自分を前に出さないデジョネットも珍しい。
2曲目「McGhee」と6曲目の「Best Wishes」では豪快なブロウで度肝を抜かれ、3曲目の「Rosita's Best Friend」のロリンズお得意のカリプソ調の底抜けに明るい演奏に心躍らされる。やっぱり、ロリンズのカリプソは良いな〜。この頃のアルバムには、必ず1曲はカリプソ調の楽曲を取り入れている。
4曲目の「Sonny Side Up」の格好良い展開に、切れ味良くアドリブ・フレーズを展開するロリンズは凄いな〜と思い、5曲目「 My Little Brown Book」の豪快なバラードを聴いて、やっぱりロリンズのバラードは良いな〜と感心する。とにかく、このアルバムのロリンズは、どの曲でもポジティブにネアカにテナーを吹きまくる。
全体が明るい雰囲気で覆われている分、ポップな感触が実に心地良いアルバムである。フュージョン・ジャズの最後期のポップな純ジャズのロリンズ。やはりこのアルバムでも、ロリンズは「我が道を行く」である。
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コメント
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はじめまして、mazuと申します。音楽紹介のブログを書いてます。いつも素晴らしい記事で勉強させて頂いています。
実は本日の拙ブログでソニー・ロリンズのアルバム「リール・ライフ」の曲を紹介した際にネットで検索して貴ブログのこの記事を見つけました。見事な解説に脱帽です!
事後承諾ですみませんが、拙ブログ内で本記事へのリンクを貼らせて頂きました。
大好きなアルバムの解説、どうもありがとうございます☆
投稿: mazu | 2017年2月16日 (木曜日) 22時26分