ロリンズは「我が道を行く」
ソニー・ロリンズの聴き直しシリーズ。2008年から延々と続いているのであるが、やっと、1979年5月の録音、『Don't Ask』まで来た。次のアルバム『Love At First Sight』は、2009年8月29日のブログ(左をクリック)でご紹介したので、その次のアルバムへ。
1981年12月の録音。1980年代に入って2枚目のアルバムになる。そのアルバムとは、Sonny Rollins『No Problem』(写真)。ロリンズが自由に吹きまくるポップなジャズ盤です。ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts), Bobby Hutcherson (vib), Bobby Broom (g), Bob Cranshaw (b), Tony Williams (ds)。錚々たるメンバーである。
錚々たるメンバーなのだが、アルバム全体はロリンズ色で染まっている。ピアノレスのクインテットなので、ロリンズのブロウには、かなりの自由が与えられている。そして、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブが、演奏全体にポップな雰囲気を醸し出している。1981年と言えばフュージョン末期。ソフト&メロウなフュージョン・シーンの中での、ロリンズなりのポップなジャズがこの盤に満載。
ポップでキャッチャーな曲が多くて、リラックスして聴けるところがこの盤の良いところ。冒頭のタイトル曲など、ゆったりとした親しみのあるメイン・テーマから、途中4ビートに変わったり、なかなか聴き応えのあるポップな純ジャズな演奏になっています。2曲目の「Here You Come Again」もポップな雰囲気が魅力のブロウ。
4曲目の「Coconut Bread」は、ロリンズお得意のカリプソ・ナンバー。少し速いフレーズで疾走感溢れるブロウを聴かせてくれます。6曲目の「Illusions」は短めのバラード曲ですが、これがジックリと聴かせてくれる、さすがはロリンズというブロウ。そして、ラストの「Joyous Lake」はこれまたご機嫌なノリノリのポジティブな演奏。
この『No Problem』は、ロリンズのポップで明るい純ジャズなアルバムですね。バックのメンバーも錚々たるメンバーなのですが、ロリンズ・ジャズに合わせて、ロリンズ・ジャズに染まって、独特の明るいポジティブなグルーブを醸し出しています。さすがですね。
この頃のロリンズは「我が道を行く」という雰囲気のブロウで、ジャズのトレンドやブームなど関係無し、ロリンズならではのブロウを吹き続けるという、自由人「ロリンズ」という感じの演奏が魅力です。
もはや、フレーズがどうの、テクニックがどうの、吹き方がどうの、という次元を超えていて、聴いていてワクワクします。プロデューサーがソニー・ロリンズ自身というのも納得です。
震災から3年10ヶ月。決して忘れない。まだ3年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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