リンダの1973年スタジオライブ
今から約35年前。学生時代に好んで聴くロックのジャンルと言えば「ウエストコースト・ロック」。ロサンゼルス、サンフランシスコを拠点に活動するロックであり、C&W風の爽やかでフォーキーなノリと、小粋な兄ちゃん達の小粋なソング・ライティングが中心。カリフォルニアの爽やかな太陽と風のイメージが、1970年代のロックの思い出と共に蘇ります。
そんな「ウエストコースト・ロック」の歌姫と言えば「リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)」。パンチのある豊かな声量と色艶のあるボーカルが身上で、バックのロック色の強い演奏にも負けること無く、それを従えるが如くのボーカルは爽快感抜群。
小粋な兄ちゃん(イーグルスやニール・ヤング、ジェームス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、J.D.サウザー等々)の提供する楽曲を唄いまくったり、小粋な兄ちゃん達をバックバンドに採用してメジャーな存在に引き上げたり、姉御肌な一面もあって、米国西海岸の歌姫として、「ウエストコースト・ロック」の重要な役割も担うミュージシャンの一人として、その名を残しています。
僕はその大学時代に、そんなリンダ・ロンシュタットがお気に入りで、彼女のアルバムはよく聴いていました。行きつけの喫茶店や博物館学実習や古墳調査の遠征時の車の中とか、はたまた徹夜麻雀のBGMに、リンダ・ロンシュタットのアルバムが流れていました。
昨年の9月、そんなリンダのライブ盤がリリースされています。Linda Ronstadt『Sausalito '73』(写真左)。このアルバムは、1973年11月、カリフォルニア州の「The Record Plant」スタジオ(地元のFM放送局)でのライブ音源を元にCD化したものとのこと。まだまだこんな音源が残っているんですね〜。
発掘音源レベルのものですが、録音状態はまずまずで、ウエストコースト・ロックのマニアの方々が触手を伸ばしても問題無いレベルです。選曲は当時のリンダのおなじみの代表曲ばかりで単純に楽しめます。バックバンドの演奏も実にゴキゲンなレベルで、当時のウェストコースト・ロックのライブの臨場感と高い演奏レベルが体感できて、なかなかの内容です。
主役のリンダのボーカルも活き活きとしていて、溌剌とした歌いっぷりは、さすが「ウエストコースト・ロック」の歌姫と呼ばれる所以で、1970年代の米国ロック界を代表する女性ボーカルの一人です。1970年代前半の音のトレンドが色濃く漂っていて懐かしいですね。こんな「はっちゃきな」リンダのボーカルは今でも大お気に入りです。
しかし、リンダ・ロンシュタットはパーキンソン病を患い、歌うことが出来なくなってしまいました。なんという辛いニュースなんだろう。人間は年齢を重ねていくうちに様々な運命に翻弄されていくものですが、リンダのこのケースはかなり辛い。そのリンダの心の内はいかばかりかと心が痛みます。
でも、リンダは様々な音源を残してくれています。その様々な音源を通じて、リンダの歌声を追体験することが出来ます。闘病するリンダ、1970年代の歌姫のリンダに思いを馳せながら、そろそろ、リンダのアルバムを聴き直してみようかな、と思い始めた今日この頃です。
震災から3年10ヶ月。決して忘れない。まだ3年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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