初期の傑作、グリフィン入門盤です
歌心満点のテナーマン、Johnny Griffin(ジョニー・グリフィン)。彼は1928年4月の生まれで、2008年7月に鬼籍に入っているので、満80歳の生涯を過ごしたことになる。ハードバップ全盛の1950年代後半は、グリフィンは20歳台後半のジャズメンとして、若さ溢れるバリバリの頃。確かに良い演奏が多々残っている。
そんなハードバップ全盛時代のジョニー・グリフィンの数あるリーダー作の中で、このアルバムはピカイチの内容である。そのアルバムとは、Johnny Griffin『The Congregation』(写真左)。「ザ・コングリゲーション」と読む。意味は「教会に集まった人々、信徒」。Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)のイラストの洒落たジャケットが粋な、グリフィンの初期の名盤である。
ブルーノートの1580番。1957年10月の録音になる。グリフィンは29歳。ジャズメンとして若さ溢れるバリバリの頃。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Kenny Dennis (ds)。活きの良いリズム・セクションを従えた、グリフィンのワンホーン作品である。
冒頭のタイトル曲「The Congregation」を聴けば、このアルバムは良い、と直ぐに感じる。グリフィンの歌心満点のテナーが、小唄を悠然と唄うように、豪快でテクニック溢れる、説得力のあるテナーを吹き上げて行く。余裕綽々のテナー、ユーモアを隠し味の様に漂わせながら、ポジティブなブロウが繰り広げられる。
トータルの収録時間が約30分程度とちょっと短めだが、アルバムに収録された6つの曲はそれぞれ、充実した内容で全く飽きない。延々と繰り返し聴いても全く飽きない、「リトル・ジャイアント」とあだ名された、グリフィンの説得力のある、しっかりとした端正で歌心あるブロウが印象深い。
自作曲も、ミュージシャンズ・チューンの曲も、スタンダード曲もいずれも、とにかく出来が良い。上質のハードバップを聴く事が出来る。ピアノのソニー・クラークが効いている。グリフィンの唄うテナーのバックに回っている時も、前面に出てソロをとる時も、クラークのピアノ音がファンクネスを漂わせつつ、跳ねるように展開する。これが効いている。
チェンバースのベース、デニスのドラムが堅実で、グリフィンのブロウをしっかりとサポートする。安心感溢れる、信頼のリズム・セクション。五月蠅く耳につくこと無く、しっかりとサポートに徹するリズム・セクションは「名盤の基本条件」。安定感のあるリズム&ビートは、フロントのグリフィンを穏やかに鼓舞する。
2014年11月18日のブログ(左をクリック)でご紹介した『The Kerry Dancers(ザ・ケリー・ダンサーズ)』と併せて、この『The Congregation』は、グリフィン入門盤として最適。ジョニー・グリフィンのテナーとは如何なるものか、がバッチリと判ります。とにかく、ジャズ・テナーの良いところが、楽しく体験できます。
★震災から3年8ヶ月。決して忘れない。まだ3年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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