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2014年12月16日 (火曜日)

聴いて楽しいルーさんのアルト

このアルバムは良い。スローなバラードから、歌心満点のミッドテンポの曲まで、ポジティブで明快なアルトが唄っている。実に聴いていて楽しい、聴いていて明るくなる。

そのアルバムとは、Lou Donaldson『Swing and Soul』(写真左)。ブルーノートの1566番。1957年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as), Herman Foster (p), Peck Morrison (b), Dave Bailey (ds), Ray Barretto (cong)。コンガ入りのカルテット。ルーさんのワンホーン・アルバムである。

まず、冒頭の「Dorothy」が絶品。このバラード曲が凄く良い。もともと歌心満点のルーさんのアルトである。その歌心満点なアルトが、バラードを吹き上げていく。悪かろうはずがない。バックのリズム・セクションは、1957年当時の有名どころでは無い。恐らく、ルーさんの馴染みのジャズメンなのだろう。このリズム・セクションも良い雰囲気でバッキングする。

もともとルーさんのアルトは、日本ではあまり人気が無い。ルーさんのアルトは、一派一絡げで「パーカー派」で括られる。違うんやけどなあ。良く聴けば判るんだが、ビ・バップの祖、アルトの神様、チャーリー・パーカーのアルトとルーさんのアルトとは全く「似て非なるもの」。

パーカーのアルトは神懸かったハイテクニックとスピードが命。フレーズは愁いを帯びたマイナー調が主。ルーさんのアルトは歌心満点。当然、高いテクニックもあるが、それよりも明るくポジティブなマイナーなフレーズが堪らない。パーカーは如何に難しいフレーズを如何に軽やかに吹くか、だが、ルーさんは聴くこと、聴かれることを前提に、判り易く明快なフレーズを吹き上げていく。
 

Lou_donaldson_swing_and_soul

 
ルーさんのアルトは、チャーリー・パーカーのアルトとは「似て非なるもの」。それがこのアルバム『Swing and Soul』を聴けばよく判る。ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、ルーさんをスカウトする時、「パーカーの様に吹けるか」と訊いたそうだ。ルーさんは「もちろん」と応えた。

ルーさんのアルトは、パーカーの様な音色ではあるが、パーカーの個性をコピーした様には吹かない。パーカーの様な音色ではあるが、テクニックも優秀ではあるが、ルーさんはルーさんならではの個性でアルトを吹く。この辺を理解しないと、ルーさんのアルトはパーカー派のそれであり、それならば、パーカー本人の演奏を聴いた方が良い、となる。困ったもんだ(笑)。

ルーさんのアルトは「パーカー派」のアルトでは無い。パーカーのアルトとは一線を画している。バラードの「Dorothy」を聴けば良く判る。2曲目の「I Won't Cry Any More」の速いアドリブ・フレーズを聴いても、パーカーのそれとは全く異なる。パーカーはテクニックが優先であるが、ルーさんは歌心が優先なのだ。

最後に、実はレイ・バレットのコンガが良く効いている。このコンガの存在が、ジャズの演奏をポップにし、ラテンチックな雰囲気を醸し出したりして、聴く者に程良くアピールする。このコンガの存在が、日本の硬派なジャズ者の方々には許せないらしい。なんだか「めんどくさい」なあ(笑)。

良いアルバムです。いつ聴いても、このアルバムのポジティブで明快なアルトが実に良い。スローなバラードから、歌心満点のミッドテンポの曲まで、とにかく楽しく聴けます。「聴いていて楽しいジャズ」。こういうジャズも良いものです。

 
 

震災から3年9ヶ月。決して忘れない。まだ3年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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