Blue Noteの一味違うXmas盤
ブルーノート・レーベルは、1970年代の「純ジャズ氷河時代」に活動停止してしまう。しかし、1985年、純ジャズの復権と共に活動を再開、旧来からの「ブルーノート」のブランド・イメージをしっかり保持しつつ、最高質の「その時代の最先端のジャズ」をリスナーに供給する姿勢は、まさに「ブルーノート・レーベル」そのもの。
この新生ブルーノートの活動には心強いものがあるのだが、このブルーノート・レーベルが、単独リーダー作では無いが、ブルーノートのスター演奏家達が演奏する数々のクリスマス・ソングを集めた「コンピもの」がこのアルバムである。タイトルが『Yule Struttin'(A Blue Note Christmas)』(写真左)。収録曲は以下の通り。
1. Vauncing Chimes - Horizon, Bobby Watson
2. Silent Night - Stanley Jordan
3. Christmas Song - Lou Rawls
4. I'll Be Home for Christmas/Sleigh Ride - Eliane Elias
5. Winter Wonderland - Chet Baker
6. Merrier Christmas - Benny Green
7. Merrier Christmas - Dianne Reeves
8. O Tannenbaum -John Hart
9. Jingle Bells - Count Basie
10. Chipmunk Christmas - John Scofield
11. God Rest Ye Merry Gentlemen - Joey Calderazzo
12. Have Yourself a Merry Little Christmas - Dexter Gordon
13. Silent Night - Benny Green
14. Little Drummer Boy - Rick Margitza
まずは聴いていただきたい。1曲目のボビー・ワトソン&ホライズンの「ヴァンシング・チャイムス」のメインストリームな演奏。今の時代のジャズ的な演奏に乗って演奏される「ヴァンシング・チャイムス」は実に楽しい。
そして、ギターによる驚異のタッピング奏法で一時代を風靡したスタンリー・ジョーダンの「きよしこの夜」の、素晴らしく、ブルース・フィーリング溢れるソロを聴く頃には、この新生ブルーノートのクリスマス・コンビアルバムは「ただ者ではない」と感じる。
4曲目の「クリスマスをわが家で〜そり遊び」も、イリアーヌの繊細なピアノでもって、前半はリリカルなソロで、後半は、ファンキーなラテン・タッチの対比が素晴らしい。
選曲もひねりが効いていて、「もっとメリー・クリスマス」は、セロニアス・モンクの作なる不思議な響きのする秀作で、2パターンのアレンジを聴き比べさせてくれる。ひとつでは、ベニー・グリーンが入魂のソロで聴かせ、もう一方では、ダイアン・リーブスのボーカルで聴かせる、といった憎い趣向。
10曲目の「チップマンク・クリスマス」などは、ギンギンのジャズ・ギタリスト、ジョン・スコフィールドが、ストレートで小気味の良い、豪快なジャズ・ギターでクリスマス・ソングを奏でる。
そして、大ベテランのテナー奏者デクスター・ゴードンの「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」は、僕のお気に入り。最高潮の時のデックスには及ばないけど、「歌を歌うようにテナーを吹く」存在感のあるデックスは健在だ。
さすが、ブルーノート・レーベルのクリスマス・アルバムは、いつの時代もひと味違う。
震災から3年9ヶ月。決して忘れない。まだ3年9ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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