デジタルなTangerine Dream
今日は、ジャズを聴きまくっての「耳休め」アルバムのお話しを。シンセサイザー・ミュージックと言う言葉を聞いて、僕達がリアルタイムで体験したバンドを振り返ってみると、Yellow Magic Orchestra、Kraftwerk、そして、Tangerine Dream。
僕の中では、Yellow Magic OrchestraとKraftwerkは「テクノ・ポップ」。Tangerine Dreamが、70年代ロックのプログレッシブ・ロック(以降プログレと略)に端を発した「シンセサイザー・ミュージック」。ジャズを聴きまくっての「耳休め」として良く聴くのは、Tangerine Dream。
シーケンサーによる躍動感溢れるビートに乗って、シンセサイザーが縦横無尽に、変幻自在に駆け巡る。時には幻想的に、時には攻撃的に、時には広大に、時には陰鬱に、シンセサイザーの旋律が疾走する。そんなTangerine Dreamの音世界は、ジャズを聴きまくっての「耳休め」にピッタリ。
今日のTangerine Dream(タンジェリン・ドリーム)は『Hyperborea(邦題: 流氷の詩)』(写真左)。1983年の作品。タンジェリン・ドリームのアルバムとしては第18作目。
通算5枚目のアルバムである『Rubycon(ルビコン)』からポップな世界に徐々に歩み寄っていったタンジェリン・ドリーム。この『Hyperborea(ヒューペルボリア)』では、とても聴き易い、印象的なフレーズ満載のプログレ的なインスト・アルバムに仕上がっている。
邦題の「流氷の詩」にはドン引きしたが、元々のアルバム・タイトル『Hyperborea(ヒューペルボリア)』は、クトゥルフ神話に登場する架空の地名とのこと。北極海と北大西洋の間のグリーンランド近辺にあったとされる架空の大陸の名前。確かに、北の極寒の地の、透明度の高い、凛とした響きを感じる。
幻想的、かつ透明度が高く、マイナー調がベースの寂寞感溢れるシンセサイザーの旋律がキャッチャーで聴き易い。太くて凛としたタンジェリン・ドリーム独特のシンセの響きが実に良い。音の雰囲気は、音像クッキリ、高音が澄んでいて、音のエッジが少し立ち過ぎる位で、イメージとしては、デジタル録音チックなシンセサイザー・ミュージック。
アナログ録音の様な、ちょっと曖昧な高音の伸び(これが良いんだが)、塊の様な音像、音のエッジが丸みを帯びつつ切れ味はある、そんな印象の音とは正反対のデジタル・チックな音。デジタル・チックな分、音像が明るい。影の少ない明るさ。
ジャケットの印象そのものの音世界。Tangerine Dream独特の反復音を繰り返しながら展開し、高揚し発展していくシンセサイザー・ミュージック。Tangerine Dream独特の楽曲構成とメロディーがとても楽しい。
どっぷりと濃いTangerine Dreamの音世界では無いが、とても聴き易い、Tangerine Dream入門盤としてもお勧めのシンセサイザー・ミュージックである。ジャズを聴きまくっての「耳休め」の一時である。
震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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