優しく聴き易いスイング・ジャズ
スイング・ジャズというジャンルがある。1930年代から1940年代初めにかけて大流行した、白人が主体となって作られた大人数編成によるジャズ。スイングのリズムを含んだ軽快なダンス・ミュージックで、ジャズの特徴である即興演奏よりも綿密なアレンジと打合せによる予定調和な演奏が中心。
そんなスイング・ジャズの代表的ミュージシャンがベニー・グッドマン。スウィングの王様(King of Swing)と称される。そんなベニー・グッドマンをトリビュートし、スイング・ジャズの有名曲を演奏したアルバムがこれ。花岡詠二『Rachel's Dream』(写真左)。副題が「Eiji Hanaoka Plays Benny Goodman」。2012年12月のリリース。
もともと、僕の高校時代、ジャズへの誘いとなった映画が「ベニー・グッドマン物語」。それ以来、スイング・ジャズの演奏は耳に良く馴染む。綿密なアレンジと打合せによる予定調和な演奏は破綻が無く、耳に優しく、とにかく聴き易い。そんなスイング・ジャズな演奏がこのアルバムに満載である。
花岡のクラリネットの音色が「スイング・ジャズ」を彷彿とさせる。そう、スイング・ジャズと言えば「クラリネット」。これって、ベニー・グッドマンの影響なんだろうな。ヴァイブの音色は、ベニー・グッドマン楽団のライオネル・ハンプトンを彷彿とさせる。そう、ヴァイブの音色も「スイング・ジャズ」だな。
ギターの音色は、同じくベニー・グッドマン楽団のチャーリー・クリスチャンを想起させる。ピアノはテディ・ウィルソンを彷彿とさせ、躍動感溢れるドラムはジーン・クルーパを想起させる。良いなあ、スイングやなあ。
とにかく、聴いて楽しいスイング・ジャズなアルバムである。冒頭のタイトル曲「Rachel’s Dream」からスイング・ジャズの楽しさ満載。4曲目の「I Got Rhythm」も良いな。スイング・ジャズやな。
先に述べた様にスイング・ジャズは、綿密なアレンジと打合せによる予定調和な演奏が中心なので、このスイング・ジャズな演奏の中には、ジャズの新しい姿とか、ジャズの先進的なテクニックとか、ジャズの最先端をいく何かとは全く無縁なんだが、この破綻が無く、耳に優しく聴き易いスイング・ジャズは、たまに耳を傾ける分には、これはこれで良いものである。
リラックスして楽しみながら気軽に聴けるスイング・ジャズ。現在の最新の録音環境の下、躍動感溢れる切れ味の良い音で聴くスイング・ジャズ。これはこれで「アリ」である。
ちなみにパーソネルは、花岡 詠二 (cl), 武田 将 (vib), 佐久間 和 (g), Paolo Alderighi (p), 小林 真人 (b), Brooks Tegler (ds)。日米混合のセクステット。ご機嫌な演奏を繰り広げています。
震災から3年8ヶ月。決して忘れない。まだ3年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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