北陸・小松発の和ロックバンド
今日もジャズの合間の「耳休め」、1970年代のJポップ、和ロックのアルバムの話題を。今日の和ロックのバンドは「めんたんぴん」。北陸は小松市から全国に挑戦し成功したバンドである。
めんたんぴんは1972年石川県小松市にて結成、「日本のグレイトフル・デッド」と呼ばれ、佐々木忠平 (vo)、飛田一男さん (g) を中心にツインギター、ツインドラム編成のライブバンドとして、1970年代中盤から1980年初頭に活躍したバンドでした。
ちなみに「めんたんぴん」とは麻雀用語で、「めん」とは門前(メンゼン)の「めん」で即ち「リーチ」を、「たん」は断公(タンヤオ)を、「ぴん」は平和(ピンフ)を意味します。つまり、リーチ、タンヤオ、ピンフのことです。麻雀好きにはピンとくるネーミングですね(笑)。単純にバンド名として良い響きだと思います。
さて、この「めんたんぴん」のファーストアルバムが『MENTANPIN』(写真左)。1975年のリリースになる。グレイトフル・デッドをはじめとする米国西海岸ロックからサザンロックの影響を受けたサウンドは個性的。日本人独特の乾いたファンクネスも漂うロックはとても魅力的でした。
リズム&ビートの重心が日本人らしからぬ低さ。ツインギターのキレがとても良い。このファーストアルバムを初めて聴いた時、これが日本人の手になるロックの音なのか、とビックリしましたねえ。サザンロックの影響を受けたであろう、泥臭くワイルドなブルース・ロックはとても魅力的。
冒頭の「コンサートツアー」から「木こりの唄」の流れには惚れ惚れする。サザンロック好きには堪えられないサウンドである。続く「春」などは、ほんわか牧歌的な雰囲気のする重心の低いロックで、当時の日本人ロックからすると、独特の響きを持っていた。日本人として、こんなロックの音が出せるんだ、と感心した。
日本人の手でこれだけの音が出せる。そして、日本語で堂々とロックを奏でている。こういうデッドをはじめとする米国西海岸ロックからサザンロックの影響を受けたサウンドが、日本人の手で演奏されるなんて、当時は思ってもみなかったので、この「めんたんぴん」の出現は、ある意味、ショックでした。
「めんたんぴん」の日本語で歌うロックはワイルドで圧巻。グレイトフル・デッドをはじめとする米国西海岸ロックからサザンロックの影響を上手く織り交ぜたアレンジと共に、日本語ロックの素晴らしい成果として、今の耳にも十分に耐える。
この「めんたんぴん」も日本語ロックの秀作。当時、日本語はロックに合わない、日本語はロックに乗らない、などと悲観的な評価を展開していた評論家達を軽く笑い飛ばす「めんたんぴん」のパフォーマンスは実に渋い存在でした。
残念なのは、当時の日本においては早すぎた存在だったようで、メジャーな存在になりきれないまま、全国レベルの活動を縮退してしまったのは残念でした。「めんたんぴん」は1981年に解散し、メンバーは個人で音楽活動を続けるなど、それぞれの道を歩むことになります。
しかし、なんと、今年の2月、この「めんたんぴん」が再結成されました。ビックリした。レコードデビュー当時のメンバーが集結し、ライブを行うのは解散後初めて、とのこと。還暦を過ぎたメンバーが1970年代当時と同様、グレイトフル・デッドをはじめとする米国西海岸ロックからサザンロックの影響を受けたサウンドを展開する。良い感じですね。
最後に「めんたんぴん」のオリジナル・メンバーを記しておく。佐々木忠平(vo, g)、飛田一男(g)、池田洋一郎(g)、石崎三郎(b)、沖村公平(ds)、寺井貢(ds)。
震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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