« テンション高く熱い西海岸ジャズ | トップページ | 歴代のテナー・マンの中でピカイチ »

2014年11月18日 (火曜日)

余裕綽々でジェントルなグリフィン

Johnny Griffin(ジョニー・グリフィン)は歌心満点のテナーマンである。テクニックもかなりのものがあり、テナーマンとしては一流。ジョン・コルトレーンと比較しても遜色の無いレベルである。歌心という点では、ジョン・コルトレーンの上をいくのではないか、と感じている。

その歌心満点のグリフィンを堪能出来るアルバムが、Johnny Griffin『The Kerry Dancers』(写真左)。1961年12月と1962年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Griffin (ts), Barry Harris (p), Ron Carter (b), Ben Riley (ds)。グリフィンのワン・ホーン作。グリフィンのテナーが心ゆくまで楽しめる。

収録全8曲中、半分の4曲がトラディショナル・ナンバーという面白い選曲。1曲目のタイトル曲「The Kerry Dancers」はアイルランド民謡。2曲目の「Black Is the Color of My True Love's Hair」は米国南部の民謡。4曲目が「The Londonderry Air」は、別名「Danny Boy」で知られる、これまたアイルランド民謡。7曲目の「Hush-a-Bye」は米国の子守歌。

このトラディショナル・ナンバーを吹き上げていくグリフィンが良い。良く回る指、溢れる歌心、ハッキリとしたポジティブな音。そんなグリフィンのブロウが実に良い。グリフィンのテナーの個性は「良く回る指、溢れる歌心、ハッキリとしたポジティブな音」に尽きる。
 

The_kerry_dancers

 
トラディショナル・ナンバーを吹くグリフィンを聴いていて、グリフィンのブロウには独特の「ユーモア」もあると感じる。溢れる歌心と相まって、楽しく聴ける「ユーモア」。このアルバムでのグリフィンのテナーはポップであり、キャッチャーである。

しかも、このアルバムでのグリフィンのプレイは柔和で穏やかだ。全編に渡って肩の力が抜けた柔和で穏やかなブロウ。これが、このアルバムの一番の魅力。

バリー・ハリスのピアノ、ロン・カーターのベース、ベン・ライリーのドラム。この珍しい組合せのリズム・セクションも一味違ったハードバップな響きが良い。この組合せは誰の発想だろうか。ハリスのバップなピアノに、新主流派の新しい響きが個性のロンのベース、そして、堅実実直なライリーのドラミング。新旧の感性をミックスしたリズム・セクションがこのアルバムに新鮮な雰囲気を流し込んでるようだ。

グリフィンの個性であるアグレッシブさとハイテクニックを封印して、余裕綽々、ジェントルなグリフィンがこのアルバムの中にいる。歌う様なテナーは、穏やかでウォーム、エッジは丸く、全体の雰囲気は「ふくよか」。そんなテナーが大活躍、ポップなアルバムに仕上がっていて、ジャズ・テナー入門に「うってつけ」。良いアルバムです。
 
 
 
★震災から3年8ヶ月。決して忘れない。まだ3年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« テンション高く熱い西海岸ジャズ | トップページ | 歴代のテナー・マンの中でピカイチ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 余裕綽々でジェントルなグリフィン:

« テンション高く熱い西海岸ジャズ | トップページ | 歴代のテナー・マンの中でピカイチ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー