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2014年11月 5日 (水曜日)

聴き流す程度の「気軽な聴き」盤

秋が深まると、ハードバップの聴き心地が増す。落葉散る、何となくしみじみとする季節。そんな季節にハードバップの演奏がしみじみと心に響く。

今日、聴いたハードバップ盤は、Hank Mobley『Mobley's Message』(写真左)。1956年7月の録音。リハ無しの「やっつけ」録音で有名なプレスティッジ・レーベルからのリリース。ジャケット・デザインもさすがはプレスティッジ、思いっきり「やっつけ」のジャケット。

このジャケットを見れば、思わず購入意欲は減退する。タイトルの「モブレーのメッセージ」に相対するジャケ写が、なぜ「送電線」なのか、全く理解出来ない。プレスティッジ・レーベルには、こんな「やっつけ」の意味不明なジャケットが多く存在する。全く困ったもんだ。

さて、このHank Mobley『Mobley's Message』、ちなみにパーソネルは、Hank Mobley (ts), Donald Byrd (tp), Barry Harris (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds), Jackie McLean (as)。今から振り返れば、錚々たるメンバーである。ハードバップ時代を代表するジャズメンばかりで固めている。

このパーソネルを確認して、やっとこのアルバムを手にする意欲が出る。リーダーのモブレーとペットのバードは相性が良く、ベースのワトキンスとドラムのテイラーは鉄壁のリズム・セクション。バリー・ハリスのピアノだけがちょっと違和感を感じるが、恐らく、この「やっつけ」セッションのメンバーを募ったとき、暇だったのだろう。
 

Mobleys_message

 
この盤に詰まっている音は「ハードバップ」。録音年は1956年。ハードバップが隆盛を極め始めた年である。溌剌とした、成熟した余裕が感じられるハードバップが聴いて取れる。なんせ、モブレーのテナーに、ドナルド・バードにジャッキー・マクリーンという強 力な助っ人が脇を固めるのだ。

モブレー+バードの2管編成、そこにマクリーンが加わった3管編成。そんなハードバップの香り満点のユニゾン&ハーモニーが、とにかく良い。ハードバップの良いところを強く感じることが出来る。洗練され大向こうを張った演奏では無いが、当時の日常のハードバップ演奏の雰囲気を思い切り感じることが出来る。

しかも、モブレーは良い曲を書くので有名だが、このアルバムに収録されたモブレー作の曲は全6曲中2曲のみ。後はパウエルの曲、モンクの曲、パーカーの曲、そして隠れたスタンダード曲。モブレーの曲が中心では無い、様々な曲想の楽曲が意外と楽しい。

何の変哲も無いハードバップ盤なのだが、音の雰囲気、演奏のテンポが実に良い。枯れているというよりは、成熟した余裕のある演奏。ジャズメンとして、ハードバップを自家薬籠中のものとした、成熟した余裕が感じられる演奏。それが良い。とりわけ、ジャズ者中級者から上級者のハードバップ好きには堪らない音の響きです。

全体的には、何も仕掛けのないソロパートを忠実に繋いでいく「ハードバップな演奏」ばかりなのですが、これが全く飽きない。参加ジャズメンは一様に好調。構えて聴くのでは無く、ちょっと聴き流す程度の「気軽な聴き」にピッタリのハードバップ盤です。

 
 

震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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