Eric Dolphy in Europe, Vol.1
ジャズ者を志して以来、エリック・ドルフィーは相当に気になる存在だった。というか、お気に入りである。あの独特の限りなくフリーな変則フレーズが、どうにもこうにも大好きなのだ。
改めて、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)とは何者か。1928年6月、米国ロス生まれのバス・クラリネット、アルト・サックス、フルート奏者である。特に、ジャズにおいて、バス・クラリネットを吹きこなすテクニックについては、ドルフィーの右に出る者はいない。フルートも限りなくフリーキーなブロウで相当なレベルである。
そんなエリック・ドルフィーを体感するには、どのアルバムが適当なのか。僕は『Eric Dolphy in Europe』シリーズを挙げる。vol.1からvol.3までの3枚で構成される『Eric Dolphy in Europe』シリーズ。このライブ音源が、エリック・ドルフィーとは如何なるジャズメンなのか、を教えてくれる。
まずは『Eric Dolphy in Europe, Vol.1』(写真左)を聴く。1961年9月8日、コペンハーゲンでの録音。ちなみにパーソネルは、Chuck Israels (b), Erik Moseholm (b)の二人の使い分けに、Jorn Elniff (ds), Bent Axen (p), Eric Dolphy (fl, b-cl)。
ドルフィーとイスラエルズの2人のデュオ「Hi-Fly」で幕を開ける。潤いのある低音が素敵なイスラエルズ。そんなベース・ラインに乗って、ドルフィーはフルートを吹く。しっかりと芯の入ったフルートが飛翔する。これがドルフィーのフルートだ。デュオなのが良い。ドルフィーのフルートの個性を心ゆくまで体感出来る。
「Glad To Be Unhappy」のフルートも官能的だ。フルートによる美しいバラード演奏は、ドルフィーの溢れんばかりの歌心を感じさせてくれる。エモーショナルで音色豊かで疾走感のあるフルートは、実に説得力のあるフルートである。
「God Bless The Child」に「Oleo」はエモーショナルでエキサイティングなバス・クラリネットの演奏。ドルフィーの全くの独り吹き。こんなにエモーショナルで音色豊かで柔らかくて芯のあるバス・クラリネットは途方も無く魅力的だ。このドルフィーのバス・クラリネットを聴いてしまうと、暫く、他のバスクラが平坦に聴こえて仕方が無くなる。罪なバスクラだ。
ドルフィーを体験するのに相応しい『Eric Dolphy in Europe, Vol.1』。まずはこの、『At The Five Spot』の様な激しさや『Out To Lunch!』の様な前衛性が影を潜めた、正統なメインストリーム・ジャズど真ん中なライブ音源で、ドルフィーのフルートとバス・クラリネットを体感するのだ。
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