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2014年10月30日 (木曜日)

晩秋にマイルスの「枯葉」が良い

晩秋になると、毎年、決まって聴くアルバムが幾枚かある。大体、収録されたお目当ての曲がメイン。秋がテーマの曲で「Autumn Leaves(枯葉)」と「Autumn In New York(ニューヨークの秋)」。

今年もまずは「Autumn Leaves(枯葉)」をお目当ての曲として、アルバムを物色する。まあ「枯葉」と言えば、まずはマイルスの名演でしょう。マイルスは「枯葉」が好きみたいで、何枚かのアルバムで演奏していて、それぞれ違った表情の「枯葉」が聴ける。

が、まずはこれでしょう。Cannonball Adderley『Somethin' Else』(写真左)。ブルーノートの1595番。あれれ、マスター、マイルスのリーダー作じゃないですよ。とまあ、ジャズ者初心者の突っ込みなら、まあ仕方なく受け止めますが、ジャズ歴5年以上のジャズ者方々からの突っ込みなら「お主、勉強不足じゃ」と活を入れますね(笑)。

このアルバムは、1958年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), Cannonball Adderley (as), Hank Jones (p), Sam Jones (b), Art Blakey (ds)。ちゃんとマイルスがいます。見渡して見ると、なかなか考え抜かれた人選です。しかし、まずは、ブルーノート・レーベルでよく見るパーソネルでは無い。

このアルバムが作成された切っ掛けは「マイルスの恩返し」。1950年代前半、マイルスは麻薬にはまって演奏が不安定になり、仕事も干された状態になっていた時期がある。そんな時期に、マイルスの才能に敬意を払い、録音の機会を与えてくれたプロデューサーがアルフレッド・ライオン。ブルーノートの総帥である。

その後、マイルスは麻薬禍を自力で抜け出し復活。大手レコード会社のCBSに迎えられる。専属契約なので、他のレーベルには吹き込めない。しかし、マイルスはライオンへの恩義を忘れなかった。CBSに特例を認めさせ、マイルスはブルーノートへのレコーディングを計画する。
 

Somethin_else

 
パーソネルは、マイルス自らが人選したと聞く。さすがに、専属契約の無いマイルスが、ブルーノートでリーダーのアルバムを出す訳にはいかないので、そのリーダー役をアルトのキャノンボール・アダレイに担わせた。しかし、実質上は、マイルスのリーダー作である。

このアルバムの一番の目玉が、やはり冒頭の「Autumn Leaves(枯葉)」でしょう。本当にこの「枯葉」の演奏は良く出来ています。しかも、マイルスのペットが凄く良い雰囲気を出している。この演奏が、ジャズの「枯葉」の標準になっている、と言っても過言では無い。

他の曲も良いですよ。リーダー役を担ったアルトのキャノンボール・アダレイをフィーチャーした演奏が怒濤の如く続く。陽気にポジティブに吹きまくる「動」のアダレイ。そして、クールにアーティスティックに吹きまくる「静」のマイルス。この「動」と「静」のコントラストがマイルスの好み。

リズム・セクションの3人の音は、まったくもってブルーノートの雰囲気をバッチリと醸し出している。さすがはマイルス。このアルバムは、ブルーノート・レーベルのアルバムである。アルフレッド・ライオンの音でなければならない。マイルスは心得ていた。Hank Jones (p), Sam Jones (b), Art Blakey (ds)のリズム・セクションの音は「ブルーノートの音」。

このアルバムは、ジャズ者初心者の方々にお勧めの一枚。高い演奏レベルと言い、アーティスティックなハードバップの響きと言い、アルバムにまつわるエピソードと言い、モダン・ジャズの面白いところ全てが体験できる「お徳用」な一枚です。ジャケットも渋くて格好良いです。

 
 

震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

初めまして、ジャズ初心者xysnzと申します。realgonejazzからでているマイルス・デイビスの廉価版アルバムに収録されていたので喜んで聴いています。しかし、MILES DAVIS TWENTY CLASSIC ALBUMSにちゃんとこのアルバムをはずさないrealgonejazzもわかっている、ということなのか、常識なのかはわかりませんが、手頃な価格でジャズを提供するRGJと、無償でいろいろ紹介してくれるマスターに感謝です。

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