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2014年10月22日 (水曜日)

トレーンとシェップのライブ盤

フリー・ジャズは難しい。フリー・ジャズは、ジャズの歴史の中での、ちゃんとした「ジャズのスタイル」の一つである。フリー・ジャズをメインとするジャズメンもある一定数はいる。今でもフリー・ジャズを演奏するジャズメンはいる。

しかし、フリー・ジャズほど、良い演奏と悪い演奏の差が激しいスタイルも他に無い。フリー・ジャズは、フリーとは言え、ある一定の決め事はある。決め事が全く無ければ音楽として成立しない。単なる音、雑音である。

その決め事の良し悪し、その決め事の遵守度合いで、良いフリー・ジャズなのか、悪いフリー・ジャズなのかが決まる。ジャズメンの力量、経験、才能によって、フリー・ジャズの良し悪しが決まることは無い。

コルトレーンのアルバムの聴き直しを進めてきて、いよいよ残りの3枚。まず、このアルバムを聴くことにする。John Coltrane & Archie Shepp『New Thing at Newport』(写真左)。僕がCDとして所有しているのは、オリジナルLPの仕様。オリジナルLPと同じ曲順、同じ構成。

CDとしてリリースされたこの『New Thing at Newport』は、「My Favorite Things」などが追加された拡張盤。CDリイシューの悪いところで、LP時代の音源は、曲順、構成はLPの時代のままでリイシューするべきだ。できれば、ボートラもいらない。LP時代のオリジナル盤はLPの仕様なのだ。

この閉塞感漂うフリー・ジャズな演奏は何なんだろう。フリーな演奏を追求しているはずが、閉塞感漂うなど本末転倒ではないか。でも、事実、このライブ盤でのコルトレーンの演奏もシェップの演奏も閉塞感や行き詰まり感がどんよりと漂っていて、聴いていてちょっと辛くなる。
 

New_thing_at_newport

 
さて、このライブ盤は、コルトレーンとシェップの二人のパフォーマンスを記録したアルバムなのだが、構成は以下の通りになる。

1. Spoken introduction to John Coltrane's set by Father Norman O'Connor
2. One Down One Up  (from Coltrane's set)
3. Rufus (Swung His Face At Last To The Wind, Then His Neck Snapped)  (from Shepp's set)
4. Le Matin Des Noire   (from Shepp's set)
5. Scag  (from Shepp's set)
6. Call Me By My Rightful Name  (from Shepp's set)

なんと、コルトレーンの演奏は、2の「One Down One Up」のみ。他の演奏は、全て、アーチー・シェップのもの。といって、演奏の内容は、コルトレーンもシェップも似たり寄ったり。馬の嘶きの様な激しいブロウと、袋小路に迷い込んだような、フリーでありながら、同じ様なフレーズを繰り返すマンネリ気味のブロウ。

1966年7月の録音。コルトレーンの亡くなる1年前。コルトレーンの追求するフリー・ジャズは、ほぼバリエーションが潰えたと思える。コードを分解して高速パッセージで綴った「シーツ・オブ・サウンド」。その「シーツ・オブ・サウンド」を駆使して、フリーキーなブロウをする。それがコルトレーンのフリー・ジャズ。

そして、フリー・ジャズの要となる、ある一定の決め事が「シーツ・オブ・サウンドを駆使したブロウ」。コードを前提としているシーツ・オブ・サウンドが故に、コード奏法の欠点であった「マンネリズム」がここでも影を落としている。

悩ましいライブ盤である。コルトレーンが吹くからと言って、常に良いフリー・ジャズが展開される保障は無い。そして、コルトレーンのフォロワーは、コードを前提としているシーツ・オブ・サウンドが故に、コード奏法の欠点であった「マンネリズム」に悩まされることになる。その兆しが、この『New Thing at Newport』に詰まっているように感じるのだ。

 
 

震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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