フリーとソウルが渾然一体です。
ジャズといっても、ハードなフリー・ジャズやモーダルなジャズを聴いていると、徐々に耳が疲れてくる。ポップでノリの良いジャズを聴いて、少し耳を休めたいと思い、聴き耳をリラックスさせたいと思う。
そういう時は、僕は1960年代後半のソウル・ジャズから1970年代前半のクロスオーバー・ジャズを聴く。まだまだジャズがメインで、そんなジャズにソウル・ミュージックやロックのエッセンスをまぶした、ポップでノリノリのジャズ。しっかりとリラックス出来るジャズ。
そんなソウル・ジャズのアルバムの一枚が、Herbie Mann『Live At The Whisky A Go Go』(写真左)。 1968年のリリース。そして、パーソネルがなかなか凄い。Miroslav Vitous (b), Bruno Carr (ds), Herbie Mann (fl), Sonny Sharrock (g), Steve Marcus (ts), Roy Ayers (vib)。
うむむ、ベースがミロスラフ・ビトウス。ヴィブラフォンがロイ・エアーズ。若き精鋭達。そして、ハービー・マンは、数少ないジャズ・フルート奏者の一人、代表格である。この有名どころ3人に、エレギ、テナー、ドラムが加わって、バリバリ、どファンクなソウル・ジャズを繰り広げる。
ベースのミロスラフ・ヴィトウスに、ギターのソニー・シャーロックは、フリーに近いスタイル。この2人が、このハービー・マンの、こってこてソウル・ジャズなバンドに入ったのかは謎である。
それでも、この二人の存在が、この、こってこてのソウル・ジャズに、前衛的な先進的な響きを与えて、ソウルフルで前衛的な、なんとも不思議な雰囲気を宿したノリノリ・ジャズを演出している。
収録曲は2曲。「Ooh Baby」と「Philly Dog」。どちらも、こってこてでノリノリのソウル・ジャズの洪水である。「Ooh Baby」は、ミディアム・テンポでややロック寄りな演奏。シャーロックのブルージーなギターとヴィトウスの延々とファンクなパターンが、ソウルフルな雰囲気を増幅する。マーカスのテナーの過激。主役のマンのフルートも過激。
「Philly Dog」はテンポが上がる。マンのフルートは、よりアグレッシブになる。この曲でのエアーズは実にグルービー。シャーロックのギターが激しい。フリーキーでアブストラクトで最後はノイジー。この曲でのこのギターは、ジャズ者初心者の方々には重荷だっろう。それほどに激しくフリーキー。
フリー・ジャズとソウル・ジャズが渾然一体となって、不思議なグルービーが蔓延する『Live At The Whisky A Go Go』。ソウル・ジャズとは言え、このライブ盤の内容はとっても「ハード」。ジャズ者にとっては意外と聴き応え満点のライブ盤である。
しかし、このライブ盤でのビトウスは凄い。2曲に渡って、延々とファンク・ビートを弾き出す。しかし、何故、ビトウスがソウル・ジャズのバンドに存在していたのか、未だに謎である。
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