最近のトラックバック

« 「私小説ポップス」に思わず唸る | トップページ | ホーズとヘイデン一期一会の邂逅 »

2014年10月12日 (日曜日)

「OLIVE」と対のアルバムです。

昨日、我がバーチャル音楽喫茶『松和』で、秋たけなわの季節に流れる季節限定の「耳休みアルバム」として、松任谷由実の『OLIVE』について語った。この『OLIVE』の内容は「私小説ポップス」。

それまでのJポップの歌詞の世界は、あの人を好きになった、あの人に振られたとか、惚れた腫れた失恋した、の話がほとんど。それもあまり現実感の無い「惚れた腫れた」の、直接的、主観的な話がほとんど。

しかし、このユーミンの『OLIVE』は、それまでのJポップの歌詞の世界とは一線を画した。アルバムに詰まっている歌の世界は、実に「リアル」で「客観的」。それまでのJポップの歌詞の世界の真逆で、この歌詞の世界には「唸りに唸った」。

実はこの『OLIVE』と対になる「私小説ポップス」のアルバムがもう一枚ある。そのアルバムとは、松任谷由実『悲しいほどお天気』(写真左)。『OLIVE』は1979年7月20日のリリース。そして、この『悲しいほどお天気』は1979年12月1日のリリース。前作『OLIVE』のリリースから5ヶ月の、驚異的なハイペースなリリース。

この頃のユーミンは創造力が最高潮だったらしく、約半年間隔でのハイペースなアルバム・リリース。恐らく、次から次への歌詞が曲が浮かんできて、しかもそれぞれの曲が水準以上の出来だったのだろう。1978年3月リリースの『紅雀』から1983年12月リリースの『VOYAGE』まで、約半年間隔のアルバム・リリースになるが、確かに収録された曲は「捨て曲無し」である。

さて、『OLIVE』と対になる「私小説ポップス」のアルバムの『悲しいほどお天気』は、『OLIVE』の歌詞の世界、音世界を引き継いで、「リアル」で「客観的」な、私小説風の歌詞の世界が全編に渡って繰り広げられている。アルバムのサブタイトルも「The Gallery in My Heart」。明らかに「私小説ポップス」である。
 

Yuming_kanashii_hodo_otenki

 
冒頭の「ジャコビニ彗星の日」は、1972年10月のジャコビニ流星群をテーマにした作品。天文ファンとして、個人的にも懐かしいテーマだ。当時、僕は中学2年生。流星群をテーマにした曲なので、タイトルはちょっとおかしい。しかし、歌詞に書かれている内容はほぼ正しい。確かにシベリアまで見に行って空振りを食らった観測隊もあった。私的なエピソードも織り交ぜて、実にリアルな内容である。

4曲目の名曲「DESTINY」は、ありそうでなさそうで、やっぱり現実にありそうな男女の世界を表現していて実に秀逸。ここまで極端では無いにしろ、ふられた方って、運気が下がっている分、こういう間の悪さって、あるよな。僕にも経験がある。そういう意味で、この「DESTINY」の歌詞はリアル。人気曲である分、恐らく、他の皆さんもこういう経験があるんだろうな。

6曲目のタイトル曲「悲しいほどお天気」も私小説的な歌詞の内容に思わず唸る。玉川上水沿いの道が舞台となって、ユーミンの美大時代の思い出が展開される。この曲は全くもって「私小説」風で「客観的」。目の前にその風景が浮かぶようだ。写実主義のような曲。

そして、僕はこの曲が一番好きで、実はユーミンの曲の中でも一番好きな曲なのだが、その曲とは、3曲目の「緑の町に舞い降りて」。サブタイトルが「Ode of Morioka」。サブタイトルの通り、ユーミンが盛岡での小旅行の印象を綴った曲で、アレンジから歌詞から曲から、何から何まで素晴らしい名曲。特にイントロの松任谷正隆のピアノのフレーズが痺れるほど好きである。この曲も「リアル」で「客観的」。歌われる情景がリアルに浮かぶ。

この『悲しいほどお天気』は、『OLIVE』と対になる「私小説ポップス」のアルバムとして、『OLIVE』を聴いた後、必ずといって良い程、ターンテーブルに載るアルバムでした。今でも、『OLIVE』を聴いたら『悲しいほどお天気』、『悲しいほどお天気』を聴いたら『OLIVE』を聴く、といった、全く対になって、CDプレーヤーのトレイに載る「私小説ポップスなアルバム」です。

 
 

震災から3年7ヶ月。決して忘れない。まだ3年7ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 「私小説ポップス」に思わず唸る | トップページ | ホーズとヘイデン一期一会の邂逅 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/57655831

この記事へのトラックバック一覧です: 「OLIVE」と対のアルバムです。:

« 「私小説ポップス」に思わず唸る | トップページ | ホーズとヘイデン一期一会の邂逅 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ