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2014年9月 6日 (土曜日)

僕は「ベンチのシルバー」と呼ぶ

アート・ブレイキー(Art Blakey)と共に「The Jazz Messengers」を立ち上げたホレス・シルバー(Horace Silver)。立ち上げ当時のネーミングは「Horace Silver And The Jazz Messengers」。シルバーがリーダーだった。

その後、宗教上の理由とかで、ブレイキーと袂を分かつことになる。ブレイキーに「The Jazz Messengers」の名前のみを譲り、他のメンバーはシルバーに付いた。その後、ブレイキーについては低迷状態が続く。逆に、シルバーはハードバップ初期の代表的名盤の一枚をリリースし、順風満帆な音楽活動を展開する。

そのハードバップ初期の代表的名盤の一枚が、Horace Silver『6 Pieces of Silver』(写真左)。ブルーノート1539番。コートに身を固めたシルバーがベンチに座り新聞を読む写真も格好良いジャケットが印象的。僕は勝手に「ベンチのシルバー」と呼ぶ。

1956年11月の録音。ちなみに主要なパーソネルは、Horace Silver (p), Donald Byrd (tp), Hank Mobley (ts), Doug Watkins (b), Louis Hayes (ds)。「Horace Silver And The Jazz Messengers」から、ドラムのアート・ブレイキーを抜いて、ルイ・ヘイズに代えただけの布陣。

しかし、このルイ・ヘイズへのドラマー交代で、グループのサウンドはガラッと変わっている。野太いタイトなダグ・ワトキンスのベースと合わせたリズム&ビートは、カッチリとまとまったシャープな印象。シルバーのピアノには、こんな輪郭のクッキリとした、タイトでシャープなリズム&ビートが良い。
 

6_pieces_of_silver

 
このアルバムでは、ラストの「For Heaven's Sake」以外、収録7曲中6曲をシルバーが手がけている。それでもってタイトルが『6 Pieces of Silver』。1曲目の「Cool Eyes」からハードバップな展開が印象的。それぞれがしっかりとソロを取り、そのソロもイマージネーション溢れるアドリブ・フレーズ満載。そして、曲の旋律から滲み出るシルバーのファンクネス。

2曲目の「Shirl」が、この新生ホレス・シルバー・クインテットを象徴する演奏。ホレス・シルヴァーのピアノから始まるバラード曲で、ドラムのルイス・ヘイズと歩調を合わせるようにシルバーのピアノに追従し、ダグ・ワトキンスのベースが演奏の底を締める。ホーンセクションは参加しないピアノ・トリオ作品で、この表現が新しく、このクインテットの特徴的な音でもある。

5曲目の「Senor Blues(セニョール・ブルース)」は名曲。ホレス・シルバーの音の個性がギッシリ詰まっている。ダンディズム溢れるペットとテナーの響き。底に流れる小粋なファンクネス。演奏全体のトーンは「アーバンなクール」。都会の夜のクールでアダルトな音の味わい。印象的なテーマの旋律。ハードバップ初期のヒット曲である。

ジャズとして、ハードバップとして、アーティスティックにまとめ上げられた良盤。さすがはブルーノート、さすがはアルフレッド・ライオン。ややもすれば猥雑となりがちな「ファンキーなハードバップ」を、しっかりとしたリハーサルとシルバーのペンの力で、ハードバップ初期の代表的名盤の一枚に仕立て上げられた。その手腕に脱帽である。

 
 

震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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