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2014年9月26日 (金曜日)

「他流試合」の方が伸びやかに

早逝の天才トランペッターのクリフォード・ブラウン(愛称ブラウニー)。どうも、彼の場合、自分がリーダーのグループでの演奏より、一期一会のジャム・セッション風の「他流試合」の方が、のびのび、自由にトランペットを鳴らせる様だ。

ここに、ブラウニーがパシフィック・ジャズに残した傑作がある。そのアルバムとは、Clifford Brown featuring Zoot Sims『Jazz Immortal』(写真左)。パシフィック・ジャズと言えば、1950年代の米国西海岸ジャズの代表的レーベル。このアルバムは、ブラウニーが東海岸へ行く前のロサンゼルス滞在中に、米国西海岸ジャズを代表するミュージシャンと共演した記録。

1954年7月の録音になる。ちなみにパーソネルは、 Clifford Brown (tp), Stu Williamson (v-tb), Zoot Sims (ts), Bob Gordon (bs), Russ Freeman (p), Joe Mondragon (b), Shelly Manne (ds), Carson Smith (b)。ブラウニー以外、全員が米国西海岸ジャズの強者ばかり。

いや〜、このアルバムでのブラウニーは実にのびのびしている。冒頭の「Daahoud」のトラペットの音を、輝きを、溌剌さを聴けば、それが良く判る。このアルバムでのブラウニーのトランペットは聴きものです。「流麗」とは、このブラウニーのトランペットのフレーズのことを指す。キラキラとブラスが輝く、流麗なトランペット。これぞ、ブラウニーのトラペット。ブラウニーにしか出せない音色、出せないフレーズ。
 

Clifford_jazz_immortal

 
バックもしっかり健闘している。まず、ドラムのシェリー・マンが良い。本能のままに叩きまくるドラマーより、理知的でアレンジに乗った味のあるリズム&ビートを叩き出すドラマーの方が、ブラウニーには合っていると思います。フロントを邪魔しない理知的でクールなドラム。そういう意味で、このシェリー・マンの存在は大きいですね。

ラス・フリーマンのピアノも良い。米国西海岸にいて、そのピアノの流儀は「ビ・バップ」。黒く無い、シンプルで爽快なフリーマンのピアノ・フレーズが、ブラウニーのトランペットを惹き立てます。粘らないファンクネス希薄なあっさりとしたジャズ・ピアノ。不思議とブラウニーのトランペットとの相性は抜群です。

この米国西海岸ジャズとの「他流試合」は大成功。ブラウニーがこれだけのびのびと、好きなだけ吹きまくるアルバムには、なかなか出会えない。並外れてテクニックに優れたブラウニーのペットを、米国西海岸ジャズの強者達は、がっちりと受け止める。懐深い米国西海岸ジャズ。

米国西海岸ジャズだけにアレンジも優秀。優秀なアレンジに乗って、ブラウニーは伸びやかにペットを吹き上げて行く。テクニックがあるからこそできる、程良くアレンジされたジャズへの短時間での対応。ブラウニーのペットの懐の深さと応用力の強さを十分に感じることが出来る佳作です。

 
 

震災から3年6ヶ月。決して忘れない。まだ3年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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