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2014年9月27日 (土曜日)

ブルーベック4のライブ演奏です

1950年代から1960年代、米国のジャズ・シーンでは、このバンドは大人気だったようだ。そのバンドとは、デイブ・ブルーベック・カルテット。時期によって、パーソネルは異なるが、リーダーでピアノとデイブ・ブルーベックとアルトのポール・デスモンドは不動のメンバー。

このブルーペックのピアノとデスモンドのアルトが、米国での人気の秘密なんだが、日本ではスイングしないジャズ・ピアノとして、デイブ・ブルーベックは敬遠され、このデイブ・ブルーベック・カルテットにしたって、柔らかでスイングするアルトのポール・デスモンドのみがクローズアップされ、ブルーベックはほとんど無視、という感じだった。

ブルーベックのピアノはスイングしないというより、間を活かしたスクエアなノリが特徴で、横揺れ4ビートのスイング感とは全く無縁。しかし、確かにスクエアのノリは顕著で、スイングしないのはスイングしないんだが、ジャズ特有の「ノリ」については、独特の個性があって、一旦気に入ってしまえば、どんどん癖になる。

デスモンドのアルトは、その音は暖かで柔らか、ほんわりホノボノとする音色で、ビ・バップやハードバップでの切れ味鋭い吹きまくりアルトとは一線を画すもの。口の悪いジャズ者の方々からは「軟弱アルト」なんて呼ばれたりする。でも、よく聴くと、暖かで柔らか、ほんわりホノボノとする音色は、しっかりと「芯」の入ったブロウで、テクニックも高いレベル。芯の部分は意外と硬派なアルトである。

そんなブルーベックのピアノとデスモンドのアルトをライブ音源で楽しめるアルバムがある。Dave Brubeck And Jay & Kai『At Newport』(写真左)である。1956年7月6日、かの有名な、米国はロードアイランド州のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ音源である。
 

Dave_brubeck_jay_kai

 
ちなみにパーソネルは、Dave Brubeck,  Dick Katz (p), Paul Desmond (as), J.J. Johnson, Kai Winding (tb), Bill Crow, Norman Bates (b), Joe Dodge, Rudy Collins (ds)。Dave Brubeck Quartet, The Featuring Paul Desmondとして4曲、Jay And Kai Quintetとして3曲、当時の人気カルテットのライブ演奏のカップリング盤である。

カップリング盤ではあるが、ブルーベック・カルテットのこのニューポート・ジャズ・フェスティバルのライブ演奏はなかなかに味がある。純粋に、素のままのブルーベックのピアノとデスモンドのアルトが楽しめる。

ライブ演奏だけあって、その演奏はストレートなもの。現代音楽風に、とか対位法を取り入れるとか、スタジオ録音の場合は、チャレンジや実験が入るブルーベックではあるが、このライブ演奏ではストレートに、モダンなジャズ・ピアノとして演奏している。洒落たクールなバップ・ピアノという風情で、このブルーベックのピアノは単純に楽しめる。

デスモンドのアルトもそうだ。確かに暖かで柔らか、ほんわりホノボノとする音色なんだが、ライブ演奏では、バッチリと音に「芯」が入っている。意外とハードなデスモンドのアルト。疾走感も適度にあり、このデスモンドのアルトも単純に楽しめます。

やっぱり、ジャズはライブやな〜、という思いを改めて想起させてくれる、なかなかに素敵なライブ盤です。カップリングされている、後半のJay And Kai Quintetの演奏も楽しくて、手っ取り早く、米国はロードアイランド州のニューポート・ジャズ・フェスティバルの雰囲気を味わえる「お徳用盤」です。

 
 

震災から3年6ヶ月。決して忘れない。まだ3年6ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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