米国南部のディブ・ブルーベック
ディブ・ブルーベック・カルテットは、様々な企画モノのアルバムを多く出しているのだが、米国南部のルーツ・ミュージックを素材にしたアルバムを2枚出している。この2枚のアルバムは、米国南部のトラディショナルを中心に構成されており、米国南部好きには堪えられない内容になっている。
一枚は、8月4日のブログ(左をクリック)でご紹介した、1959年4月録音のDave Brubeck『Gone With The Wind』。もう一枚がこれ。Dave Brubeck『Southern Scene』(写真左)。1959年9月の録音。ちなみにパーソネルは、鉄壁の4人。Eugene Wright (b), Joe Morello (ds), Dave Brubeck (p), Paul Desmond (as)。
1959年と言えば、あの変則拍子の名盤『Time Out』が1959年6月の録音だから、ディブ・ブルーベック・カルテットというのは、1つの音世界に拘っていないのが判る。
ただ、この米国南部のルーツ・ミュージックを素材にした演奏は、なかなか楽しかったのだろう。1959年4月に『Gone With The Wind』を録音して、半年も経たずにその続編『Southern Scene』を録音している。そう、確かに聴いていても楽しい。今までのどこかで聴いたことのある響きの米国ルーツ・ミュージックが採用されアレンジされている。
しかしながら、このディブ・ブルーベック・カルテットの米国南部のルーツ・ミュージックを素材にした企画盤2枚は、日本ではほとんど紹介されずに来た。もともとディブ・ブルーベックがジャズ・ピアニストとして、あまり日本では人気が無い(米国では大人気だったらしい)。よって、この米国南部のルーツ・ミュージックを素材にした企画盤2枚は単品で入手することも難しい。
今ではiTunes Store などのダウンロード・サイトで購入できるようになったし、他のアルバムもまとめて入手するのであれば『The Dave Brubeck Quartet: The Columbia Studio Albums Collection 1955-1966』(写真右)がある。19枚組だが価格は9000円弱と、一枚当たり470円程度と相当にリーズナブル。この時代のブルーベックは捨て盤無しなので、ブルーベックを極める向きにはお買い得でしょう。
閑話休題。この『Southern Scene』は、ブルーベック・ファン、いわゆる「ブルーベック者」の間では人気盤なんですよね。ブルーベックのアレンジの手腕を十分に楽しめる内容です。アルトのデスモンドも何時になくちょっと硬派に吹き回していますし、ライトのベースは意外とブンブンとタイトな低音を鳴り響かせていて魅力的。ドラムのモレロは叩きまくっています(笑)。
メインストリーム・ジャズなディブ・ブルーベック・カルテットの演奏が聴ける『Southern Scene』。米国南部のルーツ・ミュージックを素材にしているだけに、それぞれの演奏の中に米国南部の雰囲気が満載で、聴いていてとても楽しいですね。米国南部好きには、これまた堪えられない内容になっています。良いアルバムです。
震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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