秋の季節にフェンダー・ローズ
本当に涼しくなった。もはや秋である。昼は残暑、朝夕は涼しさ忍び寄る「晩夏」の季節については、今年は省略。涼しいがどこか物寂しい秋の気候には、フェンダー・ローズの響きが良く似合う。情緒的で揺らぎのある印象的な音が特徴のフェンダー・ローズ。
このフェンダー・ローズの音の個性は、最終的には実際に聴いて頂くしかないのだが、このフェンダー・ローズの音を心ゆくまで実感出来るアルバムがある。Rob Franken『I'M GONNA LOVE YOU』(写真左)。
ロブ・フランケンはオランダのジャズ・ピアニスト。1941年8月生まれ、1983年12月没。まだまだ先のある42歳で逝去している。しかし、彼の残したリーダー・アルバムの中で、とりわけ、フェンダー・ローズの音色が実に素晴らしい。人は彼のことを「フェンダー・ローズに愛された男」と呼ぶ。
このアルバムは、そんなロブ・フランケンの数少ないリーダー作品の中でも、フェンダー・ローズの音色が美しい、ソフト&メロウなジャズ盤です。しかも加えて、シンセサイザーの使い方と音色、そして、アコースティック・ピアノの織り交ぜ方が秀逸で、マルチ・キーボードの秀作として十分に楽しめます。
このアルバムは、ポップな選曲も魅力で、ロック&ソウル畑からの、スティーヴィー・ワンダーの「All In Love Is Affair(恋)」や0ccの「I'm Not in Love」、ジャズ・スタンダードの「What a difference a day made(縁は異なもの)」や「Lush Life」など、ソフト&メロウなアレンジを施すことで、フェンダー・ローズの個性的な響きを最大限に引き出しています。
確かに、ジャズの世界の中で、フェンダー・ローズをメインに弾くキーボード奏者は他にはいません。あくまで、メインはアコースティック・ピアノなんですよね。
メインでは無いにしろ、サブとしてのフェンダー・ローズの使い手としては、ジャズ界においては、チック・コリア、ハービー・ハンコック、リチャード・ティーなど、エレクトリック・キーボードの使い手中心にかなりの人数がいます。逆にロック畑には、フェンダー・ローズの使い手って、殆ど見当たらないんですよね。ソフト&メロウな音色がロックには合わないのでしょうか。
涼しいがどこか物寂しい秋の気候には、フェンダー・ローズの響きが良く似合う。開け放った窓から吹き込む、秋を十分に感じさせる涼しい風に吹かれながらのフェンダー・ローズの響きに、心が思わずリラックスします。
震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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