最近のトラックバック

« 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです | トップページ | なんだか一貫性の無いアルバム »

2014年8月21日 (木曜日)

超然と悠然と心の趣くままに

1967年7月17日、ジョン・コルトレーンが逝去。1969年秋、ソニー・ロリンズは3度目の活動停止。それから、1972年、マイルストーン・レコードに移籍し、『ネクスト・アルバム』で復活するまで、3年間の雲隠れである。

しかし、4度目の復活から、ソニー・ロリンズは、ジャズ界の他のサックス奏者の存在など意に介すこと無く、超然と悠然と、心の趣くままにテナーを吹くようになった。そして、変に拘ること無く、良いと思えば、電気楽器などを積極的にバンドに導入した。

この変わり様は何なんだったんだろう。1960年代は、常にジョン・コルトレーンを意識し、ジョン・コルトレーンを見ながらサックスを吹いていたロリンズが、以前から、ジョン・コルトレーンなどいなかったかのように、フリー・ジャズなどなかったかのように、超然と悠然と、心の趣くままに、テナーを吹くようになった。

そんなロリンズを強く感じられるアルバムが、Sonny Rollins『Cutting Edge』(写真左)。1974年7月、Montreux Jazz Festivalで録音されたライブ盤で、ちなみにパーソネルは、Sonny Rollins (ts), Stanley Cowell (p), Yoshiaki Masuo (g), Bob Cranshaw (el-b), David Lee (ds), Mtume (cong), Rufus Harley (bagpipes・track 5)。

アルバム・タイトルの「The Cutting Edge」とは和訳すると「最前線・先頭」。確かにこのアルバムのロリンズのブロウは、当時、ジャズ界最先端のブロウである。泰然自若なテナーとはこのこと。もはや、ロリンズはトレンドや流行に左右されない。

冒頭のタイトル曲「The Cutting Edge」から、ロリンズは超然と悠然と心の趣くままにテナーを吹き上げていく。ギターは若かりし頃の増尾好秋。これがトレンディーなエレギを聴かせて効果抜群。ボブ・クランショウのエレベがこれまたトレンディーな響きで良い。
 

The_cutting_edge

 
時は1974年。ジャズ界は「クロスオーバー・ジャズ」の全盛期。ジャズとロックの融合とか、ジャズとクラシックの融合とかが、もてはやされた時代である。増尾好秋のエレギ、ボブ・クランショウのエレベの採用は、一見すると時流に乗ったもの。

ロリンズも抜け目ないなあ、と思いながら聴くと、このエレギとエレベは決してクロスオーバー・ジャズではない。あくまでも、メインストリーム・ジャズのエレギとエレベ。さすがロリンズ。時代に迎合していない。メインストリーム・ジャズというか、ロリンズ・ジャズである。メインストリームなロリンズ・ジャズである。

2曲目の「To A Wild Rose(野ばらに寄せて)」のバラードプレイが素晴らしい。まったくロリンズらしいテナーのブロウに思わず惚れ惚れして、思わず聴き入ってしまう。バラードと言えば、4曲目のバカラックの「A House Is Not A Home」も美しいバラード・プレイだ。ロリンズが超然と悠然と心の趣くままに吹くバラードは絶品。この2曲のバラード・プレイを聴くだけでも、このアルバムを手にする価値がある。

そして、度肝を抜かれるのがラストの5曲目の「Swing Low, Sweet Chariot」。冒頭になんだかへんてこりんな、うねるような音が出てくる。ありゃりゃりゃ、これってバグパイプでは無いのか。はい、これはバグパイプです。ジャズにバグパイプってなあ。

違和感抜群の演奏です。そんな違和感抜群の中、ロリンズは超然と悠然とノリノリのテナーを聴かせてくれる(写真右)。う〜ん、ロリンズって凄い。このバグパイプとユニゾン&ハーモニーを奏でることが出来るなんて、なんて懐の深いテナー奏者であることか(笑)。

ラストのバグパイプとのコラボがちょっと「残念」な感じですが、それ以外の4曲だけでも、このアルバムは、ロリンズの超然と悠然と心の趣くままに吹き上げるテナーを感じることが出来る、僕にとっては「買い」のアルバムです。

 
 

震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです | トップページ | なんだか一貫性の無いアルバム »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/57148122

この記事へのトラックバック一覧です: 超然と悠然と心の趣くままに:

« 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです | トップページ | なんだか一貫性の無いアルバム »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ