Interstellar Space = 星間空間
ジョン・コルトレーンの聴き直しシリーズもいよいよ終盤。1966年から1967年の作品を聴き直す。コルトレーンが逝去したのは、1967年7月17日。約1年半の期間のリーダー作を集中して聴くことになる。
逝去した1967年7月から遡って聴き直すことを選択。まずは、John Coltrane & Rashied Ali『Interstellar Space』(写真左)を聴く。1967年2月22日の録音。逝去前、5ヶ月前の録音になる。しかも、パーソネルは、John Coltrane (ts), Rashied Ali (ds) の「異色のデュオ編成」。
デュオという異色の編成がウケないのか、このアルバムは、コルトレーンのアルバムの中でも地味な存在。しかし、その内容はなかなかのもので、僕はこのデュオ盤を良く聴く。
まず、デュオ編成ということで、コルトレーンのテナーに集中して聴ける。ベースとピアノが無い分、演奏全体の厚みは減じられるが、なんせシーツ・オブ・サウンドでフリーキーに吹きまくるコルトレーンである。演奏全体の厚みは、このデュオ編成がちょうど良いと感じられる。
ラシッド・アリのドラミングも実に良い。コルトレーンのシーツ・オブ・サウンドでフリーキーな吹きまくりにピッタリとフィットして、コルトレーンの前に絶対に出ること無く、フリーキーにアブストラクトに吹きまくるコルトレーンのリズム&ビートをしっかりと支えていて立派だ。
冒頭の鈴の音にはちょっとドキドキする。あ〜あ、スピリチュアルなノイジーでフリーキーなブロウを延々聴かされるのか、とちょっとウンザリするのだが、続く「Mars」のフリーキーな展開は意外と聴き易い。
確かにフリーキーなブロウを聴き慣れていないと、聴き続けるのにはちょっと辛いだろうが(ジャズ者初心者の方々にはかなり辛いかと思います)、耳に障るノイジーなブロウが無い分、このアルバムでのコルトレーンのブロウは聴き易い。
ここでのコルトレーンのブロウは、本能の趣くままに吹きまくる無手勝流のブロウでは無く、かなり考えられたフレーズを積み重ねていて、ただ、そのフレーズがシーツ・オブ・サウンドでバラバラに分解されて、フリーキーに吹きまくられているだけ。意外と構築美を感じられるこの盤のコルトレーン・サウンドに、ちょっと良い意味で戸惑ったりする(笑)。
意外とこのアルバムのコルトレーンのブロウが、コルトレーンの追求してきた「シーツ・オブ・サウンドでアブストラクトに吹きまくるフリー・ジャズ」の最終到達点だったのかも知れない。それほど、このアルバムでのコルトレーンのシーツ・オブ・サウンドでフリーキーに吹きまくるブロウは、独特の構築美に溢れていて素晴らしい。
この何の捻りも無い夕日のジャケットがマイナスポイントなのかなあ(意外と僕は好きなんですが)。コルトレーンのアルバムの中でもあまり人気が無いのが不思議です。僕は、コルトレーンの晩年のブロウを体感出来る佳作として、この盤は一番のお勧めです。
震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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