最近のトラックバック

« ジャズ・ボーカル盤に大切なこと | トップページ | 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです »

2014年8月19日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・56

やはり、ジャズ・ピアニストは個性が欲しい。演奏を聴いていて、最低1曲聴けば「これは誰」と判るくらいの個性が欲しい。
 
クラシックとは違って、即興演奏を旨とするジャズである。そのクラシックの様に、奏法の枠に囚われない、自由度の高い弾き回しが出来るジャズである。やっぱり「これ」という個性が欲しい。

ここに最低1分ほど聴けば「これは誰」と判るアルバムがある。Mal Waldron『Black Glory』(写真左)。1971年6月29日、ドイツでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p), Jimmy Woode (b), Pierre Favre (ds)。ピアノ・トリオ編成の演奏である。

これがまあ、マル・ウォルドロンのピアノの個性満載のライブ盤なのだ。冒頭の「Seig Haile」のイントロ部のピアノの音を聴いただけで「はい、これはマル・ウォルドロンです」。マル・ウォルドロンのピアノを聴き親しんだ耳なら絶対に判る。

ガンゴンと硬質なタッチに、不協和音中心のおどろおどろしい旋律が前衛っぽく響く。硬質なテンション高い速弾きのフラグメンツ。突然響く、セロニアス・モンクを彷彿とさせる不協和音のブレイク。幾何学模様のような、スクエアに展開する硬派なアドリブ。
 

Mal_black_glory

 
現代音楽を想起させる、ちょっと取っ付き難い、硬い頑固なピアノだが、底に流れるブルージーな雰囲気が、明らかに「ジャズ」を感じさせてくれる。喩えれが、そう、欧州のセロニアス・モンク、クラシック寄り、現代音楽よりの端正なセロニアス・モンク。そんな雰囲気の中に、思いっきりマルの個性が詰まっている。

バックのリズム・セクションも健闘している。特に、ベースのジミー・ウッドが良い。思いっきり太くてブンブン響くベースが良い。ちょっとブヨンブヨンしているみたいだが、意外とタイトでメロディアス。良いベースです。ドラムのピエール・ファーヴルは、彼こそ「健闘」している。一生懸命叩いている。決して耳障りでは無い。

漆黒なブルージーな硬質タッチのマル・ウォルドロンのピアノは聴き応え満点。僕は最近までこのアルバムを知らなかったのですが、結構、マル・ウォルドロンのファンの中では人気盤なんですね。マル者の方々、さすがです。このライブ盤を聴けば、マル・ウォルドロンのピアノが、如何なる個性で成り立っているかが良く判る。

やはり、ジャズ・ピアニストは個性が欲しい。そういう意味では、マル・ウォルドロンは満点のピアニストだ。ジャケットもenjaレーベルらしい、シンプルだがなかなか格好良い。このライブ盤、バーチャル音楽喫茶『松和』で流してみたい。聴いたお客さんの反応を見ていたい。そんな気にさせる、個性満載な好ライブ盤である。

 
 

震災から3年5ヶ月。決して忘れない。まだ3年5ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ジャズ・ボーカル盤に大切なこと | トップページ | 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/57128438

この記事へのトラックバック一覧です: ジャズ喫茶で流したい・56:

« ジャズ・ボーカル盤に大切なこと | トップページ | 蒸し暑い夏に爽やかなアルトです »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ