最近のトラックバック

« 西海岸ロックの歌姫のデュエット集 | トップページ | 駄作無しの職人芸的フュージョン »

2014年7月27日 (日曜日)

思わずニヤリ『Somethin' Blue』

山中千尋の最新スタジオ録音アルバム『Somethin' Blue』(写真・左は初回限定盤・右は通常盤)である。タイトルからイメージできる様に、このアルバムは、今年設立75周年を迎えた、ジャズの老舗レーベル・ブルーノートからのアルバム・リリースである。

アルバムのキャッチ・コピーが「ジャズの王道に立ち返り、75周年を迎えたジャズの最強レーベル〈Blue Note〉からチヒロ・ミュージックが再び花開く」だったので、これはブルーノート・レーベルからリリースされた名曲のカバー集かと思った。まあ、ブルーノートの名曲のカバーは、ジャズメンの定番的なアプローチなので、そうなんだ、とは思ったが、それでは面白くないだろう、とも思った。

で、この山中千尋の最新スタジオ録音アルバム『Somethin' Blue』の収録曲の詳細情報を入手して、なるほどなあ、と納得した。実に山中千尋らしいアプローチである。元々、山中は作曲・編曲・アレンジの才に長けるので、単純なブルーノートの名曲カバーは「らしくない」。

以下が収録曲の詳細情報であるが、カバー曲は2曲目の「I Have A Dream」と3曲目の「Un Poco Loco」のみ。traditionalとして「Funiculi Funicula」を選曲しているが、他の8曲は全て、山中の自作曲。安易にブルーノートの名曲カバー集に走らないところに、山中千尋の矜持を感じます。
 

  1. サムシン・ブルー (Somethin' Blue : Chihiro Yamanaka)
  2. オーリンズ(Orleans : Chihiro Yamanaka)
  3. アイ・ハヴ・ア・ドリーム(I Have A Dream : Herbie Hancock)
  4. ウン・ポコ・ローコ(Un Poco Loco : Bud Powell)
  5. フニクリ・フニクラ (Funiculi Funicula : traditional)
  6. ア・シークレット・コード (A Secret Code : Chihiro Yamanaka)
  7. ピンホール・カメラ (Pinhole Camera : Chihiro Yamanaka)
  8. フォー・リアル (For Real : Chihiro Yamanaka)
  9. オン・ザ・ショア (On The Shore : Chihiro Yamanaka)
10. ユーアー・ア・フール・アーント・ユー (You're A Fool, Aren't You : Chihiro Yamanaka)
11. ゴー・ゴー・ゴー (Go Go Go : Chihiro Yamanaka)
 
 

Somethin_blue

 
1曲目の山中の自作曲「Somethin' Blue」を聴いて、思わずニヤリ。曲想が明らかにブルーノートのハードバップ曲を踏襲しており、アレンジがこれまた「ブルーノート色」が濃厚。なんかどこかで聴いたことのあるユニゾン&ハーモニーなんだが、これは山中のオリジナルなのだ。う〜ん、上手いことやるなあ。実に山中らしいアプローチである。 

他の山中の自作曲についても、全てこのパターンである。なんかどこかで聴いたことのあるユニゾン&ハーモニー、そしてアレンジなんだが、これが皆、山中のオリジナル。ブルーノート・レーベルのアルバムを多く聴き込んでいればいるほど、この「なんかどこかで聴いたことのある」に行き当たる。これが、聴いていてとても楽しい。

それでは、いずれも、ブルーノートの名曲のユニゾン&ハーモニー、そしてアレンジのパターンを忠実に踏襲しているのか、と言えば、これまた否で、一聴した時はブルーノートやなあ、と思うんだが、聴き進めて行くと、そこかしこに、山中のオリジナルなユニゾン&ハーモニー、アレンジを織り込んでいる。

演奏のパターンも、こってこてのハードバップから、ブルーノートの十八番であった新主流派のモーダルな演奏、そして、サイドワインダーなジャズロックまで、幅広く対応しているところも憎い。いやいや、山中自身が、かなりブルーノート・レーベルのアルバムを多く聴き込んでいるなあ、と感心する。

山中の作曲・編曲・アレンジについてばかり語っているが、演奏自体も全くもって素晴らしいもの。今までは、ピアノ・トリオ演奏中心にやってきたが、ここにきて、セクステット編成での演奏で攻めてきている。これも、ブルーノートの音世界に合わせる為の「技」のひとつ。確かに、ブルーノートには、ピアノ・トリオ盤がかなり少ない。

ブルーノートの名曲カバーに、Herbie Hancockの「I Have A Dream」と、Bud Powellの「Un Poco Loco」の2曲のみを選曲したところにも、山中千尋のセンスを感じる。そして「Funiculi Funicula」のお茶目なアレンジとプログレッシブなキーボードの使い方を聴いて、これまた「なかなかやるな〜」と口元が緩む。

今回のアルバムも、山中の作曲・編曲・アレンジの才に感心することしきりです。加えて演奏も素晴らしい。「山中、ジャズやってるな〜」って感じが良いです。ちなみに最後にパーソネルを記しておきます。山中千尋 (p), ベニー・ベナック三世 (tp), 中村 泰士 (b), ケンドリック・スコット(ds), ラゲ・ルンド (g), ジェリール・ショー (sax)。良いアルバムです。

 
 

震災から3年4ヶ月。決して忘れない。まだ3年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。 
 

« 西海岸ロックの歌姫のデュエット集 | トップページ | 駄作無しの職人芸的フュージョン »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/56913658

この記事へのトラックバック一覧です: 思わずニヤリ『Somethin' Blue』:

« 西海岸ロックの歌姫のデュエット集 | トップページ | 駄作無しの職人芸的フュージョン »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ