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2014年7月11日 (金曜日)

日本女性ジャズ・ボーカルの有望盤

我が国のジャズ界では、この5年位、女性ボーカリストのブームである。雨後の竹の子の様に、毎月毎月、女性ボーカリストのデビュー盤がリリースされる。いわゆる「メジャー・デビュー」である。よくまあ、これだけの数の女性ボーカリストがいるもんだ、と感心する位である。

しかし、殆どが2枚目のリーダー作をリリースしないままに忘れ去られていく。デビュー盤がウケないのは、そのプロデュースに問題があることが殆どなんだが、実に勿体ないことである。最近はさすがに女性ボーカリストのデビュー盤のリリースの数も少なくなってきた。そろそろボーカリストの数に限界がきているのかも知れない。
 
そんな憂うべき我が国の女性ボーカル・シーンに、今年の5月、久し振りの有望盤が現れた。Mizuho『Romantic Gershwin』(写真左)である。女性ボーカリストは、北海道を中心に活動するヴォーカリストMizuhoこと箭原みずほ。以前、2008年、2010年、2012年と、3度に渡り世界的トランぺッター、タイガー大越をプロデューサーに迎え、ボストンでアルバムを制作、音楽専門紙で絶賛されている。

今回も、タイガー大越をプロデューサーに迎え、ゲストにヴァイブのゲイリー・バートン。バークリー音大あげての応援である。録音地もボストン。確かに、バックの演奏の響きは米国東海岸独特のもの。ちなみにパーソネルをまとめておくと、Mizuho (vo), Tiger Ohkoshi (tp), Tim Ray (p), Alain Caron (b), Mark Walker (ds)。  

タイトル通り、アメリカ・ポピュラー音楽の父、ジョージ・ガーシュインの代表曲を唄いまくる優秀盤である。収録曲は以下の通り。僕は、中学生の頃からガーシュインが大好きなのだが、いやいや、ガーシュインの「美味しいところ」がズラリと並んでいて、壮観である。ガーシュイン好きの僕としては、この収録曲の一覧を見るだけで、このアルバムは「買い」である。  
  

Mizuho_romantic_gershwin

 
1. Someone To Watch Over Me
2. ‘Swonderful
3. Rhapsody In Blue
4. I Got Rhythm
5. Summertime
6. Embraceable You
7. The Man I Love
8. But Not For Me
9. I Love You Porgy  
 
特に目を惹くのは、3曲目の「Rhapsody In Blue」と4曲目の「I Got Rhythm」。ボーカル盤としては、この2曲の選曲は異色。どうやって歌詞をつけて唄うんやろか、と思って興味津々、聴いてみて感心。スキャットを駆使して、歌詞も織り交ぜ、緩急をつけ、ダイナミックかつ繊細に唄い上げていく。この2曲の歌唱を聴くだけで、Mizuhoの歌唱の力量を推して知ることが出来る。  

タイガー大越のトランペット、ゲイリー・バートンのヴァイブも効果的、やはり、ボーカル盤は、プロデュースとアレンジが全てである。プロデュースとアレンジ次第で、ボーカリストが活きもするし死にもする。このアルバムについては、プロデュースとアレンジは大成功である。  

久々に実力派女性ボーカリストの優秀盤に出会えた気がする。ケイコ・リーの快進撃が一息ついている今、次世代の実力派女性ジャズ・ボーカリストの登場が待たれていた訳だが、やっとその有力候補が出てきた、そんな感じがする。とにかく、なかなかに内容のある本格派ボーカル盤である。  

特に「Rhapsody In Blue」が良い。この曲をボーカルでアレンジするなんて、今回初めて聴いた。目から鱗、耳から鱗である。やはり、ジャズ・ボーカルには、プロデュース&アレンジが大切なのを再認識した。改めて、昔ながらの大スタンダード曲を唄うことだけがジャズ・ボーカルでは無い、と思った。特に女性ジャズ・ボーカルについてはその意を強くした。  

 
 

震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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