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2014年7月23日 (水曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・31

チャーリー・パーカー(Charlie Parker)は、ビ・バップの祖の一人。ビ・バップは、1940年代初期に成立したとされる、ジャズの主要な演奏スタイルの一つ。コード進行に沿って、フロント楽器がアドリブを順番に行う形式。このアドリブが命で、コードに沿いながら高テクニックで吹きまくる、この「芸」を競うのが「ビ・バップ」である。

チャーリー・パーカーのアルトのブロウは、どれを取っても「ビ・バップ」そのものなんだが、ジャズ者初心者でも取っ付き易い、聴き易いアルバムがなかなか無い。ジャズ本では『On Dial』(ダイヤル・セッション)や『On Savoy』(サボイ・セッション)を聴け、というのだが、同じテーマ曲のテイクが幾つも続いたり、失敗テイクも入っていたりで、ジャズ者初心者には何がなんだか判らない代物である。とにかく聴いていて楽しめない。

僕がそうだった。大学時代、奮発して『Charlie Parker on Savoy』を購入、じっくりと1週間、繰り返し聴いたのだが、やはり、同じテーマ曲のテイクが幾つも続いたり、失敗テイクも入っていたりで、何が凄いのか、さっぱり判らなかった。パーカーのアルトのテクニックが超人的であることだけは判った(笑)。

これでは、チャーリー・パーカーが浮かばれない(笑)。僕は、ジャズ者初心者向けのパーカー入門盤としては、パーカーの演奏活動の晩年、1940年代後半からのヴァーヴ・レーベル時代のリーダー作をお勧めする様にしている。

例えば、この『Charlie Parker Big Band』(写真左)がお勧めの一枚。バックにビッグバンド、ストリングス、コーラスがついたトラックがマスター・テイクで13曲。いずれも有名なスタンダード曲で、メインの旋律が美しいものばかり。当然、コード進行も魅力的で、このコード進行を借りたパーカーのアドリブは、どれもが「ビ・バップ」なスタイル。
  
Charlie_parker_bigband
  
1950年〜53年の間の録音を集めたものですが、パーカーの演奏活動の晩年の録音なので、パーカーのアルトにはバラツキがありません。どれもが、大きな音でハイテクニックでメロディアスに吹き進めている。とにかく、パーカーのアルトは「明朗」。しっかりと硬派なブロウが魅力である。

しかも、テクニックがずば抜けている。いとも簡単に吹いている様に聴こえるが、これが良く聴くと、結構複雑なことをやっているのだ。コード進行も結構複雑だし、アドリブ・ラインも結構複雑。テクニックが高いブロウなので、フレーズ自体が流麗で簡単に吹き流している様に聴こえるが、これがとんでもない。このアルバムでのパーカーのブロウは実に硬派である。

このアルバムでのパーカーは、バックが何であれどうであれ、硬派で流麗な、いつものパーカーと同じような、実に格好良いブロウをガンガンやってます。結構ハードなブロウなので、テーマやアドリブ・ラインがとても良く判って、聴いていて楽しいです。なるほど、これが「ビ・バップ」のブロウなのか、と感心します。

パーカーのアルトはアドリブ・ラインがクッキリと浮き出るようにハッキリ判るところが個性で、これって当時の音の悪いラジオなどでも、パーカーのアルトのアドリブ・ラインは聴きとれるのではないだろうか。コンサート・ホールだってそうだ。当時はまだPAなど全く無い環境。音が大きくハッキリしていて、テクニックがあることが演奏家として一番大切なことだった時代である。

良いアルバムです。複雑ながらもメロディアスなパーカーが格好良いです。ビ・バップの展開は、ちょっとクセがあって、このアルバムでのパーカーも現代のサックスのアドリブ・ラインとはちょっと違うのですが、これは慣れの問題で、聴き慣れてくるうちに気にならなくなります。まずは聴くべし。ジャズを極めていく中で、ビ・バップは避けては通れない。
 
 
 

震災から3年4ヶ月。決して忘れない。まだ3年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。 
 

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