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2014年7月の記事

2014年7月31日 (木曜日)

アモンズの渋い盤をもう一丁

7月22日のブログ(左をクリック)で、Gene Ammons(ジーン・アモンズ)の『Boss Tenor』をご紹介した。ただでさえ、マイナーな存在のジーン・アモンズが紹介される時に、なぜか必ずその名が挙がる佳作である。

ジーン・アモンズは、米国本国では「テナー・サクソフォン界のボス(The Boss)」とか「ジャグ(Jug)」の愛称で呼ばれるように、かなり人気のあったテナー・サキソフォン奏者であったようである。しかし、日本では「知る人ぞ知る」存在に留まっている。

アモンズは、ジャズの歴史の中で、ジャズの演奏スタイルの創始者でもなければ、フォロワーでも無い。ジャズ・ジャイアントと呼ばれる「ジャズ・レジェンド」な存在でも無い。特に日本ではその名は知る人ぞ知る存在で、ジャズの入門本やアルバム紹介本に名前が挙がることは殆ど無い。

しかし、そのテナーは、ジャズ者にとっては実に魅力的。レスター・ヤングなどのオールド・スタイルを踏襲した、太くミッドテンポなブロウと、ジョン・コルトレーンの様なストレートなブロウが共存し、ところどころ、フリーキーな展開を「チラ見」させるという、なんとも「ええとこ取り」なブロウは聴き応え十分。

そんなアモンズのテナーを心ゆくまで楽しめるアルバムがある。『Boss Tenor』よりもアモンズのテナーがフィーチャーされている、というか、アモンズのテナーしか聴こえない、アモンズのテナーを全面に押し出したアルバムである。そのアルバムとは『Jug』(写真左)。アモンズのニックネームをずばりタイトルにしたアルバムである。
 

Gene_ammons_jug

 
ちなみにパーソネルは、Gene Ammons (ts), Richard Wyands (p), Doug Watkins (b), Ray Barretto (conga), J.C. Heard (ds)。確かに、アモンズ以外、ベースのダグ・ワトキンス、コンガのレイ・バレットは玄人好みのリズム・セクション、その他は有名どころは見当たらない。それでも、リズム・セクションはしっかりとリズム&ビートをキープし、アモンズのテナーをしっかりと支える。

このアルバム、アモンズのテナーの録音レベルが他の楽器に比べて大きい。アモンズのテナーをメインに録音しているというか、アモンズのテナーだけを録音している感じの録音バランスなんだが、これがアモンズのテナーを目立たせ、アモンズのテナーの特徴を大いにアピールしている。

選曲も良い。「Ol' Man River」「Easy To Love」「Exactly Like You」「Tangerine」等々、ミディアムテンポの心地良いスイング系の魅力的な曲がずらり。そんなゆったりとしたミディアム・テンポな曲を朗々とアモンズのテナーが吹き上げていく。これがまあ、ええ雰囲気なんですわ。

アモンズのテナーは決して難しいものでは無い。逆にシンプルで素人にもとても判り易い。テクニック的にも難しいことはほとんどしていない。普通に、本当に普通に、テナーを魅力的に吹き上げていくだけ。テナーの音もそう。普通に吹いて、とてもテナーらしい音で、テナーの音が映えるゆったりとしたミディアム・テンポな曲を朗々と吹き上げていく。

良い雰囲気のアルバムです。高テクニックやキャッチャーなフレーズや難解なアドリブとは無縁な、普通なテナーのワン・ホーンアルバムですが、これが良い。アモンズのテナーを愛でるに相応しい、隠れた佳作です。ジャズ者中級者以上にお勧めです。

 
 

震災から3年4ヶ月。決して忘れない。まだ3年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2014年7月30日 (水曜日)

夏だ、高中だ、40周年盤だ

夏だ海だ高中だ。夏になると高中正義のアルバムを流すことが多くなる。夏真っ盛り、相当な蒸し暑さの中なので、高中のエレギ・インストを聴き込むのはちょっと辛い。昔ならカセット・テレコで、今なら、iPodに入れてちょっとしたスピーカーを繋いで、夏の日の木陰で、さりげなく「流す」のがちょうど良い。

高校時代、サディスティック・ミカ・バンドで高中正義のエレギと出会って以来、なんやかんや言いながら、夏から秋にかけてのシーズンには、高中正義のアルバムを流すことが多い。大学時代は『Jolly Live』と『T-WAVE』がヘビロテで、気分転換に『TAKANAKA』が登場。社会人の若かりし頃は『虹伝説』と『OCEAN BREEZE』がヘビロテ。そして、今では『SADISTIC TAKANAKA』と「これ」がお気に入り。

「これ」とは、高中正義のデビュー40周年盤の『40年目の虹』(写真左)。高中正義プロデビュー40周年の2011年にリリースされた、高中正義の集大成盤。昔からのヒット曲をアレンジをし直したり、メドレーにしたりで、しっかりと織り込んでいる。これが、我々、40年前からの往年の「高中者」からすると、聴いていてとても楽しい。

収録曲は以下のとおりなんだが、なかなかでしょ。8曲目の「BLUE LAGOON 'K'」、12曲目のメドレーなどは耳にするだけで、懐かしさがこみ上げてきて涙涙。でも、アレンジは最新のアレンジで、これがバッチリ決まっている。最新のアレンジで、心地良く気持ち良く、優しくアグレッシブに弾き進めていく。
 

40nenme_no_niji

 
1.『夏窓』
2.Nightmare
3.40年目の虹
4.Alone(GUITAR MAGAZINE FESTIVAL LIVE)
5.Walking Toward the Rainbow
6.Seasons
7.夏の日の恋
8.BLUE LAGOON 'K'
9.南方囃子
10.ミスター
11.Left Alone
12.YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE
  〜珊瑚礁の妖精 〜獅子座流星群
  〜黒船嘉永6年6月4日 (GUITAR MAGAZINE FESTIVAL LIVE)

 

この40周年盤での高中のエレギ、アコギの音がすっごく魅力的。むっちゃええ音しています。エレギ者にはたまらん音です。さすがは高中大先生です。高中独特のギター・インストの音世界。フュージョンでも無く、クロスオーバーでも無い。ロック・ビートに乗った高中独特のエレギ・インスト。

ジャズが専門の僕としては、11曲目の「Left Alone」は高中の新境地だと感じています。ジャズ・スタンダードの「Left Alone」。このスタンダード・バラードを朗々と粛々と弾き進めていく。その雰囲気が実にジャジー&ブルージー。こんな感じで、ジャズ・スタンダードをギター・インストした企画盤を出して欲しいなあ。

夏だ海だ高中だ。夏になると高中正義。今年、2014年は高中正義プロデビュー43周年になるのかあ。ずっと第一線で活躍している高中も凄いと思うが、43年間、飽きもせず高中を聴き続けている我々「高中者」もなかなか凄いなあ、と思う今日この頃である(笑)。

 
 

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2014年7月29日 (火曜日)

こんなアルバムあったんや・33

1960年代の終わり辺りから、クロスオーバー・ジャズというものがはやり出し、この頃は、ジャズとロック又はクラシックの融合がメイン。特にジャズとクラシックの融合(クロスオーバー)については、電気楽器を活かした優れた演奏能力とアレンジで様々な成果を挙げた。

しかし、そのもっと前、1960年代の前半から半ば、ジャズとクラシックとの融合については、幾つかのユニークなアルバムをリリースしている。その一つが、Swingle Singers with The Modern Jazz Qartet『Place Vendôme』(写真左)。1966年の録音になる。

Swingle Singers(ザ・スウィングル・シンガーズ・写真右)は、フランスで結成されたア・カペラ・ヴォーカル・グループ。グループの構成はソプラノ、アルト、テノール、バスがそれぞれ各2名の計8名。1962年から1973年にかけてフランスを拠点に、1973年から現在までイギリスを拠点に活動している。

このザ・スウィングル・シンガーズのジャズのスキャットの歌唱法を持ち込んだ、男女混声合唱のア・カペラが独特の個性。この男女混声合唱のア・カペラ8人集団と、モダン・ジャズ・カルテット(以下MJQと略す)と共演したアルバムである。

メイン・テーマは「バロック音楽」、素材は「バッハ」。MJQのリーダー、ピアニストのジョン・ルイスのバロック好き、バッハ好きは特に有名で、対位法などのクラシックの手法を駆使したバロック風の楽曲を多く作曲し、演奏もしている。例えば、MJQの大名盤『Django』の「The Queen's Fancy」などはその好例だ。

ということで、メイン・テーマは「バロック音楽」なんだが、この共演アルバムでは、安易にバッハの楽曲に走っていないところに、ジョン・ルイスの意地と矜持を感じる。以下が収録曲なんだが、バロック風の収録曲全7曲のうち4曲がジョン・ルイスの作曲。バッハについては2曲に留まる。しかし、しっかりと「G線上のアリア」をカバっている。
 

Place_vendome

 
1. Sascha (Little David's Fugue) (John Lewis)
2. Orchestral Suite No. 3 in D major,
    (aka "air on the G string") BWV 1068 (J. S. Bach)
3. Vendôme  (John Lewis)
4. The Musical Offering BWV 1079 (J. S. Bach)
5. When I am Laid in Earth (Henry Purcell)
6. Alexander's Fugue  (John Lewis)
7. Three Windows  (John Lewis)

 

どの楽曲もバロック風が楽しく出来が良い。しかもアレンジが秀逸で、ザ・スウィングル・シンガーズの男女混声合唱のア・カペラとMJQのジャズ・カルテット、特にミルト・ジャクソンのヴァイブとのユニゾン&ハーモニーが素晴らしい。男女混声合唱のア・カペラとミルトのヴァイブの相性がこんなにも良いとは想像もしなかった。

素材はバロック音楽に求めているが、アルバムの演奏全体の雰囲気は「ジャズ」です。そこはMJQの存在が大きい。MJQの演奏は、クラシックと融合(クロスオーバー)しても、演奏の底にしっかりと「ジャズ」が流れているのだ。ザ・スウィングル・シンガーズのア・カペラは洒脱でお洒落。

MJQとザ・スウィングル・シンガーズとの共演は、なかなかに好ましい「化学反応」が起きていて、粋で洒脱なバロック風ジャズを聴くことが出来ます。
 
2年がかりの綿密なアレンジメントとリハーサルの成果とのことですが、それも納得の出来。一朝一夕でインスタントに出来た音世界では無いことは、冒頭の「Sascha」の出だし1分を聴いただけで理解出来ます。

1966年の「ジャズとクラシック」の融合の成果。めくるめく「粋で洒脱なバロック風ジャズ」。聴いて思わず、こんなアルバムあったんや〜、です(笑)。

 
 

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2014年7月28日 (月曜日)

駄作無しの職人芸的フュージョン

Fourplay『Esprit De Four』(写真左)。『エスプリ・ドゥ・フォー』は、フォープレイの13枚目のアルバム。2012年のリリースになる。

フォープレイは、ベテラン・フュージョン集団。この13枚目のアルバムでのパーソネルは、Bob James (key), Nathan East (b), Chuck Loeb (g,syn), Heavey Mason (ds,per,vib,syn)。ギタリストがラリー・カールトンよりチャック・ローブに交代してからの第2弾。

これだけ充実した、高テクニックで内容のあるフュージョン・ジャズを聴くと、フュージョン・ジャズはしっかりとした、アーティステックなジャズの演奏形態のひとつなんだなあ、と改めて感じ入ってしまう。まあ、メンバーがメンバーだけに、その出来は相当に良いものになる、と想像できるんだが、このフォープレイという集団は、それをいとも簡単そうに成し遂げてしまう。

とにかく、これだけのメンバーがしっかりと曲とアレンジを仕込んで、加えて、しっかりとリハーサルもするんだから、そりゃあ良いアルバムが出来るでしょう。でも、それを実際に実現してしまうところが、このベテラン・フュージョン集団の凄いところ。

このアルバムでは、ギターのチャック・ローブが大活躍。フォープレイの音世界は、ジャジーでブルージーな、いかにもジャズ、って感じの音世界とは正反対の、クリアでフォーキーでクロスオーバーな音世界が身上。チャック・ローブのギターがそんな音世界にピッタリ。このアルバムは、チャック・ローブの為にある様なアルバムだ。
 

Esprit_de_four  
 
それでは、このアルバムにジャズ的な要素は無いのか。いやいや、それがあるんですね(笑)。表立って「ジャジーでブルージー」って感じを醸し出すのでは無く、演奏する音の端々で、そこはかとなく「ジャジーでブルージー」な雰囲気を漂わせる。そんな感じのネイザン・イーストのベースが憎い。そして、適度にラフなハービー・メイソンのドラムそのものが「ジャジーでブルージー」。

曲も良いが、メンバーそれぞれの楽器の演奏が素晴らしい。演奏の音それぞれをいろいろに楽しめる、感じ入る、感動する、そんな魅力的な演奏がギッシリ詰まったアルバムです。演奏自体を楽しむ、という面は「ジャズの原点」のひとつ。このベテラン・フュージョン集団は、やはり只者ではありません。駄作無しの職人芸的フュージョン。聴けば聴くほど味が出る。

これだけ優れた内容のフュージョン・ジャズを聴けば、1970年代から始まったフュージョン・ジャズも年を経る毎に進化して来たことが良く判る。フュージョンは今やしっかりとした、アーティステックなジャズの演奏形態のひとつである。フュージョン・ジャズを聴いて感じ入っていた自分が恥ずかしいなどというジャズ者の方々もいるが、アートとして音として楽しめれば、それはそれで良いのではないかと思う。

ボブ・ジェームスが東日本大震災の復興のために書き下ろした「Put Our Hearts Togather」を収録。歌手の松田聖子がゲスト参加したヴォーカル・ヴァージョンも収録しているが、ジャズとして聴くと出来はパッとしない。松田聖子のボーカルもジャズとして聴けば古風な佇まい。どうもこれは蛇足だろう。

 
 

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2014年7月27日 (日曜日)

思わずニヤリ『Somethin' Blue』

山中千尋の最新スタジオ録音アルバム『Somethin' Blue』(写真・左は初回限定盤・右は通常盤)である。タイトルからイメージできる様に、このアルバムは、今年設立75周年を迎えた、ジャズの老舗レーベル・ブルーノートからのアルバム・リリースである。

アルバムのキャッチ・コピーが「ジャズの王道に立ち返り、75周年を迎えたジャズの最強レーベル〈Blue Note〉からチヒロ・ミュージックが再び花開く」だったので、これはブルーノート・レーベルからリリースされた名曲のカバー集かと思った。まあ、ブルーノートの名曲のカバーは、ジャズメンの定番的なアプローチなので、そうなんだ、とは思ったが、それでは面白くないだろう、とも思った。

で、この山中千尋の最新スタジオ録音アルバム『Somethin' Blue』の収録曲の詳細情報を入手して、なるほどなあ、と納得した。実に山中千尋らしいアプローチである。元々、山中は作曲・編曲・アレンジの才に長けるので、単純なブルーノートの名曲カバーは「らしくない」。

以下が収録曲の詳細情報であるが、カバー曲は2曲目の「I Have A Dream」と3曲目の「Un Poco Loco」のみ。traditionalとして「Funiculi Funicula」を選曲しているが、他の8曲は全て、山中の自作曲。安易にブルーノートの名曲カバー集に走らないところに、山中千尋の矜持を感じます。
 

  1. サムシン・ブルー (Somethin' Blue : Chihiro Yamanaka)
  2. オーリンズ(Orleans : Chihiro Yamanaka)
  3. アイ・ハヴ・ア・ドリーム(I Have A Dream : Herbie Hancock)
  4. ウン・ポコ・ローコ(Un Poco Loco : Bud Powell)
  5. フニクリ・フニクラ (Funiculi Funicula : traditional)
  6. ア・シークレット・コード (A Secret Code : Chihiro Yamanaka)
  7. ピンホール・カメラ (Pinhole Camera : Chihiro Yamanaka)
  8. フォー・リアル (For Real : Chihiro Yamanaka)
  9. オン・ザ・ショア (On The Shore : Chihiro Yamanaka)
10. ユーアー・ア・フール・アーント・ユー (You're A Fool, Aren't You : Chihiro Yamanaka)
11. ゴー・ゴー・ゴー (Go Go Go : Chihiro Yamanaka)
 
 

Somethin_blue

 
1曲目の山中の自作曲「Somethin' Blue」を聴いて、思わずニヤリ。曲想が明らかにブルーノートのハードバップ曲を踏襲しており、アレンジがこれまた「ブルーノート色」が濃厚。なんかどこかで聴いたことのあるユニゾン&ハーモニーなんだが、これは山中のオリジナルなのだ。う〜ん、上手いことやるなあ。実に山中らしいアプローチである。 

他の山中の自作曲についても、全てこのパターンである。なんかどこかで聴いたことのあるユニゾン&ハーモニー、そしてアレンジなんだが、これが皆、山中のオリジナル。ブルーノート・レーベルのアルバムを多く聴き込んでいればいるほど、この「なんかどこかで聴いたことのある」に行き当たる。これが、聴いていてとても楽しい。

それでは、いずれも、ブルーノートの名曲のユニゾン&ハーモニー、そしてアレンジのパターンを忠実に踏襲しているのか、と言えば、これまた否で、一聴した時はブルーノートやなあ、と思うんだが、聴き進めて行くと、そこかしこに、山中のオリジナルなユニゾン&ハーモニー、アレンジを織り込んでいる。

演奏のパターンも、こってこてのハードバップから、ブルーノートの十八番であった新主流派のモーダルな演奏、そして、サイドワインダーなジャズロックまで、幅広く対応しているところも憎い。いやいや、山中自身が、かなりブルーノート・レーベルのアルバムを多く聴き込んでいるなあ、と感心する。

山中の作曲・編曲・アレンジについてばかり語っているが、演奏自体も全くもって素晴らしいもの。今までは、ピアノ・トリオ演奏中心にやってきたが、ここにきて、セクステット編成での演奏で攻めてきている。これも、ブルーノートの音世界に合わせる為の「技」のひとつ。確かに、ブルーノートには、ピアノ・トリオ盤がかなり少ない。

ブルーノートの名曲カバーに、Herbie Hancockの「I Have A Dream」と、Bud Powellの「Un Poco Loco」の2曲のみを選曲したところにも、山中千尋のセンスを感じる。そして「Funiculi Funicula」のお茶目なアレンジとプログレッシブなキーボードの使い方を聴いて、これまた「なかなかやるな〜」と口元が緩む。

今回のアルバムも、山中の作曲・編曲・アレンジの才に感心することしきりです。加えて演奏も素晴らしい。「山中、ジャズやってるな〜」って感じが良いです。ちなみに最後にパーソネルを記しておきます。山中千尋 (p), ベニー・ベナック三世 (tp), 中村 泰士 (b), ケンドリック・スコット(ds), ラゲ・ルンド (g), ジェリール・ショー (sax)。良いアルバムです。

 
 

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2014年7月26日 (土曜日)

西海岸ロックの歌姫のデュエット集

学生時代の夏、聴くロックと言えば「米国西海岸ロック」。ウエストコースト・ロック。ロサンゼルス、サンフランシスコを拠点に活動するロックであり、結構複雑なバリエーションがあるが、C&W風の爽やかでフォーキーなノリと、小粋な兄ちゃん達の小粋なソング・ライティングが特徴。カリフォルニアの爽やかな太陽と風が、1970年代のロックの思い出と共に蘇ります。

そんな西海岸ロックの歌姫と言えば「リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)」。彼女は生粋のボーカリスト。西海岸ロックの典型的なC&W風の爽やかでフォーキーなノリをバックに、小粋な兄ちゃん(イーグルスやニール・ヤング、ジェームス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、J.D.サウザー等々)の提供する楽曲を唄いまくった。

パンチのある豊かな声量と色艶のあるボーカルが身上で、バックのロック色の強い演奏にも負けること無く、それを従えるが如くのボーカルは爽快感抜群。特に、1970年代全般に渡って、その優れた歌唱力を活かし、カバー曲を中心に魅力的な米国西海岸ロック色豊かなアルバムを多くリリースしました。西海岸ロックの歌姫と呼ばれる所以です。

そんなリンダ・ロンシュタット、優れた魅力的なデュエット曲を多くリリースし、ヒットさせたことも彼女の個性のひとつ。そんなデュエット曲を集めてリリースした、実に魅力的な内容のアルバムがお目見えした。その名もずばり『Duets』(写真左)。大活躍していた1970年代の彼女の魅力的な写真のジャケットも凄く良い。往年の西海岸ロック者には堪えられない内容の企画盤である。

収録されたデュエット曲は以下の通り。1970年代の彼女の大活躍した時期のみならず、彼女のボーカリストとしての活動期全般に渡って幅広く選曲されている。いやはや、錚々たるデュエット曲のオン・バレードである。

彼女のソロアルバムとしても、『悪いあなた』(1974年作品)、『哀しみのプリズナー』(1975年作品)、『風にさらわれた恋』(1976年作品)、『夢はひとつだけ』(1977年作品)、『ゲット・クローサー』(1982年作品)などから選曲されており、各々のソロ・アルバムには、必ず、魅力的なデュエット曲を収録していたことが良く判る。
 

Linda_duets

 
01. “Adieu False Heart” with Ann Savoy
02. “I Can’t Get Over You” with Ann Savoy
03. “Walk Away Renee” with Ann Savoy
04. “The New Partner Waltz” with Carl Jackson
05. “I Never Will Marry” with Dolly Parton
06. “Pretty Bird” with Laurie Lewis
07. “I Can’t Help It (If I’m Still in Love With You)”with Emmylou Harris
08. “Hasten Down The Wind” with Don Henley
09. “Prisoner In Disguise” with J.D. Souther
10. “I Think It’s Gonna Work Out Fine” with James Taylor
11. “Don’t Know Much” with Aaron Neville
12. “All My Life” with Aaron Neville
13. “Somewhere Out There” with James Ingram
14. “Sisters” with Bette Midler
15. “Moonlight In Vermont” with Frank Sinatra

 

アルバム全体の雰囲気は、もうこれは完璧に「米国西海岸ロック」の音世界。やっぱりリンダって、米国西海岸ロックの歌姫やったんやなあ、と改めて感じ入ってしまいます。どのデュエット曲でも、パンチのある豊かな声量と色艶のあるボーカルが映え、だからと入って、デュエット相手の歌声を凌駕すること無く、しっかりと寄り添って唄い上げていく。やはり、リンダのボーカリストとしての力量は素晴らしいものがありました。

昨年、パーキンソン病を患いもう歌うことができなくなったという、往年のファンとしてはショッキングなニュースがありましたが、今年になって、アメリカの2014年度の「ロックの殿堂」入り受賞者となったという、素晴らしいニュースも飛び込んできて、往年のファンとしては、このところ、明るくなったり暗くなったり、久々にリンダの話題に振り回されております(笑)。

 
 

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2014年7月25日 (金曜日)

僕の大好きなバーカー盤はこれ

ジャズ初心者の頃、なかなか難物だったチャーリー・パーカー。ダイヤル・セッションを聴いて敗退し、ルースト・セッションを聴いて敗退し、サボイ・セッションを聴いて敗退する(笑)。そんなジャズ者初心者の時代を過ごした訳で、ジャズを聴き初めて10年位は、僕は「ビ・バップ」が苦手だった。 

ジャズを聴き初めて、15年位経った頃だろうか、憑きものがとれたように、自然にしっくりとビ・バップが耳に馴染むようになった。恐らく馴れたんだろう、ビ・バップのアドリブ・ラインや吹き回しのテクニックが理解出来る様になった。不思議なものである。

そんなこんなで、耳に馴染んだ「ビ・バップ」。チャーリー・パーカーのアルバムについても、ジャズ初心者の頃、なかなか難物だったダイヤル・セッションを克服、ルースト・セッションを聴いて克服、サボイ・セッションを聴いて克服して、なんとか、ジャズ者としての面目を保ったというか、ジャズ者としてなんとか自信を持つことが出来た。

でも、今でも良く聴くチャーリー・パーカーは、彼の音楽活動の晩年、ヴァーヴ時代のアルバムが聴き易くてお気に入りだ。特に1950年前後以降のセッションは、来るハードバップ時代の演奏トレンドを先取りした様な内容の濃い演奏もあって、聴きどころ満載。ビ・バップからハードバップへの移行は、様々な優秀なジャズメンのセッションを経て、比較的緩やかに実行されたと考えるべきだろう。一夜にして、ビ・バップからハードバップに移行した訳では無い。

そんな1950年前後以降のチャーリー・パーカーのアルバムで、僕が大好きなアルバムが、Charlie Parker『Swedish Schnapps』(写真)である。1949年5月と1951年8月のセッションから成るアルバムである。ちなみに、1951年のセッションのパーソネルが興味深い。Charlie Parker (as), Miles Davis (tp), Walter Bishop Jr. (p), Teddy Kotick (b), Max Roach (ds)。
 

Swedish_schnapps

 
いずれのメンバーも、後のハードバップで活躍するミュージシャンばかりで固められている。あの、後に「ジャズの帝王」と呼ばれたマイルス・デイヴィスも参加して、この時点で既に、いかにも後のマイルスらしいトランペットを披露している。他のメンバーも同様で、パーカー以外、かなりハードバップ的な、アーティスティックで聴く音楽としてのインプロビゼーションを意識して展開している。

パーカーは、ビ・バップだ、ハードバップだ、と言う前に、いつものパーカーらしく、大きな音でハイテクニックでメロディアスに吹き進める。パーカーらしい、しっかりクッキリと硬派なブロウが堪りません。「ビ・バップ」を「聴かせる」ジャズ盤として、このアルバムの存在は大きいですね。ハードバップな耳にも十分に馴染みます。

思い起こせば、このアルバムはジャズ者初心者の頃、清水の舞台から飛び降りる気分で、思い切って購入した3枚目のパーカー盤でした。僕がジャズを聴き始めた頃、1970年代後半は、まことしやかに「ヴァーヴのバードは駄目だ」と言われていました。でも、このアルバムは違うぞ、と感じました。ただ、ジャズ者初心者の感じた感想です。決して口外することは無かったんですが(笑)。

この盤にはブルース曲が多く収録されているところが聴いていて楽しいところ。1曲目 の「Si Si」からブルース曲が炸裂です。「Back Home Blues」と「Blues for Alice」も題名を見てのとおり、それぞれ順にCそして、Fのブルースです。「Au Privave」はFのブルース。マイルスがなかなか張りのあるソロを披露しています。

マイルスと言えば「She Rote」では、ミュート・ソロを聴かせてくれます。後のマイルスの十八番となった「ミュート・トランペット」。この「She Rote」のマイルスは、若き日のマイルスの代表的なミュート・ソロのひとつと言えます。逆に「K.C. Blues」でのマイルスはとてもぎこちない(笑)。演奏毎に好不調の波があるマイルスというのも、若さ故という感じで、とても微笑ましいです。

このCharlie Parker『Swedish Schnapps』は、僕の大好きなバーカー盤。1950年前後の録音なので、録音状態もまずまずで、鑑賞に十分に耐えるレベルであるというのも嬉しいところ。これからバードを聴きたいなあ、と思われているジャズ者初心者の方々に、お薦めの一枚である。

 
 

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2014年7月24日 (木曜日)

親しみ易いパーカーをもう一丁

チャーリー・パーカーのアルトのブロウは、どれを取っても「ビ・バップ」そのものなんだが、ジャズ者初心者でも取っ付き易い、聴き易いアルバムがなかなか無い。これは、ジャズ者初心者としてはもんだいである。

「ビ・バップ」の展開は、ちょっとクセがあって、このアルバムでのパーカーも現代のサックスのアドリブ・ラインとはちょっと違うのですが、これは慣れの問題で、聴き慣れてくるうちに気にならなくなります。ジャズを極めていく中で、ビ・バップは避けては通れない。問題はどのアルバムを聴くか、ですね。

昨日は『Charlie Parker Big Band』をご紹介した。大きな音でハイテクニックでメロディアスに吹き進めるパーカーのアルトを聴く事が出来る。明朗かつ、しっかりと硬派なブロウが魅力である。

さて、もう少し、判り易いパーカー、聴き易いパーカーは無いのか。判り易く聴き易いのであれば、演奏の素材となる楽曲は、テーマの旋律が美しく魅力的なスタンダード曲が一番であり、それも、テーマがキャッチャーで流麗なものが良い。そして、パーカーのアルトが柔軟で明朗な晩年のヴァーヴ・レーベル時代のアルバムが良い。

ということで選んだ盤がこれ。Charlie Parker『Plays Cole Porter - The Genius Of Charlie Parker #5』(写真左)。1954年3月と12月の2セッションから集めた、コール・ポーター作曲の楽曲集。コール・ポーターとは「Mr. American Melody」と呼ばれた作曲家。1920年代から60年代まで、ミュージカルの楽曲を多く手掛け、多くのスタンダード・ナンバーを生み出した米国の人気作曲家です。
 

Charlie_parker_plays_cole_porter

 
1. I Get A Kick Out Of You                        
2. Just One Of Those Things             
3. My Heart Belongs To Daddy             
4. I've Got You Under My Skin             
5. Love For Sale
6. I Love Paris   

 
収録された楽曲は上記の通り。ずらっとコール・ポーター作曲の有名なスタンダード曲が並びます。ちょっと玄人好みの選曲というのが、このアルバムを特別なものにしている理由ですね。パーカーの選曲のセンスが感じられます。

そんなコール・ポーターの楽曲をパーカーは気持ちよさそうに吹き上げていきます。本当に、このアルバムでのパーカーは唄う様にアルトを吹いています。音色は明朗かつ躍動感抜群。流麗なテクニックにしっかりと硬派なブロウが、コール・ポーターのキャッチャーで美しいメロディーと相まって、なかなか聴き応えのある演奏に仕上がっています。

このアルバムのパーカーのアルトは凄く魅力的です。パーカーらしい、しっかりクッキリと硬派なブロウが展開されますが、余り耳の負担にはなりません。恐らく、コール・ポーターのキャッチャーで美しいメロディーが、上手く「クッション役」を果たしてくれている様です。なるほど、これが「ビ・バップ」のブロウなのか、と感心することしきり、です。

 
 

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2014年7月23日 (水曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・31

チャーリー・パーカー(Charlie Parker)は、ビ・バップの祖の一人。ビ・バップは、1940年代初期に成立したとされる、ジャズの主要な演奏スタイルの一つ。コード進行に沿って、フロント楽器がアドリブを順番に行う形式。このアドリブが命で、コードに沿いながら高テクニックで吹きまくる、この「芸」を競うのが「ビ・バップ」である。

チャーリー・パーカーのアルトのブロウは、どれを取っても「ビ・バップ」そのものなんだが、ジャズ者初心者でも取っ付き易い、聴き易いアルバムがなかなか無い。ジャズ本では『On Dial』(ダイヤル・セッション)や『On Savoy』(サボイ・セッション)を聴け、というのだが、同じテーマ曲のテイクが幾つも続いたり、失敗テイクも入っていたりで、ジャズ者初心者には何がなんだか判らない代物である。とにかく聴いていて楽しめない。

僕がそうだった。大学時代、奮発して『Charlie Parker on Savoy』を購入、じっくりと1週間、繰り返し聴いたのだが、やはり、同じテーマ曲のテイクが幾つも続いたり、失敗テイクも入っていたりで、何が凄いのか、さっぱり判らなかった。パーカーのアルトのテクニックが超人的であることだけは判った(笑)。

これでは、チャーリー・パーカーが浮かばれない(笑)。僕は、ジャズ者初心者向けのパーカー入門盤としては、パーカーの演奏活動の晩年、1940年代後半からのヴァーヴ・レーベル時代のリーダー作をお勧めする様にしている。

例えば、この『Charlie Parker Big Band』(写真左)がお勧めの一枚。バックにビッグバンド、ストリングス、コーラスがついたトラックがマスター・テイクで13曲。いずれも有名なスタンダード曲で、メインの旋律が美しいものばかり。当然、コード進行も魅力的で、このコード進行を借りたパーカーのアドリブは、どれもが「ビ・バップ」なスタイル。
  
Charlie_parker_bigband
  
1950年〜53年の間の録音を集めたものですが、パーカーの演奏活動の晩年の録音なので、パーカーのアルトにはバラツキがありません。どれもが、大きな音でハイテクニックでメロディアスに吹き進めている。とにかく、パーカーのアルトは「明朗」。しっかりと硬派なブロウが魅力である。

しかも、テクニックがずば抜けている。いとも簡単に吹いている様に聴こえるが、これが良く聴くと、結構複雑なことをやっているのだ。コード進行も結構複雑だし、アドリブ・ラインも結構複雑。テクニックが高いブロウなので、フレーズ自体が流麗で簡単に吹き流している様に聴こえるが、これがとんでもない。このアルバムでのパーカーのブロウは実に硬派である。

このアルバムでのパーカーは、バックが何であれどうであれ、硬派で流麗な、いつものパーカーと同じような、実に格好良いブロウをガンガンやってます。結構ハードなブロウなので、テーマやアドリブ・ラインがとても良く判って、聴いていて楽しいです。なるほど、これが「ビ・バップ」のブロウなのか、と感心します。

パーカーのアルトはアドリブ・ラインがクッキリと浮き出るようにハッキリ判るところが個性で、これって当時の音の悪いラジオなどでも、パーカーのアルトのアドリブ・ラインは聴きとれるのではないだろうか。コンサート・ホールだってそうだ。当時はまだPAなど全く無い環境。音が大きくハッキリしていて、テクニックがあることが演奏家として一番大切なことだった時代である。

良いアルバムです。複雑ながらもメロディアスなパーカーが格好良いです。ビ・バップの展開は、ちょっとクセがあって、このアルバムでのパーカーも現代のサックスのアドリブ・ラインとはちょっと違うのですが、これは慣れの問題で、聴き慣れてくるうちに気にならなくなります。まずは聴くべし。ジャズを極めていく中で、ビ・バップは避けては通れない。
 
 
 

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2014年7月22日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・54

「ジャズ盤聴き」を楽しんでいると、なにも有名なジャズ・ジャイアンツの演奏だけが全てでは無いということに気が付く。ジャズ入門本やジャズ盤紹介本に、殆ど挙がることの無い、無名では無いんだが、知る人ぞ知るという存在の優れたジャズメンがいる。

結構な数のリーダー作をリリースしているのだから、当時のジャズ・マーケットにニーズはあったと思われる。しかし、日本のジャズ・シーンでは、ジャズ入門本やジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で語られることが殆ど無い、不思議なジャズメンが何人かいる。

例えば、Gene Ammons(ジーン・アモンズ)などはそういう存在だろう。米国本国では「テナー・サクソフォン界のボス(The Boss)」とか「ジャグ(Jug)」の愛称で呼ばれるように、かなり人気のあったテナー・サキソフォン奏者であったようである。しかし、日本では「知る人ぞ知る」存在に留まっている。

1947年から1974年の27年間、リーダー作をコンスタントにリリースしているので、米国ジャズ界では有名な存在なのだろう。でも、日本では1970年代から1980年代では、ジーン・アモンズの名前を目にしたことは無かった。確か、1990年代に入って、幻の名盤のCD復刻が始まって、そんな幻の名盤の中に、ジーン・アモンズの代表作の名前を目にした様な気がする。

ジーン・アモンズのテナーのスタイルはちょっとユニーク。レスター・ヤングなどのオールド・スタイルを踏襲した、太くミッドテンポなブロウと、ジョン・コルトレーンの様なストレートなブロウが共存し、ところどころ、フリーキーな展開を「チラ見」させるという、なんとも「ええとこ取り」なスタイルである。僕は「テナー中間派」と呼んでいる(笑)。

「ええとこ録り」なんで、中途半端な印象を受けるかと思えば、聴いて見ると意外とそうでは無い。基本的にはオールド・スタイルのブロウなので、その野太いミッドテンポなブロウが一番のインパクトで、ストレートなブロウは、コルトレーンで聴き慣れているので、まあこれはこれでアリかな、って位であまり気にならない。
 

Boss_tenor

 
そんな「テナーの個性ええとこ取り」な「テナー中間派」の代表盤が、Gene Ammons『Boss Tenor』(写真左)である。1960年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Gene Ammons (ts), Tommy Flanagan (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds), Ray Barretto (congas)。プレスティッジ・レベールからのリリースになる。

改めてパーソネルを眺めてみると、素晴らしいメンバーですね。ピアノに「名盤請負人」のトミフラ、ベースに堅実かつ野太のワトキンス、ドラムに玄人好みなテイラー、とこのリズム・セクションは素晴らしい。名盤名演を約束された様なもの。しかし、加えて不思議なことに、バレットのコンガが入っている。このコンガの参入の意味は良く判らない(笑)。

1. Hittin' The Jug    
2. Close Your Eyes    
3. My Romance    
4. Candian Sunset    
5. Blue Ammons    
6. Confirmation    
7. Savoy

上記の収録曲を眺めると、2曲目の「Close Your Eyes」、3曲目の「My Romance」、4曲目の「Candian Sunset」、6曲目の「Confirmation」など、玄人好みのスタンダードというか、ミュージシャンズ・チューン的な渋い楽曲が並ぶ。この渋い選曲もこのアルバムの魅力である。

「テナーの個性ええとこ取り」な「テナー中間派」なアモンズのブロウが実に良い雰囲気。骨太なテナーだが、意外とセンシティブな表現が憎い。ゆったりとした心地よさが良い。コルトレーンと真逆なスタイル。コンガの音色が意外と効果的。無骨なテナーにポップな雰囲気を添えてくれる。

「テナーの個性ええとこ取り」な「テナー中間派」な、ちょっと「どっちつかず」なところが日本のジャズ者の方々にウケなかった理由なのだろうか。コルトレーンとは真逆なスタイルが逆効果だったのか。なぜか日本では受けが悪いジーン・アモンズ。

しかし、そんな日本での評価を気にせず、この『Boss Tenor』を聴いてみて下さい。小粋で泰然とした太っといテナーに惚れ惚れすること請け合いです。

 
 

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2014年7月21日 (月曜日)

1970年代サンタナの総決算

1970年代のサンタナのアルバムの聴き直しも最後の一枚となった。最後の一枚とは、SANTANA『Marathon』(写真左)である。1979年9月のリリースになる。

1979年と言えば、米国ロック界にはAORの嵐が吹き荒れており、ソフト&メロウなソフト・ロックが中心となり、70年代の商業ロックを牽引したハード・ロックやプログレ、西海岸ロック等は、ほとんどその影が薄くなっていた。

サンタナも例外では無い。元々はハードで官能的なラテン・ロックをバンバン展開し、途中からスピリチュアルなジャズ・ロックに転身、再び、ラテン・ロックに立ち戻っても、インストを中心としたハードで官能的な演奏内容が個性だった。

しかし、この1979年リリースの『Marathon』に至っては、全体の雰囲気は「マイルドなポップ・ロック」に仕上がっている。まあ、それも仕方の無いことかなあ、とも思う。当時、世の中は「AOR」一色。ハードで官能的なラテン・ロックなどはマーケット・ニーズにそぐわない。サンタナ・バンドとして、考え抜いた挙げ句の「マイルドなポップ・ロック」なのである。

ラテン・ロックの雰囲気は、それぞれの演奏の中に織り込まれてはいるが、「ラテン・ロック」と大手を振って言えるほど、コッテコテのラテン・ロックのフレーズは聴かれることは無い。ソフト・ロックなアレンジのバリエーションとして、ラテン・ロックなアレンジを施している、という感じのもの。
 

Santana_marathon

 
アルバム全体の完成度は高い。サンタナを始めとするバンドの演奏レベルも高く充実している。昔のハードで官能的なラテン・ロックなサンタナを聴くことは出来ないが、AOR時代のサンタナとして、ソフト&メロウなソフト・ロックなアルバムとして、この『Marathon』は及第点なアルバムではある。

しかし、やはり従来のハードで官能的なラテン・ロックやスピリチュアルなジャズ・ロックをガンガンにやっていたサンタナのイメージからすると、この『Marathon』というアルバムの音世界については「なんだかなあ」という感じがするのは否めない。特に、ファースト・アルバムの頃からの生粋の「サンタナ者」としては、この『Marathon』の内容はちょっと不満だった。

サンタナのエレギも良いし、内容的にもラブ・ソングあり、ストレートなアメリカン・ロックっぽい雰囲気の曲ありで、内容的にもプロデュースの行き届いた、なかなかの内容のアルバムなんですけどね(笑)。

しかし、客観的に見れば、この『Marathon』というアルバムは、1970年代サンタナの総決算的なポジションにある。次に来る1980年代のスタート・ポジションとしての位置づけでもある『Marathon』というアルバムは、サンタナの歴史の中では決して無視することは出来ないアルバムである。

 
 

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2014年7月20日 (日曜日)

フュージョンを聴くなら「夏」

フュージョン・ジャズを聴くなら「夏」である。まあ、窓の外のギラギラした夏の陽射しを眺めつつ、夏の野外の喧噪と焼けるような暑さを想像しながら、エアコンの効いた涼しい部屋の中で、ゆったりとリラックスしながら、という条件付きではあるのだが(笑)。

ジャズを聴き始めた頃(今から36年前になるが)、大学時代の夏がそうだった。当時、学生街の喫茶店において、業務用エアコンというものが一般化し始めた時代のことである。
 
神戸の夏は暑い。とにかく、昼下がりの時間帯は、暑すぎて外に出ることは危険な時間帯である(笑)。そういう時間帯はエアコンの効いた喫茶店に避難するという習慣が常態化した。

大学はミッション系ということもあって、7月1日から早々に夏休みに入る。が、3回生にもなると、ゼミの小論文の取りまとめなど、夏休みで有る無しに関わらず、大学の図書館や研究室に通う必要があって、暑い中、山登りが伴うのではあるが(笑)、結構、大学に行っていた。

しかし、大学の図書館や研究室には、当時、エアコンなど入ってはいない。古い由緒ある建物なので、夏は夏でそれなりに涼しいのではあるが、さすがに真夏の昼下がりは暑い。よって、エアコンの効いた喫茶店に避難することになる。

このブログで度々登場する「秘密の喫茶店」は、当時にしては早くから、しっかりとエアコンが導入されていて、夏休みの頃、昼下がりの時間帯には、よく避難させていただいた。窓の外の観葉植物の葉に反射するギラギラした夏の陽射しを眺めつつ、天国のように涼しい部屋の中で、基本的にジャズを聴きながら、本を読んだり、論文を書いたりしていた。
 
そんな時、その「秘密の喫茶店」で流れていたのが、フュージョン・ジャズであった。1980年辺りの話であるから、フュージョン・ジャズの流行のピークを 少し過ぎた、ソフト&メロウなフュージョンが大いにウケていた時代である。このフュージョン・ジャズが、この暑すぎて外に出ることは危険な時間帯、窓の外 のギラギラした夏の陽射しを眺めつつ、天国のように涼しい部屋の中で聴くのにピッタリだった。
 

David_sanborn_hideaway
 
 
そんな当時、印象的なフュージョン・ジャズのアルバムが幾つかあるが、David Sanborn『Hideaway』(写真左)などは、良くリクエストさせていただいたアルバムである。サンボーンの6枚目のリーダー作。1980年のリリース。この『Hideaway』は、サンボーンにとって始めてゴールドディスクを獲得したアルバムになります。

とにかく収録された曲の出来が非常の良い。当時流行の「ソフト&メロウ」な雰囲気とは若干異なる、力強い色気豊かなサンボーンのアルトと、高いテクニックと流れる様なビート感が素晴らしいリズム・セクションとが奏でる、結構、硬派な雰囲気が漂う、正統派フュージョンな内容です。

「Carly's Song」のメロディーの美しさは秀逸。「Lisa」の素敵なメロディーも良い。そう、この『Hideaway』は、それぞれの曲のメロディーラインがとても美しいのだ。その流麗さ故に「ソフト&メロウ」なフュージョンで括られる傾向にありますが、サンボーンのアルトは意外にハードで聴き応え満点です。

サウンド的にも、1970年代のアナログ的なフュージョン・サウンドで、今の耳で聴くと、なんだかホッとします。1980年代のダイナミックレンジのみを追求したケバケバしたサウンドは、いかにエアコンの効いた室内でも、夏の季節にはちょっと合いません(笑)。

フュージョン・ジャズを聴くなら「夏」である。まあ、窓の外のギラギラした夏の陽射しを眺めつつ、夏の野外の喧噪と焼けるような暑さを想像しながら、エアコンの効いた涼しい部屋の中で、ゆったりとリラックスしながら聴くフュージョン・ジャズは格別なものがある。

 
 

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2014年7月18日 (金曜日)

オーネットのテイクは捨て曲無し

さてさて、アトランティック・レーベルにおける、オーネット・コールマンのアルバムのご紹介の最終回。昨日の『To Whom Who Keeps a Record』と同じ、アトランティック・レーベルのセッションの落ち穂拾い盤。

そのアルバムとは、Ornette Coleman『Twins』(写真左)。1971年10月のリリース。あの名盤『Free Jazz』のファースト・テイクに、1959年〜1961年のカルテットによる演奏のアウトテイクを収録している。具体的には、『ジャズ来るべきもの』『オーネット!』『ジズ・イズ・アワ・ミュージック』から漏れたアウトテイク集になる。

まあ、『ジャズ来るべきもの』『オーネット!』『ジズ・イズ・アワ・ミュージック』からのアウトテイクに加えて、『フリー・ジャズ』のファースト・テイクである。悪かろうはずが無い。確かに、全編を聴き通して、なかなか内容のある、充実したオーネットのフリー・ジャズが聴ける。

昨日も書いたが、オーネット・コールマンの落ち穂拾い盤って、捨て曲が無い。この『Twins』も然り。充実した内容のアウトテイクがてんこ盛りである。こういうジャズメンって珍しいと言えば珍しい。逆に、本テイクとアウトテイクの差異はなんなんだ、ということにもなる(笑)。
 

Ornette_coleman_twins

 
オーネットのフリー・ジャズって、今の耳で聴くと、決して「フリー・ジャズ」では無い。面白いアイデアが詰まった、限りなくフリーに近いハードバップな様相が強い。但し、オーネットやチェリーのアドリブ・フレーズはコードでもモードでも無い。ある決め事に則った、気分のままに吹く「思いつきフレーズ」だと僕は解釈している。

モード奏法の様な、アカデミックな理論が無い分、曲が進むにつれ、マンネリに傾きつつあるし、アドリブ・フレーズの展開も単調になりがちである。それでも、1959年〜1961年のジャズ・シーンでは、このオーネットの演奏って、かなり先進的だったと思うし、ジャズの最先端の一端を担っていたんだなあ、と思っている。

このオーネットの『Twins』は、一般万民向けのアルバムではありません。かなり、オーネットのマニアの方々、つまりオーネット者御用達のアルバムだと言えます。まあ、通常のジャズ者の皆様には、強くお勧めする盤では決してありません。

逆に、オーネットの限りなくフリーに近い演奏が好きな、いわゆるオーネット者には必須のアルバムになります。特に、『フリー・ジャズ』のファースト・テイクは聴きものである。オリジナルの本テイクよりも、先進的で攻撃的である。 

これで、アトランティック・レーベルのオーネット・コールマンのアルバムは終わり。いよいよ、次からのオーネットの聴き直しは、アトランティック以降の優秀盤を聴き進めることになる。そして、ゴールは、1965年の大名盤『At the "Golden Circle" Vol. 1 & 2』。さあさあ、頑張ろう(笑)。 

 
 

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2014年7月17日 (木曜日)

オーネットの落ち穂拾いの異色盤

さて、アトランティック・レーベルのオーネット・コールマンの聴き直しも、いよいよ終焉を迎える。今日は、Ornette Coleman『To Whom Who Keeps A Record』。邦題は『未知からの漂着』。すっごい邦題やなあ(笑)。

1959年から1960年にかけての『Change of the Century』と『This Is Our Music』セッションからの落ち穂拾い盤である。1975年に日本でのみリリースされた当時の貴重盤。ジャケットもすらっとシンプルなもの。ジャズのアルバムって感じがしない。

パーソネルはほぼ共通のメンバー。Ornette Coleman (as), Don Cherry (tp), Charlie Haden (b), Billy Higgins (ds) on "Music Always" 1959 Track, Ed Blackwell (ds) on 1960 tracks。ドラムが「Music Always」だけがビリー・ヒギンズが務め、残りは、コールマン、チェリーの双頭フロントをはじめに、ベースのヘイデン、ドラムのブラックウェルの鉄壁の布陣。

このアルバムの収録曲は以下の通り。それぞれの曲のタイトルをつなげて読むと面白い。

1. Music Always
2. Brings Goodness
3. To Us
4. All
5. P.S. Unless One Has (Blues Connotation No.2)
6. Some Other
7. Motive For Its Use
 

To_whom_who_keeps_a_record

 
Music Always Brings Goodness To Us All.
P.S. Unless One Has Some Other Motive For Its Use.

「音楽は常に私たち皆に良いものをもたらしてくれる。
ただし、何か別の目論見で用いられることさえなければ」

となかなか意味深なメッセージになるのだ。まあ、フリーな曲で占められているので、タイトルは何でも良いといえば良いのだが、この様に、各曲のタイトルをつなげて読ませて、メッセージ性のあるものにする、なんてアプローチは、他のジャズ盤には無いもの。ちょっとばかし、ユニークな盤ではあります。

落ち穂拾い盤とは言え、さすがにオーネットの初期の名盤と誉れ高い『Change of the Century』と『This Is Our Music』からの落ち穂拾いなので、内容的には充実しています。これが当時未収録としてお蔵入りしたテイクとは信じられません。

やはり、このアトランティック・レーベルでのコールマン独特の限りなくフリーに近いバップ・ジャズは、フリー・ジャズな様々なアイディア満載で、聴いていて実に興味深いものばかり。単調な展開に陥る部分もあるが、フリー・ジャズなんて概念が無いその時代に、個性的なアイデア優先な取り組みは実に意欲的であり、実に潔い。

オーネット・コールマンの落ち穂拾い盤って、捨て曲が無いんですよね。この『To Whom Who Keeps A Record』もなかなかの内容で、アルバムを聴き終えて、改めて感心しました。とてもこのアルバムが「落ち穂拾い盤」だなんて思えませんね。良い内容です。

 
 

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2014年7月16日 (水曜日)

リズム&ビート優先のフリーな演奏

昔はそうは思わなかったのだが、最近は「なるほどな」と納得する。やはり、オーネット・コールマンは、確かに「フリー・ジャズ」の祖であった。

特に、今、聴き直している、1958年のデビュー盤から、1965年の大名盤『At the "Golden Circle" Vol. 1 & 2』まで、今の耳で聴き直すと、確かにオーネットは、当時、フリー・ジャズの旗手だったことは間違い無い。

Ornette Coleman『Ornette!』(写真左)というアルバムがある。1961年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Ornette Coleman (as), Don Cherry (tp), Scott LaFaro (b), Ed Blackwell (ds)。盟友ドン・チェリーのトランペットが心強い。そして、リズム・セクションは、早逝した伝説のベーシストであるスコット・ラファロ、そして、フリー・ドラミングの若手であるエド・ブラックウエルと凄い布陣である。

どんなオーネット独特のフリー・ジャズになるのか、と思って、聴き始めると「あれれ」と思う。リズム&ビート優先のフリー・ジャズ。テナーとペットは短いフレーズを次々と繰り出しながら、リズム&ビートの自由な展開に追従する。これは面白い。完全にリズム&ビート優先の「限りなく自由度の高い」展開である。

アルバム全編を聴き終えて思うのは、やはり、この「オーネットのフリー・ジャズ」は最大限の決め事があって、その決め事を守る分には、後は何をやっても構わない。そんなオーネット独特のフリー・ジャズな展開を、このアルバムでは、リズム・セクション中心に展開している。
 

Ornette

 
今の耳で聴くと、これはフリー・ジャズでは無いなあ、と感じる。限りなくフリーに近い、新主流派のモーダルな演奏に近い。しかし、フロントを張るオーネットとチェリーの繰り出すフレーズはモードでは無い。必要最低限の決め事を守りながら、思うがままに吹きたい様に吹く。最後のほうは、ちょっとマンネリになったのか、少し単調になるのはご愛嬌。

さすがにこの限りなくフリーに近い展開に、メインストリーム・ジャズ出身のラファロはちょっと硬い。逆に、型にはまっていないブラックウエルは精力的に自由に叩きまくっている。逆に、ラファロの硬さが伝統的なジャズのリズム&ビートの雰囲気をほんのりと漂わせていて、これはこれで、このアルバムでは良い方向に作用していると思う。

確かに、このリズム&ビート優先の「限りなく自由度の高い」展開を聴いていると、当時のジャズ界の若手、例えば、ハービー・ハンコックとか、ロン・カーターとか、トニー・ウィリアムスとか、ウェイン・ショーターとか、当時、マイルス楽団のメンバーたちが、こぞってフリー・ジャズ指向に傾いたのも判るなあ、と思う。

振り返ると、1962年当時、この『Ornette!』の音世界は、かなり相当に「斬新に」聴こえたのではないだろうか。新しいジャズの響きがビンビンに伝わってきて、当時の若手ミュージシャンが、こぞってオーネットのスタイルに傾いたのも無理も無いことだと思う。とにかく格好良いのだ。クールと言って良い音世界である。

実験的なアプローチを捉えたアルバムなので、演奏全体において、切れ味やシャープさに欠けるのは仕方の無いこと。このアルバムでは、リズム&ビート優先の「限りなく自由度の高い」展開こそが「買い」であり、積極的に評価されるべき部分である。こんなリズム&ビート優先の「限りなく自由度の高い」展開が試みられていたことに、ジャズの先進性と懐の深さを感じる。

 
 

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2014年7月15日 (火曜日)

テナーでもオーネットはオーネット

オーネット・コールマンの聴き直しを再開。まずは第1期として、1958年のデビュー盤『Something Else!!!!』から、1965年のあの名盤『At the "Golden Circle" Vol. 1 & 2』までの聴き直し。

今日は、Ornette Coleman『Ornette on Tenor』(写真左)。1961年3月の録音。1962年12月にアトランティック・レーベルからリリースされている。オーネットはもともとはアルト・サックス奏者なんだが、このアルバムでは、テナー・サックスを手にとって、オーネット独特のフリー・ジャズをやっている。

ちなみにパーソネルは、Ornette Coleman (ts), Don Cherry (tp), Jimmy Garrison (b), Ed Blackwell (ds)。盟友ドン・チェリーがトランペットを担当し、リズム・セクションは、ギャリソンのベースとブラックウェルのドラムと申し分無い。

いつもはアルト・サックスで、オーネット独特の「フリー・ジャズ」をやっているんだが、これをテナー・サックスでやるとどうなるのか。アルト・サックスは調性は変ホ(E♭)調、テナー・サックスはアルトよりも完全4度低い変ロ(B♭)調。テナーは男性的かつ豪快な音色を持つので、これでオーネットのフリー・ジャズをやるとどうなるのか。

で、聴いてみたら、まず第一印象は「テナーを持ってもオーネットはオーネットやなあ」。フレーズの作り方、展開の仕方、タイム感覚、どれをとってみても「オーネットはオーネット」。それもそのはずで、アルト・サックスを持つ前は、オーネットはテナー・サックス奏者だったのだ。テナーもお手のものなのだ。
 

Ornette_tenor

 
なるほどね。アルトとテナーは大きさも調性も異なるので、吹き方も少し異なるのだが、オーネットはそんなことは全く気にせず、テナーを吹く。そうかテナーを吹いていたんやね。道理で上手いと思った。

ただ、やはりアルトより低い調性を持つテナー・サックスならではの音色と音階で、オーネットのフリー・ジャズ演奏が、よりダイナミックかつ男性的に展開されるのには感心した。重心が低いというか、ダイナミックレンジが広くなったというか、オーネットのフリー・ジャズがより音圧があり、より拡がりのある展開に聴こえる。聴き応え十分である。

このアルバムのリリースが1962年だから、まだコルトレーンはフリー・ジャズに転身してはいない。しかし、この『Ornette on Tenor』でのオーネットのテナーは、コルトレーンのテナーの展開に似ている。というか、コルトレーンのテナーがオーネットのテナーに似ているのか。

オーネットのテナーは、コルトレーンに似てはいるが、コルトレーンより余裕があるというか、コルトレーンよりも陽気でラフである。必要最低限の決め事にのって吹きまくるオーネットのテナーは、全くもってイマージネーション豊か。アドリブ展開は今の耳で聴くとアイデア優先のちょっと単調なものなんだが、当時としてはこれがフリーなジャズと呼ばれていたんだろうな。

実はこのアルバムが、アトランティックでのラスト・アルバムになるんですね。先進的なジャズに理解のあったアトランティック・レーベルだったんですが、どうしてオーネットは、このアトランティック・レーベルを離れたんでしょうか。このアルバム以降、オーネットは茨の道を暫く歩くことになります。

 
 

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2014年7月14日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・53

ジャズの世界では、日本のレーベル制作のアルバムは押し並べて評判が悪い。聴き手に迎合するプロデュース、売上第一とする選曲とアレンジ。古典的なハードバップで、思いっきりスタンダードな曲を演奏する。譜面が用意されているような、定型的な展開とアドリブ。面白味が全く無い、イージーリスニングの様なジャズ。

しかし、たまに日本のレーベル制作のアルバムにも優れものが存在する。だから、日本のレーベル制作だからと聴かず嫌いは、ちょっとマズい。例えば、Diwレーベルなどは、なかなか内容の良いアルバムを多くリリースしたりしている。例えば、David Murray『Love and Sorrow』(写真左)などはその好例だ。

デヴィッド・マレイ(David Murray)は、1955年2月生まれの米国のテナー奏者。彼のテナーのスタイルは、コールマン・ホーキンスやベン・ウェブスターのスタイルを吸収した「オールド・スタイル」。決して、コルトレーンのフォロワーでは無い。日本のレーベルの制作盤なのに、この現代ジャズの「オールド・スタイル」なテナーに着目するなんて、なかなか粋なことをする。

1993年9月の録音。リリースは2000年11月。えらく長い間、お蔵入りやったんやなあ、とちょっと不思議に思う。しかも、日本のDiwレーベルからのリリース。日本のレーベルが、自らが録音した音源をここまで長い間、お蔵入りとしたなんて、ちょっと意外だ。

ちなみにパーソネルは、David Murray (ts), John Hicks (p), Fred Hopkins (b), Idris Muhammad (ds)。ピアノのジョン・ヒックスは知っているが、ベーシストとドラマーは知らない。限りなくフリーなネオ・ハードバップを基調とするカルテット集団であることは確か。
 

David_murray_love_and_sorrow

 
全編に渡って、マレイの野太くも繊細なテナーがとにかく良い。コルトレーンの様に、超絶技巧なシーツ・オブ・サウンドを執拗に繰り広げるのでは無い、コールマン・ホーキンスやベン・ウェブスターのスタイルを吸収した「オールド・スタイル」なテナーで情感豊かに、力強くフリーキーに、時に優しく吹き上げていく。

ジョン・ヒックスのピアノも良い。こんなに情感タップリに、超絶技巧に弾き倒すピアニストやったんや、と思いっきり感心した。リーダーのマレイは勿論良いが、このアルバムの隠れたヒーローは、このピアノのヒックスだ。むっちゃセンスの良いアドリブ・フレーズなど、感動の嵐である(笑)。

さて、収録曲を並べてみると以下の様になる。さすがに、日本のレーベルの制作、思いっきりスタンダード・ナンバーが3曲。ほほぅとジャズ者ベテランが感心する、隠れた小粋なスタンダード・ナンバーが2曲。マレイの自作曲が1曲。まあ、バランスの取れた選曲ではある。

1. You'd Be So Nice To Come Home To
2. Old Folks
3. Forever I Love You
4. Sorrow Song
5. A Flower Is A Lovesome Thing
6. You Don't Know What Love Is

良いアルバムです。決して、メジャーなアルバムではないんですが、とにかく内容は良く、カルテットの演奏も好調そのものです。こんな小粋で内容充実なアルバムが、さりげなく流れてくるジャズ喫茶って素敵です。

 
 

震災から3年4ヶ月。決して忘れない。まだ3年4ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

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2014年7月13日 (日曜日)

寺井尚子はガンガンに弾きまくる

日本を代表するジャズ・バイオリン奏者の寺井尚子。最新作『Very Cool』は、久し振りに「ジャジーな雰囲気」が嬉しいアルバムであった。

どうも『My Song』あたりから、ジャズ・アルバムというよりは、イージーリスニング寄りの耳当たりの良い、聴き心地の良いアルバムをリリースするようになったなあ、という印象があって、どうにもこれはなあ、という感じで、どうにも具合が良くなかった。

しかし、遡れば、この『Adagio(アダージョ)』(写真左)までは、しっかりと純ジャズ基調の「ジャジーな雰囲気」の内容で、今一度聴き直してみても、なかなか聴き応えがある。

今日、つらつらとこの『Adagio』を聴き直してみたんだが、ジャズ・バイオリンの音って、夏の雰囲気になかなか合う。といっても、部屋の外の夏の強い日差しを眺めながらのエアコンの効いた静かな部屋の中でのこと(笑)。決して、汗をダラダラ流しながら聴いて爽快な音では無い。

さて、この『Adagio(アダージョ)』は、冒頭の「Time To Say Goodbye」から、超絶技巧なクラシック・バイオリンの様に、テクニックを駆使して、バイオリンを弾き倒している。鬼気迫るアドリブ。あまりのテンションに、このアルバム・タイトルはちょっと違うんやないのか、とも思ってしまう。ちなみに、「Adagio(アダージョ)」の意味は「くつろぐ」という意味。

3曲目の「Premier Amour」から、落ち着いた雰囲気の、まさに「Adagio(アダージョ)」な雰囲気になる。それでも、寺井のバイオリンは超絶技巧なアドリブ展開を緩めない。ガンガン弾きまくる。う〜ん、これでは確かに、バイオリン・ジャズにムーディーな雰囲気を求める向きには合わんなあ。でも、僕にはこの純ジャズ貴重な雰囲気が良いんやなあ。
 

Naoko_terai_adagio

 
もともと、ジャズ・バイオリンのマイナー調の響きには、ラテン調、スパニッシュ調の調べがバッチリと合うんだが、この5曲目の「Sometime Ago - La Fiesta」には参った。僕の大のお気に入りピアニスト、チック・コリアの名曲である。これがまあ、バイオリンの調べがバッチリ合う。

結構、難度の曲なんだが、寺井尚子は超絶技巧なテクニックを駆使して、思いっきり弾き倒していく。特に「La Fiesta」の部分のアドリブ展開には惚れ惚れする。よくぞこの難曲をバイオリンで制圧した、天晴れである。チック者の僕にとっては、この『Adagio(アダージョ)』というアルバムは、この「Sometime Ago - La Fiesta」の名演だけで満足のアルバムである。

以降、「Clignancourt」「The Key Of The Heart」等々、ひとつ間違えば、甘い砂糖菓子の様なムード音楽に陥りそうな曲を、超絶技巧なジャズ・バイオリンで、テンション高く弾き倒していく。とにかく「爽快感抜群」である。

ちなみにパーソネルは、寺井尚子 (vln), 北島直樹 (p), 店網邦雄 (b), 中沢剛 (ds, per)。純日本のメンバーによるカルテット編成。このアルバムで、寺井尚子のジャズ・バイオリンの個性が定まったといっても良い。しかし、あまりにしっかりと純ジャズ基調の「ジャジーな雰囲気」の内容で、バイオリン・ジャズにムーディーな雰囲気を求めるニーズには応えられない。

あくまでこれは想像ではあるが、このアルバムを境に、「人気を上げ、アルバムの売り上げを向上する」という厄介なレコード会社の要請にも応えるべく、次のアルバムからは、イージーリスニング寄りの耳当たりの良い、聴き心地の良いアルバムを指向する様になる。

これもまた、プロのミュージシャンとして仕方の無いこと。決して批判されることでは無い。が、寺井のジャズ・バイオリンのジャズ性を評価する「聴く方」としては、どうにもこれはなあ、という感じで、どうにも具合が良くない時期が暫く続くことになる。

 
 

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2014年7月12日 (土曜日)

チャーラップのピアノの「個性」

1966年10月生まれなので、今年で48歳になる。48歳ともなれば、ジャズ界では中堅。つい最近まで、若手ピアニストの有望株だと思っていたのに、月日の経つのは早いものである。そのピアニストとは、ビル・チャーラップ(Bill Charlap)のこと。

ビル・チャーラップのピアノは一言で言うと「古いスタイルだが新しい」。チャーラップのピアノのベースは「ビ・バップ」。1940年代後半から50年代前半にかけての「ビ・バップ・ピアノ・トリオ」とは違う、緩急、濃淡、強弱を様々に織り交ぜた、複雑な、色彩豊かな「ビ・バップ・ピアノ」が特徴。いわゆる「温故知新」である。

加えて、リリカルで耽美的な演奏にその特徴がある。「リリカルで耽美的な」ジャズ・ピアノの表現は、エバンス派の専売特許だったが、このチャーラップの表現は、エバンス派のそれとは全く異なる。あくまで、「ビ・バップ」の表現方法の中での「リリカルで耽美的な」ジャズ・ピアノなのだ。

このチャーラップのピアノの特徴を実に良く捉えたアルバムがある。Bill Charlap『'S Wonderful』(写真左)。1998年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Charlap (p), Peter Washington (b), Kenny Washington (ds)。

とにかくとことん「リリカル」なアルバムである。しかし、リリカルと言えばビル・エバンス、エバンス派の代表的スタイルと言えば、チャーラップくらいの中堅ピアニストであれば「モーダル」なピアノがベースになるはずなんだが、チャーラップは違う。チャーラップの基本は「ビ・バップ」である。リリカルでバップなピアノ。それ以前のジャズでは聴いたことの無い響き。
 

S_wonderful

 
リズム&ビートを支える、ケニー・ワシントンのドラムやピーター・ワシントンのベースも、基本は「ビ・バップ」。しかし、昔の様に単純にリズム&ビートを支えることに徹するのでは無い、柔軟に緩急をつけつつ、硬軟自在、変幻自在にリズム&ビートを支え続ける。ビ・バップなジャジーなノリが凄く心地良い。

このアルバムのリリースは「ヴィーナス・レコード」からのリリース。日本人的なプロデュースと日本人好みな過剰なエコー、そして、エロティックなジャケット・デザインと、僕はあまり好きでは無いレーベルなんだが、このチャーラップの『S'wonderful』は、ちょっと違う。

選曲については、いかにも日本のジャズ者ベテランの方々が喜びそうな、知る人ぞ知る、ちょっとマニアックなスタンダード曲を選択しているところが鼻につくが、チャーラップの奏でるフレーズは新しい感覚。このチャーラップの「ビ・バップ」の表現方法の中での「リリカルで耽美的」なピアノが、このアルバムを凡百なハードバップ盤としてしまう危険性を回避している。

逆に言えば、このアルバムはビーナス・レコードだからこそ、リリース出来たとも言える。これだけ、知る人ぞ知る的な選曲、過剰なエコー、エロティックな女性のジャケ写、という内容であれば、米国のレーベルからは、まずリリースされることは無いと思う。

僕はこの『'S Wonderful』のチャーラップが好きだし、この路線でチャーラップは走るべきだと評価している。そう意味では、チャーラップは、自らの音楽の主戦場は米国よりは欧州にシフトすべきだろう。この『'S Wonderful』のチャーラップの音世界は、実に個性的で魅力的だ。

もっともっと、チャーラップのリーダー作を聴かなければ、そう思わせる優秀盤である。

 
 

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2014年7月11日 (金曜日)

日本女性ジャズ・ボーカルの有望盤

我が国のジャズ界では、この5年位、女性ボーカリストのブームである。雨後の竹の子の様に、毎月毎月、女性ボーカリストのデビュー盤がリリースされる。いわゆる「メジャー・デビュー」である。よくまあ、これだけの数の女性ボーカリストがいるもんだ、と感心する位である。

しかし、殆どが2枚目のリーダー作をリリースしないままに忘れ去られていく。デビュー盤がウケないのは、そのプロデュースに問題があることが殆どなんだが、実に勿体ないことである。最近はさすがに女性ボーカリストのデビュー盤のリリースの数も少なくなってきた。そろそろボーカリストの数に限界がきているのかも知れない。
 
そんな憂うべき我が国の女性ボーカル・シーンに、今年の5月、久し振りの有望盤が現れた。Mizuho『Romantic Gershwin』(写真左)である。女性ボーカリストは、北海道を中心に活動するヴォーカリストMizuhoこと箭原みずほ。以前、2008年、2010年、2012年と、3度に渡り世界的トランぺッター、タイガー大越をプロデューサーに迎え、ボストンでアルバムを制作、音楽専門紙で絶賛されている。

今回も、タイガー大越をプロデューサーに迎え、ゲストにヴァイブのゲイリー・バートン。バークリー音大あげての応援である。録音地もボストン。確かに、バックの演奏の響きは米国東海岸独特のもの。ちなみにパーソネルをまとめておくと、Mizuho (vo), Tiger Ohkoshi (tp), Tim Ray (p), Alain Caron (b), Mark Walker (ds)。  

タイトル通り、アメリカ・ポピュラー音楽の父、ジョージ・ガーシュインの代表曲を唄いまくる優秀盤である。収録曲は以下の通り。僕は、中学生の頃からガーシュインが大好きなのだが、いやいや、ガーシュインの「美味しいところ」がズラリと並んでいて、壮観である。ガーシュイン好きの僕としては、この収録曲の一覧を見るだけで、このアルバムは「買い」である。  
  

Mizuho_romantic_gershwin

 
1. Someone To Watch Over Me
2. ‘Swonderful
3. Rhapsody In Blue
4. I Got Rhythm
5. Summertime
6. Embraceable You
7. The Man I Love
8. But Not For Me
9. I Love You Porgy  
 
特に目を惹くのは、3曲目の「Rhapsody In Blue」と4曲目の「I Got Rhythm」。ボーカル盤としては、この2曲の選曲は異色。どうやって歌詞をつけて唄うんやろか、と思って興味津々、聴いてみて感心。スキャットを駆使して、歌詞も織り交ぜ、緩急をつけ、ダイナミックかつ繊細に唄い上げていく。この2曲の歌唱を聴くだけで、Mizuhoの歌唱の力量を推して知ることが出来る。  

タイガー大越のトランペット、ゲイリー・バートンのヴァイブも効果的、やはり、ボーカル盤は、プロデュースとアレンジが全てである。プロデュースとアレンジ次第で、ボーカリストが活きもするし死にもする。このアルバムについては、プロデュースとアレンジは大成功である。  

久々に実力派女性ボーカリストの優秀盤に出会えた気がする。ケイコ・リーの快進撃が一息ついている今、次世代の実力派女性ジャズ・ボーカリストの登場が待たれていた訳だが、やっとその有力候補が出てきた、そんな感じがする。とにかく、なかなかに内容のある本格派ボーカル盤である。  

特に「Rhapsody In Blue」が良い。この曲をボーカルでアレンジするなんて、今回初めて聴いた。目から鱗、耳から鱗である。やはり、ジャズ・ボーカルには、プロデュース&アレンジが大切なのを再認識した。改めて、昔ながらの大スタンダード曲を唄うことだけがジャズ・ボーカルでは無い、と思った。特に女性ジャズ・ボーカルについてはその意を強くした。  

 
 

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2014年7月10日 (木曜日)

『地底探検』発売40周年記念盤

1970年代前半から中盤にかけて、プログレッシブ・ロック(略してプログレ)の流行期、プログレのキーボード奏者は、EL&Pのキース・エマーソンとYESのリック・ウェイクマンの二人が人気を二分していた。つまりは「君はエマーソン派か、ウェイクマン派か」と言う訳だ。

体育会系武闘派キーボード奏者のエマーソンと、文化系浪漫派キーボード奏者のウェイクマンは、全くスタイルは異なるのだが、不思議なことに、共に自らの作なるクラシック系のインストルメンタル大作を録音し、アルバムとして残すのに執心した。

エマーソンは、EL&P『Works, Vol.1(ELP四部作)』で「ピアノ協奏曲第1番」を録音している。そして、ウェイクマンは、ロンドン交響楽団との共演で『Journey to the Centre of the Earth(地底探検)』を録音した。どちらの作品も、ロック系のミュージシャンが作曲し演奏する作品としては極めて特異な存在である。 どちらもクラシックのマナーに則った作曲を施し、演奏している。

僕は「ウェイクマン派」だったので、この『Journey to the Centre of the Earth(地底探検)』(写真右)には、特別な思い入れがある。1975年当時、僕が生まれて初めて外タレのコンサートに行ったのが、このウェイクマンの『地底探検』ツアーの日本公演だったのだ。確か、大阪厚生年金会館だったと記憶している(1975年1月20日だったと思う)。

さて、この『地底探検』であるが、もちろん当時LPでも購入したし、CDリイシュー盤も所有している。しかし、このバージョンって、LP2枚組のボリュームをLP1枚に縮退して収録した為、幾つかのパートをカットしたものとなっていた。確かに、曲と曲の間のつなぎがちょっとぎこちない部分が散見されて、LPを聴いた当初は、リックの作曲能力を疑ったりしたものだ(笑)。

しかし、1975年のワールド・ツアーの後、オーケストラのスコア譜を紛失。その後の長い間、『地底探検』のオーケストラとの再演とフルバージョンの演奏が困難になっていたが、2011年なって突然、行方不明になっていたスコアが見つかり、それにより、この『地底探検』のフルバージョンの再演が可能となった。
 

Journey_to_the_centre_of_the_earth

 
そして、今回、この『地底探検』の発売40周年を記念し、この『地底探検』のフルバージョンの再演レコーディングをリバッケージした、『地底探検』のエクスパンデット・ヴァージョン(写真左)が登場した。ロジャー・ディーンによるニュー・アートワークでリパッケージされたデジパック仕様のジャケットは、なかなかに味がある。

僕は、この『地底探検』のフルバージョンの再演レコーディングを聴くのは、今回が初めて。通して聴き終えた印象としては、1974年当時、LP2枚組のボリュームをLP1枚に縮退して収録したが故の、演奏全体のつなぎの悪さ、ぎこちなさが払拭されて、「オーケストラ+コーラス+プログレッシブ・ロック」という、クラシック基調のロック組曲として、完成度の高いものに改善されたなあ、と感じた。

途中で切った感じが全く無い、スムースな全体の演奏の流れに、この『地底探検』が持っていた組曲的ポテンシャルは高いものがあったんやなあ、と単純にウェイクマンの作曲能力に感心した。全体の展開はLP時代と同様なのだが、当然、録音技術と楽器も含めた演奏技術の進歩があるので、今回の再演レコーディングの方が音が良いし、演奏内容も良い。

しかし、このウェイクマンの『地底探検』って、1974年当時、全英1位を獲得した事実にもビックリしたが、今までに、全世界で1500万枚ものセールスを記録した、という事実にもビックリした。日本でもLP盤発売当時から「際もの」扱いされてきた感じの作品なんだが、欧米ではまた違った評価があるんですね。

まあ、ウェイクマン派の僕としては、意外とこの『地底探検』の音世界もお気に入りなんで、この欧米での評価には安堵しました(笑)。今年は、イエスのニューアルバムのリリースや、7インチ・サイズ紙ジャケット&SACDハイブリッド盤のリイシューも控えており、久々にイエス者の我々にとっては楽しみな一年になりそうです。

 
 

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2014年7月 8日 (火曜日)

日本編集盤『The Best of Focus』

アルバム毎に色々な思い出があるが、今を去ること40年ほど前、高校時代に聴いた70年代ロックのアルバムには、アルバム毎に強い思い入れ、印象的な思い出が重なっていて、振り返ってみるとなかなかに楽しい。

その時の高校のイベントの思い出と重なっていたり、その時の映画研究部の部室の風景と重なっていたり、そのアルバムを聴き込んでいた頃の季節の雰囲気と重なっていたり、クラブの合宿の思い出と重なっていたり、思い出すシチュエーションは様々だが、どれもが今となっては懐かしい思い出ばかりである。

加えて、その様々な思い出に重なるアルバムは、その収録曲、その曲順、そのアレンジ、そのミックスは、その時のアルバムと同じであることが絶対であって、「同じような」収録曲、曲順、アレンジ、ミックスでは駄目で、「同じ」収録曲、曲順、アレンジ、ミックスであることが必須である。

よって最近のCDのリイシューの折、オリジナルの収録曲、曲順の後に「ボーナス・トラック」がオマケで収録されてくるケースが増えてきたが、これが僕にとっては「大きなお世話」なのだ。ジャズであれば「別テイク」についてはそれなりの価値があるが、ロックの世界はジャズとは違う。アルバムに収録されたバージョンが絶対であり、収録され無かったバージョンは「没テイク」なのだ。

1970年代、オランダのプログレッシブ・ロックの代表的バンドに「フォーカス(Focus)」というバンドがあった。「フォーカス」の演奏するメロディーやアンサンブルには、クラシックの楽曲構成やロマンティシズム、ロックのダイナミズム、ジャズに代表される即興性など、さまざまなエッセンスがミックスされており、加えて、彼らの高い演奏技術と楽曲の独創性から、他のプログレ・バンドなどには見られない、唯一無二のオリジナリティーを誇る。

高校時代、僕はこのバンドのベスト盤をLPで所有していた。レコード屋でふとしたことから、このベスト盤を手にして、この「フォーカス」というバンドを知り、この「フォーカス」というバンドがお気に入りになった。そんな「フォーカス」のベスト盤なのだが、現在、市場で流通しているフォーカスのベスト盤は、僕が所有していたLPのベスト盤とは収録曲が異なる。僕が高校時代に所有していたベスト盤は日本のみの編集盤であり、CDでリイシューされたことが無い。

しかし、この夏の初めの季節になるとこの日本のみの編集盤である『The Best of Focus』(写真左)が無性に聴きたくなる。CDでリイシューされていないので、該当する収録曲を含むフォーカスのオリジナル・アルバムをiTunesにぶち込んで、プレイリストで忠実に、この日本のみの編集盤である『The Best of Focus』を再現して楽しむ事にしている。
 

Best_of_focus_jp

 
この日本のみの編集盤である『The Best of Focus』の収録曲は以下の通り。

1. Hocus Pocus
2. Focus
3. House Of The King
4. Moving Waves
5. Sylvia
6. Focus II
7. Love Remembered
8. Carnival Fugue
9. Focus III
10. Hocus Pocus Fast Version

 
4曲目の「Moving Waves」、7曲目「Love Remembered」、そして、8曲目の「Carnival Fugue」を収録しているところが、この日本のみの編集盤である『The Best of Focus』の憎いところである。この3曲は、フォーカスというプログレ・バンドの特徴を実に良く表していて、フォーカスを知る上では必須の楽曲である。現在、市場で流通しているフォーカスのベスト盤には、残念ながらこの3曲が収録されていない。

そして、僕にとっての「フォーカスのベスト盤」は、このポリドールからリリースされた日本編集盤の選曲、曲順でなければならないのだ。この曲、この曲順だからこそ、フォーカスを聴き込んだあの頃の気持ちに戻って、フォーカスを心から愛でることが出来、あの頃の思い出にドップリと浸ることが出来るのだ。

そうそう、あの頃の思い出とは、高校3年生の6月の頃のこと。「まんが日本昔ばなし」の実写版の映画を文化祭向けにクラスで制作する為、監督を請け負った僕は、受験勉強をかなぐり捨てて、ひたすらシナリオをチェックし書き直し、シナリオのイメージに従ってひたすら「絵コンテ」を書きまくっていた。

その映画監督としての、様々なクリエイティブな作業のバックで、この日本のみの編集盤である『The Best of Focus』がヘビロテで鳴り響いていたのだ。「まんが日本昔ばなし」の実写版の映画の成功は、この日本編集盤の『The Best of Focus』に負うところが大きい(笑)。

 
 

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2014年7月 7日 (月曜日)

ギター弾きまくる『Guitar Man』

このアルバムは、フュージョン・ジャズというジャンル言葉で括るのはどうかなあ、と思った。George Benson(ジョージ・ベンソン)は、フュージョン・ジャズの代表的ギタリストだからと、フュージョン・ジャズのアルバムとして括るのはどうかなあ、と思った。

そのアルバムとは、George Benson『Guitar Man』(写真左)。2011年10月のリリース。タイトル通り、久し振りにベンソンが、従来の本職のジャズ・ギターを弾きまくったアルバムである。パーソネルは、ほとんどのメンバーがベンソンの個人的お好みジャズメンで固められているみたい。さすがに、ドラムは Harvey Mason が、ピアノは Joe Sample が担当している。

しかし、このアルバムでの、聴きどころは、ジョージ・ベンソンのギター、その一点に絞られる。『Guitar Man』というタイトル通りの「聴きどころ」。これだけバリバリにギターを弾きまくるベンソンは久し振りだ。

で、そのベンソンのギターなんだが、これがやっぱり「凄い」。デビュー当時、ポスト・ウエスと期待され、そのテクニックと歌心は他の追従を許さない。その実力に、あの帝王マイルスが自らのバンドに招聘したくらいだ。あのフュージョン・ジャズの傑作『Breezin'』以前のアルバムに、その凄いギターを弾きまくるベンソンを体感することが出来る。

逆に『Breezin'』以降は、唄うギタリストとして唄の方が注目される「ソフト&メロウ」な、AORジャズの代表格として評価されることが多くなり、ポスト・ウエスな天才ギタリストの面影は希薄になっていった。1980年代から90年代って、ベンソンは唄いまくっているもんなあ(笑)。
 

Guitar_man

 
そんなベンソンの原点回帰的なアルバムである。とにかく、収録されたどの曲もベンソンのギターが輝いている。このアルバムでのベンソンのギターは、決して、フュージョン・ジャズのテイストでは無い。といって、ドップリとブルージーな純ジャズのテイストでも無い。ジャジーでライトでコンテンポラリーなジャズのテイスト。今風のメインストリーム・ジャズなテイストである。

だから、このアルバムは、ベンソンのリーダー作だからと言って、フュージョン・ジャズの括りでは語りたくない。といって、コッテコテ硬派で伝統的な純ジャズのジャズ・ギターかと言えば、絶対にそうでは無い。このアルバムでのベンソンのギターは、今の、現時点でのコンテンポラリーな純ジャズをベースにしたものなのだ。

選曲も気合いが入っている。ビートルズの「I Want to Hold Your Hand」、コルトレーンの名曲「Naima」あたりが出色の出来。スローバラード風にアレンジされ、芯の入った硬派なギターが素敵なフレーズを奏でる「I Want to Hold Your Hand」は、感動の一曲である。逆に「Naima」は凄く硬派な内容に思わず背筋が伸びる。これは絶対にフュージョンなギターでは無い。硬派な純ジャズ路線である。

ジャズ・スタンダード曲の素晴らしい出来。「My One and Only Love」から「Paper Moon」経由「Danny Boy」のスタンダード3連発には、もう「たまらない」。このジャズ・スタンダードの演奏を聴くと、改めて、ベンソンのギターの実力を再認識する。このベンソンのギターって、今のジャズ・シーンの中でも、一二を争う位に素晴らしいものなのではないのか、と改めてビックリした。 

よくよく聴いていると、このアルバムで、ベンソンはナイロン弦のギターの挑戦している。このアルバムをリリースした2011年でベンソンは68歳。70歳前にして、新しい世界に挑戦する意欲。素晴らしい心意気である。脱帽である。

 
 

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2014年7月 6日 (日曜日)

ここまでくるとジャズじゃ無い

ジャズは色々な音楽ジャンルの要素を取り込むことに柔軟なフォーマットで、歴史的に俯瞰してみても、その時代時代において、その時代のトレンドとなる音楽ジャンルや要素を上手く取り込んだり融合したりで、その時々の流行となるジャズのスタイルを生み出してきた。

ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、クロスオーバー・ジャズ、フュージョン・ジャズなどがその好例だし、今のジャズ・シーンを眺めて見ると、ハウスを取り込んだり、ヒップホップを取り込んだり、ユーロを取り込んだりで、ジャズは「融合の音楽」と呼んでも良いくらいの柔軟さである。

しかし、あまりにその柔軟度を高めていくと、今度は「これはジャズじゃ無い」という状態に陥ってしまう訳で、それはそれで仕方の無いことかな、なんて思ったりもしている。「これはジャズである」という最低限の決め手は、最終的にはジャジーなリズム&ビートにあると思っているが、このジャジーなリズム&ビートが欠落すると、どうも我々の様な「聴き手」からすると「これはジャズじゃ無い」といことになる。

ここに、Norah Jones『...Little Broken Hearts』(写真左)というアルバムがある。デビューアルバム『Come Away With Me』の大ヒットにより、一世を風靡したノラ・ジョーンズのスタジオ録音盤の第5作目である。

もともと、デビューアルバムは、ジャズの老舗ブルーノート・レーベルからのリリースであったという上に、アルバムの音世界は、今風のジャジーなリズム&ビートを上手く活かしたものだったので、当時は、上質でコンテンポラリーなジャズ・ボーカルとして受け入れられ、大ヒットした。つまりは、何か懐かしい小粋でブルージーな雰囲気が大いにウケたのである。

しかし、この5作目『...Little Broken Hearts』を聴くと、さすがにここまでくると、これは「ジャズじゃ無い」。ジャジーなリズム&ビートがほとんど感じられない。アレンジの一環として、ジャジーなリズム&ビートを採用している楽曲もあるが、アルバム全体の雰囲気を決定付けるほどの位置づけの楽曲でも無い。
 

Little_broken_hearts_2

 
前作の『The Fall』までは、カントリーやブルース、ソウル・ミュージックなどの米国ルーツ・ミュージックをそれとは判らぬように、今風の楽器を駆使しつつ秀逸なアレンジで取り込み、リズム&ビートの底にはしっかりとジャズのエッセンスが流れていて、コンテンポラリーなジャズ・ボーカル盤として解釈することが出来た訳だが、さすがに今回の作品には、前作までの特徴が全く無い。

さすがに、今回のノラの『...Little Broken Hearts』はジャズじゃ無い。老舗ブルーノート・レーベルからのリリースではありますが、決してジャズではありません。これはもう「オルタナ」でしょう。上質な「オルタナ」として聴けばしっくりくる音世界。くすんだエコーのかかったボーカルも納得の「オルタナ」です。

しかし、凄い方向転換というか、新しい音世界への飛翔というか、この思い切りの良さは何なんでしょう。ノラ・ジョーンズという才能の懐の深さと決断の大胆さを強く感じます。さすがと評価すべきでしょう。

とにかく、4作目までのノラ・ジョーンズの印象でこの5作目のアルバムを聴くと、必ず「混乱」します。もはや、これは今までのノラ・ジョーンズとは思わず、全く新しい新人の登場と思って、フラットに聴いた方が、このアルバムの音世界をすんなり理解出来ると思います。

しかし、ノラ・ジョーンズも困ったアルバムを出してくれるなあ(笑)。真に才能のある人は、凡人が理解出来ない転身を平気で実行してしまうから凄い。

恐らくこの5作目『...Little Broken Hearts』も、あと十年ほどして、ノラ・ジョーンズの過去を振り返ってみる時期が来た時に、正統な評価を得ることの出来るアルバムでは無いか、と思っています。

 
 

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2014年7月 4日 (金曜日)

これが初心者向け「モンク入門盤」

時には、ジャズ・レジェンドなピアノ・トリオが良い。ジャズ・レジェンドなアルバムは内容が濃く、聴く時代、聴く季節、聴く時間によって、様々な側面を聴かせてくれる。そんな様々な音の表情を聴かせてくれるのは、ジャズ・レジェンドなアルバムならではの懐の深さと奥行きの広さである。

このモンクの『Thelonious Monk Trio』(写真左)などがその好例だ。1952年と1954年の3つに分かれたセッションからの編集盤。ちなみにパーソネルは、Thelonious Monk (p), Art Blakey (ds), Max Roach (ds), Gerry Mapp (b), Percy Heath (b)。冒頭の「Blue Monk」と、5〜8曲目「Little Rootie Tootie」「Sweet And Lovely」「Bye-Ya」「Monk's Dream」がブレイキーとのセッション。

モンクは1917年10月だから、このアルバムが録音された1952年で35歳、1954年で37歳だから、ピアニストとして、体力気力ともにバランスが取れて、一番、ピアノ・プレイの覇気が素晴らしい時期の録音になる。確かに、このアルバムのモンクは絶好調。タッチも深く鋭く、間を活かした響き、不協和音な響きが全くもって「異常」なのだ。

力強いタッチで絶好調に弾きまくっているので、間を活かした、幾何学模様の様な不思議な響きとタッチがとてもよく判る。個性的な不協和音もこのアルバムでは控えめ。セロニアス・モンク入門盤として格好のアルバムである。 
 

Thelonious_monk_trio

 
加えて、このアルバムの収録曲が良い。というか、今の耳をもって振り返ると、モンクのピアノがとことん堪能できる、モンクの有名曲ばかりがズラリと並んでいるのだ。これは全くのお徳用盤である(笑)。ちなみにその収録曲は以下の通り。

  1. Blue Monk
  2. Just A Gigolo
  3. Bemsha Swing
  4. Reflections
  5. Little Rootie Tootie
  6. Sweet And Lovely
  7. Bye-Ya
  8. Monk's Dream
  9. Trinkle Tinkle
10. These Foolish Things

今から振り返ると、収録曲のほとんどがモンク作曲の「モンクズ・スタンダード」。このモンクズ・スタンダードを、モンク自身がモンクの個性全開な、間を活かした不思議な響きとタッチで、ポジティブにガンガン弾きまくっている。モンクはこの頃30歳台後半。一番、ガンガンに弾きこなせる頃。モンクは、モンクの個性的な曲を、モンクの個性的なタッチで弾き進めるのだ。

この『Thelonious Monk Trio』は、モンクのモンクによるモンクの為のアルバムである。モンクはポジティブに、モンクの個性を思いっきり振りまいて、モンクの曲を弾き続ける。ジャズ・レジェントとしてのセロニアス・モンクを堪能するのにピッタリのトリオ盤である。モンクの判り易さ、という点でも、このアルバムはジャズ者初心者にこそ、お勧めです。

 
 

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2014年7月 3日 (木曜日)

日本の多国籍フュージョン・ロック

昨日は、本格的な夏の暑さが来る前の、夏の初めのこの季節にフィットする日本の歌謡ポップスをご紹介した。今日は、その続編で、本格的な夏の暑さが来る前の、夏の初めのこの季節にフィットする日本ロックのアルバムをご紹介したい。

久保田麻琴と夕焼け楽団というロック・バンドがあった。京都出身の久保田麻琴が1972年に、この夕焼け楽団を結成。デビュー作『サンセット・ギャング』(2013年8月10日のブログ参照・左をクリック)。このデビュー盤は、「レイドバック」という形容がぴったりの、アルバム全体の「のんびりと寛いだ」ユッタリとしたロックな演奏が実に魅力的でした。

そして、その『サンセット・ギャング』の次のセカンドアルバムである、久保田麻琴と夕焼け楽団の『ハワイ・チャンプルー』(写真)こそが、本格的な夏の暑さが来る前の、夏の初めのこの季節にばっちりフィットする日本ロックのアルバムである。1975年のリリース。僕がこのアルバムに出会ったのは1976年の初夏の頃。
 
スチールギターをベースとしたフラ・ダンスな雰囲気の、ちょっとハードなハワイアン・ミュージックから、三線の音も麗しい沖縄の民俗音楽から、上海辺りの中国の沿岸の民俗音楽まで、ちょうど東シナ海からハワイ諸島、そして米国西海岸を範疇とした、今の音楽ジャンル言葉で言う「エスノ・ロック」なアルバムである。

アルバム全曲、とても趣味の良いアレンジとフレーズが満載で、それもそのはず、リーダーの久保田麻琴と、後にYMOを結成して一世を風靡するあの細野晴臣の共同プロデュースなのだ。このアルバム、細野晴臣の『トロピカル・ダンディ』と同じ年にリリースされており、そういう意味で、当時の「エスノ・ロック」のトレンドに乗った、当時としてとてもお洒落なアルバムなのである。
 

Hawaian_tyanpuru

 
そして、いつも聴く度に感心するんだが、久保田麻琴と夕焼け楽団の演奏力が相当に高い。1975年のリリースになるんだが、1975年の日本のロック・シーンの中で、ここまで高度な演奏を平然と繰り広げるバンドは片手ほどにしか無かったと記憶する。

1976年の初夏の頃、このアルバムを初めて聴いた時、この演奏力にビックリしたし、日本人のみのバンドが演奏していることに、少し誇らしい気持ちを持ったことを覚えている。懐かしいなあ。

収録されたいずれの曲も大変出来が良い。特にこの季節にピッタリなので、タイトルもそのまんまな「初夏の香り」。ユルユルの南国の陽光が眩しい、スチールギターの芳しい響き。思いっきりレイドバックなゆるゆるのハワイアン・ロック。むっちゃダンディでみっちゃお洒落です。

ちなみに、喜納昌吉&チャンプルーズで有名な『ハイサイおじさん』のカバーが入っていて、これがまあ、端正な西海岸ロック調なアレンジで、むっちゃ格好良いんですわ。これを聴くと、常に踊り出したくなります。昔、本業の出張で訪れた折の、国際通りの夜を思い出します(笑)。 

当時としては珍しい、ハワイのレコーディング・スタジオ、サウンズ・オブ・ハワイでの録音。チャンプルーは融合という意。フュージョンも融合という意。ハワイアンと沖縄民謡と中国音楽と米国西海岸ロックとが「ちゃんぷるー」した、多国籍フュージョン・ロック・ミュージックである。

 
 

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2014年7月 2日 (水曜日)

いしだあゆみ & Tin Pan Alley

本格的に夏の暑さが来る前の夏の初めのこの季節に、このアルバムはなかなかにフィットする。ジャズでは無い、ロックでも無い。日本の歌謡ポップスである。しかし、普通の歌謡ポップスでは無い。

なんとバックバンドが、ティン・パン・アレイ。ティン・パン・アレイ(以降ティンパンと略す)とは、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆(後に佐藤博が参加)からなる音楽ユニット(当初は「キャラメル・ママ」)。

この日本のソフトロックの伝説バンド、ティンパンをバックに、なんと、1960年代後半から1970年代前半、一世を風靡した歌謡界の歌姫である「いしだあゆみ」がメイン・ボーカルを担当しているのだ。

そのアルバムとは、いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー『アワー・コネクション』(写真左)。1977年のリリース。このアルバムの内容が凄くて、まず、全曲を本作のプロデューサーである橋本淳が作詞、そして、作曲は細野晴臣と荻田光雄。この作曲担当の二人の名前を見ただけで「凄い」。

演奏はティンパン。しかし、参加したのは細野晴臣、鈴木茂、林立夫のみ。松任谷正隆は不参加なので、代わりにキーボードは矢野顕子、羽田健太郎、岡田徹、佐藤博が分担して担当(うへ〜)。コーラスには山下達郎と吉田美奈子と、このバックバンドの面子を見ただけで「凄い凄い」。

で、改めてパーソネルをまとめると、いしだあゆみ (vo), 細野晴臣 (b,g), 鈴木茂 (g), 林立夫 (ds), 矢野顕子 (key), 岡田徹 (key), 佐藤博 (key), 羽田健太郎 (key), ake H.Concepcion (horn), 浜口茂外也 (per), 吉川忠英 (g), 吉田美奈子, 山下達郎 (chorus)。1970年代後半、ニューミュージックの始めの時代、錚々たるメンバー。
 

Ayumi_ishida_our_connection

 
いしだあゆみがボーカルを担当しているので、ボーカルから感じる音のテイストは、あくまで「歌謡ポップス」。1970年代を席巻した歌謡ポップスのテイストそのものである。

バックのティンパンは、いしだあゆみに迎合することなく、徹頭徹尾、ソフトロックをガンガンやっているのだが、そこはさすが「いしだあゆみ」。バックの疾走するソフトロック集団に感化されることなく、自らの歌謡ポップスのボーカルを貫き通していて立派。

といって、思いっきり歌謡曲している訳では無く、今の耳で聴き、表現すると、上質の「ラウンジ・ミュージック」という表現が一番しっくりくるのではないだろうか。僕はこの解釈に賛同する。
 
比較的ゆったりとした曲調の心地良い音。そう、ボサノバの雰囲気に通じる、良い意味での「ゆるさ」がこの 『アワー・コネクション』というアルバムに蔓延している。

いしだあゆみのボーカルは、アストラッド・ジルベルトのボサノバ・ボーカルの様な、アンニュイで漂う様な、それでいてしっかりと丸く芯の入った、語りかける様な優しいボーカル。冒頭の「私自身」などは、のっけからいきなりアンニュイな「ポエトリー・リーディング」で始まります。

バックのティンパンは今の耳にも十分に耐える密度の高いソフト・ロックなバッキングを繰り広げており、いしだあゆみのボーカルと相まった、元祖Jポップな音世界が凄く魅力的。今の耳で聴いても、ほとんど古さを感じさせない、上質のラウンジ・ミュージック。

アンニュイで漂う様な、それでいてしっかりと丸く芯の入った、このアルバムの音世界は、本格的に夏の暑さが来る前の夏の初めのこの季節に合う。ライトなボサノバ・ボーカルを聴くような雰囲気が、良い意味で「緩くて」とても心地良いのだ。

 
 

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2014年7月 1日 (火曜日)

続「追悼、ホレス・シルバー」

去る2014年6月18日、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニスト、ジャズ・レジェンドの一人、ホレス・シルバーが逝去した。ジャズを聴き始めて今年で37年目。ジャズ者初心者の時代から、ホレスのピアノを聴き親しんで来た自分にとっては、とても悲しい出来事であった。

そこで、最近は、何かにつけ「追悼、ホレス・シルバー」として、ホレス・シルバーゆかりのアルバムを物色しては聴いている。今日は、Dee Dee Bridgewater『Love And Peace: A Tribute To Horace Silver』(写真左)。僕の大好きな女性ジャズ・ボーカリスト、ディー・ディー・ブリッジウォーター(略してディーディー)のホレス・シルバー・トリビュートなアルバムである。

1994年12月の録音。1995年9月のリリース。バック・ミュージシャンは知らない顔ばかり。それでも極上のファンキー・ジャズ・ボーカルが展開されている。「Nica's Dream」と「Song for My Father」の2曲で、ホレス・シルバー御大自身がピアノを弾いて居る。加えて「Filthy McNasty」と「The Jody Grind」では、ジャズ・レジェンド、オルガンのジミー・スミスが参加している。

ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)は、1950年5月生まれ。今年で64歳、このホレス・トリビュートのアルバムを録音した時は44歳。ジャズ・ボーカリストとして成熟し始めた、一番、良い時期の録音になる。テネシー州メンフィス出身。土地柄から、随分若い頃から、ジャズを歌い始めていたらしい。ボーカリストとしてのキャリアのスタートは1972年。
 

Deedee_love_and_peace

 
僕は、このディーディーのボーカルがお気に入り。ジャズ者初心者の頃、1979年頃からずっとお気に入り。歌って踊れる女性ジャズ・ボーカリストとしての彼女が大のお気に入りだった。が、当時、ジャズ者の先輩からは「際物」呼ばわりされて憤慨したのを覚えている。そう言えば、女性ジャズ・ボーカリストって、立ちつくして歌うのが標準のスタイルだったなあ。つまり、歌って踊るなんて、以ての外だったらしい(笑)。

でも、僕はディーディーのボーカルが好き。ファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルに、ダンサフルなリズム&ビート。ディーディーのボーカルは、1970年代の若かりし頃より、エネルギッシュでファンキーだった。正統派の純ジャズなボーカルというよりは、フュージョンでコンテンポラリーなジャズ・ボーカルの類である。

そんなディーディーが歌いまくる、ホレス・シルバー・トリビュートな曲曲曲。ディーディーのファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルが、ホレスのファンクネス溢れる楽曲にピッタリ。むっちゃ雰囲気の良いボーカルがてんこ盛りです。

ホレスの手なる曲は、どれもがノリが良くて、ファンキー。ディーディーのボーカルはダイナミックでパワフル。ホレスの曲のファンクネスとディーディーのパワフルな歌唱との相性がとても良く、ディーディー自身、思いっきりノリノリのボーカルを全編に渡って聴かせてくれます。

全13曲、あっと言う間に聴き終えてしまいます。これぞ、現代の、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルと言えましょう。ホレスの楽曲に歌詞を付けて唄ったボーカル・アルバムとしては白眉の出来です。「追悼、ホレス・シルバー」として格好のアルバムですね。良いアルバムです。

 
 

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