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2014年6月15日 (日曜日)

単純に良いジョシュアのライブ盤

最近のジャズは整い過ぎているのではないか、と感じることがある。耳当たりの良さを追求するあまり、手厚いアレンジと高いテクニックを基に、とても整った演奏を展開する。つまりは、ジャズを様々なシーンでのBGMとして活用する目的があってのこと。これでは、即興を旨としたジャズの本質が失われてしまう。

しかし、最近のジャズ(ここでは1990年以降を指している)の中からこういうライブ盤を見つけて聴くと、どうしてどうして最近のジャズも良いよなあ、って単純に思ってしまうのだ。Joshua Redman『Spirit of the Moment - Live at the Village Vanguard』(写真左)。

このジョシュアのライブ盤は、1995年3月21〜26日、ニューヨークのライブ・ハウス、ビレッジ・バンガードでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts,ss), Peter Martin (p), Christopher Thomas (b), Brian Blade (ds)。当時、若手メインストリーム・ジャズメンの精鋭ばかりである。

このライブ盤の基本はメインストリーム・ジャズである。ジャズ者にとっては、とにかく理屈抜きで良い雰囲気である。破綻の無い、ハイテクニックな演奏が整い過ぎていて面白く無いという向きもあるが、これが今時のメインストリームなジャズなのである。現代の若手ジャズメンは、皆、ハイテクニックで破綻が無い。優等生的なジャズメンばかりなのである。

そこが面白く無い、なんていう変な評価もあるが、冒頭の「Jig-a-Jug」の演奏を聴くと、現代のメインストリーム・ジャズって、洗練されていて、アレンジも凝っていて、聴き応え十分やなあ、なんて思う。良い雰囲気の純ジャズな演奏なのだ。アレンジとアドリブのアプローチが新しい感覚で、こういう演奏を聴くと、まだまだジャズは死んでいない、と単純に思うのだ。
 

Spirit_of_the_moment

 
2曲目の有名スタンダード曲「My One and Only Love」などを聴くと、ジョシュアの解釈の新しさが良く判る。バックのリズム・セクションの演奏もその響きは新しい。決して、過去の演奏に囚われてはいない、若手ジャズメンの意気込みと矜持を十分に感じる、とても頼もしい演奏だ。

ピアノのピーター・マーチンのバッキングが洒落ていて、聴きどころ満載なのも良い。エンタテインメント性も併せ持ち、ジョシュアの捻くれたアレンジにも難なく対応するテクニックの高さには、ほとほと感心する。このマーチンのピアノとジョシュアのサックスの相性は抜群です。

そして、ブライアン・ブレイドのドラムが全編に渡って効いている。ダイナミックかつ繊細。メリハリがばっちり効いていて、スイング感抜群。昔のハードバップ時代の様な、粘りのあるスイング感では無い、乾いた縦ノリのスイング感。現代のジャズのスイング感である。

そして、クリストファー・トーマスのベースが堅実で良い。ジョシュアのワンホーン・カルテット演奏の底をしっかり支えて、カルテット演奏のリズム&ビートをガッチリと押さえています。このトーマスのベースの支えがあってこそ、新しい感覚のアレンジとアドリブのアプローチが成立する訳で、トーマスのベースは絶対に外せません。

CD2枚組とかなりボリューミーなので、一気に聴き通すにはちょっと体力が必要です。CD一枚一枚を分けて聴くのもオツなものです。どの曲の演奏も長尺ものが多いですが、十分に楽しめます。単純に良いライブ盤です。

 
 

大震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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