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2014年6月10日 (火曜日)

ビ・バップの祖、アルトの祖

30年以上もジャズを聴いていると、ジャズの伝説の巨人、レジェンドと呼ばれるジャズメンのアルバムは、なかなか聴かなくなる。特に、ビ・バップ時代からの超一流のジャズメン、例えば、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、バド・パウエル、チャールズ・ミンガスなどは疎遠になる。

しかし、このビ・バップ時代からの超一流のジャズメンの演奏については、後のジャズの様々なスタイルの基本となるものなので、避けては通れない。僕は意識的に、定期的に聴き直すことにしている。特に、ビ・バップのジャズは意識しないと、なかなか触手が伸びない。

最近、チャーリー・パーカーのアルバムを聴き直している。チャーリー・パーカーといえば、ビ・バップの祖の一人。アルト・サックスの演奏スタイルについては、パーカーが起源であり礎である。ジャズのサックスの演奏スタイルを聴き進めていく上で、やはり、パーカーのアルトは、その「基準」として外せない。

パーカーのアルト演奏といえば、ダイアル・セッション、サボイ・セッションの数々のアルバムを聴け、というのがジャズ本の定番ではあるが、僕はこれらを勧めることは無い。即興の音楽としてのジャズをメインとして、複数のテイクの同曲の演奏が沢山並び、アルバムによっては失敗テイクまでが収録される。これでは、どれが良くてどれが良くないのか、判らなくなってくる。

パーカーのアルバムについては、ジャズを鑑賞するという目的をメインにすると、パーカーの演奏活動の晩年、1951年からの大手ジャズ・レーベルのヴァーヴからリリースされた諸作が良い。パーカーの演奏としては、ちょっとだけピークを過ぎた下り坂にさしかかった感じなのだが、演奏の「味」と「歌心」については、この活動晩年の演奏が僕は好きだ。

思えば、ジャズを聴き始めて2年目の頃、背伸びをして、パーカーのダイヤル・セッションのアルバムを入手。繰り返し聴いたが、何が良いのか判らず、最後の頃は、ほとんど「修行」の様な状態で、ダイヤル・セッションを聴いていた(笑)。そこに、これはどう、と秘密の喫茶店でかけてもらったアルバムが『The Genius Of Charlie Parker #3 - Now's The Time』(写真左)。

最近のCDは収録時間が長いので、同じ曲の別テイクを複数収録していて、例えば「Cosmic Rays」と「Kim」は2テイクずつ、「Chi-Chi」については4種類のテイクを収録している。これは「ありがた迷惑」だと僕は思っている。「Chi-Chi」の4つの別テイクを連続して聴いたら、誰でも基本的に飽きる。即興演奏とはいえ、違いは僅かなものなのだ。
 

Nows_the_time

 
僕は、iTunesに音源をコピーして、本テイクだけをピックアップして聴いている。これがなかなかシンプルでいける。聴いていて楽しい。

1. The Song Is You
2. Laird Baird
3. Kim
4. Cosmic Rays
5. Chi-Chi
6. I Remember You
7. Now's The Time
8. Confirmation

 
1〜4までが1952年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Parker (as), Hank Jones (p), Teddie Kotick (b), Max Roach (ds)。 5〜8が1953年8月の録音。パーソネルは、Charlie Parker (as), Al Haig (p), Percy Heath (b), Max Roach (ds)。結構、凄いメンバーで固められている。

カルテットの演奏ではあるが、ビ・バップの演奏の主役はフロント楽器のみ。このアルバムでは、パーカーのアルトだけが主役。パーカーのアルトだけが前面に押し出てくる。ピアノを始めとするリズム・セクションは、あくまでパーカーの引き立て役。リズム・セクションが前面に押し出てくることは無い。

で、パーカーのアルトはというと、これが本当に素晴らしい。音の輝き、演奏のテクニック、即興の閃き、流れる様なインプロビゼーション。やはりパーカーはジャズ・アルトの天才であり、今でも、ジャズ・アルトの起源であり礎である。そんな天才に相応しい、ジャズ・アルトのお手本の様なアドリブ・ラインが、湧き出るが如く出てくる出てくる。

目眩くジャズ・レジェンドのアルトの演奏。唯一無二な、その演奏の「味」と「歌心」はパーカーにしか奏でられないものだ。そんな晩年のパーカーを愛でることの出来る、名演満載のアルバムが、この『Now's The Time』。ジャズ・アルトの温故知新に格好のアルバムである。

 
 

大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

松和のマスター 様 こんにちは

 例に上がっているレジェンドのうち、一番聴く機会が少ないのが取り上げられているチャーリー・パーカーでした。基本だから押さえておくか、と『Now's The Time』を含む3枚のアルバムを聴いてみたものの、一通りお勉強したらその後聴いていませんでした。聴いたらいいんだろう、と思いつつも、何となく疎遠になりますね。自分は10年くらいしかジャズを聴いていないのですが。これを機に、自分の持っているヤツもテイク違いでたくさん入っているのですが、おっしゃるとおり適度に抜き出して聴いてみます。

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