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2014年6月18日 (水曜日)

ビ・バップのコンサートの記録

ジャズ者初心者の頃に聴いたアルバムの中で、何回聴いても、全く理解出来ない、全く馴染まないアルバムが幾枚かあった。特に、困るのは、ジャズ入門本に推薦盤として堂々と載っているアルバムで、この何回聴いても良さが判らない、という状態。

ジャズ者初心者の頃は、まず、ジャズ入門本の評論の内容については全く疑うことは無い。ジャズ入門本の評論は絶対である。自分の耳が悪いのではないか、感性が悪いのではないか、果ては、ジャズは自分に向いていないのではないか、まで思ってしまう(笑)。

そんな、ジャズ者初心者の頃、何回聴いても、全く理解出来なかったアルバムの一枚が、『The Quintet : Jazz At Massey Hall』(写真左)。1953年5月15日、カナダのトロントにあるマッセイ・ホールで行われたコンサートのライブ音源である。ちなみにパーソナルは、Charlie Parker (as), Dizzy Gillespie (tp), Bud Powell (p), Max Roach (ds), Charles Mingus (b)。

いやはや、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちがズラリ。ジャズにとって、1953年と言えば微妙な年。1940年代後半からジャズのトレンドとなった「ビ・バップ」という演奏スタイルから、鑑賞芸術のスタイル「ハード・バップ」という演奏スタイルへの過渡期。ちなみに、このライブ盤の演奏は「ビ・バップ」の演奏スタイルである。

ジャズ入門本では、このライブ盤は「ビ・バップ」を語る上で必須のアルバムとされ、当時のライブ会場での条件・環境は最悪だったとは言え、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏はそれぞれ優秀なものとされ、このライブ盤はジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介されていた。

で、ジャズ者初心者ほやほや、ジャズを聴き始めて2年目で、この『Jazz At Massey Hall』を購入した。そして聴いた。そして、さっぱり理解出来なかった。思いっきり自信を無くした(笑)。懐かしい思い出である。

当時、所有していたステレオ装置の粗末も手伝って、ただただ喧しいだけのジャズと感じた。特に、ディジー・ガレスピーのトラペットが五月蠅い。ハイノート、ハイトーンが大の得意でテクニック抜群なのは判るが、これだけ頻繁に長くハイノート、ハイトーンなブログを繰り広げられたら、聴く側からすると思いっきり「耳に付く」。そして疲れる。
 

Jazz_at_massey_hall_2

 
録音のバランスも良くない。バド・パウエルのピアノとチャールズ・ミンガスのベースの録音レベルが低い。はっきり言って聴き取り難い。ガレスピーのトランペットの録音レベルが異様に高い。五月蠅い。マックス・ローチのドラムの音はナロウ。ライブ感に欠ける。パーカーのアルトだけがまずまずの録音レベル。このバランスはいただけない。

肝心のビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルはと言えば、全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベル。当時のライブ会場での条件・環境が最悪だったこともあって、ビ・バップ演奏の肝であるテンションは高く無い。ビ・バップのジャム・セッション特有の「鬼気迫る」テンションの高い、疾走感抜群のアドリブ展開は無い。

まあ、このライブ盤は、錚々たるメンバー、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として価値があるということ。今になって思うのは、確かに、この5人が一堂に会して演奏するなんてことは、他のセッションやコンサートでは無い。確かに記録としては貴重だ。

今の耳で聴いても、ガレスピーのトランペットは五月蠅い(笑)。ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちの演奏レベルは全員が「まずまず」。可も無く不可も無く、という演奏レベルは変わらない。録音のバランスも悪い。やっぱり、このライブ盤を、ジャズ者のアルバム・コレクションとしては必要不可欠なアルバムとして紹介するのには無理がある、というか無責任だ。

ただ、ジャズ者中堅のレベルになってきたら、ビ・バップの仕掛け人、ビ・バップの巨人たちが一堂に会した「一期一会」なライブ・コンサートの貴重な記録として、一度は聴いてみて欲しいライブ盤ではあります。当時のビ・バップのライブの雰囲気が味わえるところポイント。

ただ、ビ・バップというジャズ演奏のスタイルを感じるアルバムとしては、他にもっと聴き易く、内容のあるアルバムは沢山あります。この『Jazz At Massey Hall』は、単にビ・バップ時代の貴重なコンサートの記録、ジャズ・レジェンドとして留めておくのが良いでしょう。

 
 

大震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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