楽しく聴けるMJQのライブ盤
今日は「MJQ」と言っても、Manhattan Jazz Quintet の「MJQ」では無く、伝説のカルテット、Modern Jazz Quartetの「MJQ」のアルバムのお話しを。
Modern Jazz Quartet(以降MJQと略す)は、底にジャジー&ブルージーな雰囲気をしっかりと漂わせつつ、お洒落で流麗な、クラシックの室内楽的な響きと展開が個性の伝説のカルテットである。
リズム・セクションであるピアノ・トリオにヴァイブが加わる変則カルテット。ちなみにパーソナルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。1952年に結成以来の鉄壁のメンバーである。
MJQについては、僕がジャズを聴き始めた頃、1978年は解散状態だった。そう、MJQは1974年に一旦解散している。その解散コンサートの様子は『The Complete Last Concert』としてリリースされている。当時、MJQの解散は、ジャズ者にとって、かなりショッキングな出来事だったそうで、このライブ音源を聴くと、聴衆の悲しみがひしひしと伝わって来る。
しかし、何が起こるか判らないのが人生である。この解散したMJQが、1981年に突如として再結成される。メンバーは全く一緒。当時、ジャズを聴き始めて4年目のジャズ者初心者だった僕は狂喜乱舞であった。
そう、僕はMJQのアルバム『Django』を耳にして以来、MJQが大のお気に入り。その大のお気に入りのMJQが突如、再結成されたのだ。いやいや本当に驚いた。
その再結成時のライブ音源が『Reunion at Budokan 1981』(写真左)としてアルバム化されている。 1981年10月19 & 20日、日本武道館での録音である。これがまあ、感動の名演なのだ。
それもそのはず、演奏する側も演奏を聴く側も、双方、再結成の喜びが満ち溢れている。特に、演奏を聴く側の盛り上がりは尋常では無い。1曲1曲、演奏が終わる度に万雷の拍手拍手。演奏中は物音一つ立てない、水を打ったような静けさ。当時の聴衆の、MJQを目の前で見て音を聴く喜びがこのライブ盤からビンビンに伝わって来る。
演奏する側も素晴らしい演奏で応える。曲が進むにつれ、熱気を帯びてくる。お洒落で流麗な、クラシックの室内楽的な響きと展開が個性の伝説のカルテットMJQが、熱気溢れる演奏を繰り広げる。ジャジーでファンキーなMJQの演奏。やはり、MJQのベースは純ジャズである。
MJQは、節目節目で、3種類のライブ盤をリリースしている。まずはメジャーな存在となり、ヨーロッパへツアーに出た時のライブ音源の『European Concert』。そして、先にご紹介した1974年解散時の『The Complete Last Concert』。そして、再結成時の『Reunion at Budokan 1981』。
僕はこの『Reunion at Budokan 1981』が一番楽しく聴ける。再結成時の喜びが満ちあふれ、明るい雰囲気が心地良い。結成以来、29年が経った時点の円熟の極み。テクニック優秀、歌心満載。素晴らしい聴衆に恵まれ、覇気溢れる名演の数々。音楽家集団として一番充実した時期の、安心感、安定感抜群のライブ音源なのだ。
★大震災から3年3ヶ月。決して忘れない。まだ3年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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