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2014年6月 6日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・51

梅雨である。入梅したばっかりではあるが、今年の梅雨は男性型っぽい。とにかく雨が降る。結構強い雨。霧雨の如く「そぼ降る雨」という風情では無い。

やはり、梅雨の雨は、霧雨の如く「そぼ降る雨」が良い。白くうっすらと霧がたなびいて、そこに音も無く「そぼ降る雨」。その風景は水墨画の様な雰囲気で、なんか風情があって良いですね。

そんな霧雨の如く「そぼ降る雨」の昼下がり、ほとんどお客のいない時間帯のジャズ喫茶。そんな時間帯に、こんな小粋で渋いアルバムがかかっていたら、そのジャズ喫茶って、きっと隅に置けない、お洒落なジャズ喫茶に違いない。

その小粋で渋いアルバムとは、Zoot Sims & Al Cohn『Jazz Alive! A Night at the Half Note』(写真)。1959年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Al Cohn, Zoot Sims (ts), Phil Woods (as), Mose Allison (p), Nabil Totah (b), Paul Motian (ds)。ニューヨークのライブハウス、ハーフノートでのライブ録音。

アルとズートの白人テナーコンビに、後半2曲にアルトのウッズが絡むという素敵なフロント。バックのリズム・セクションは、ちょっと非力。でも、ドラムのモチアンが一手にリズム&ビートを引き受ける。ピアノのアリソンとベースのトーターはちょっと引っ込み思案。ほとんど目立たない。それだけ、モチアンのドラミングの実力の高さが推し量れる。

収録された曲は4曲。いずれの曲も出来は良好。まとまりという点では、レギュラー・グループで演奏される、冒頭の「Lover Come Back To Me」から「It Had To Be You」が良い。アルとズートのコンビの絡みと掛け合いには思わず聴き惚れてしまう。流麗にしてダイナミック。スタンダード曲を朗々と吹き上げていく。
 

A_night_at_the_halfnote

 
大向こうを張って、テナーを大音量で吹きまくる訳では無い。テクニックを駆使して、モーダルにフリーキーに縦横無尽に吹きまくる訳では無い。アルとズート、どちらのテナー奏者も、ジャズ・テナー奏者として「ジャズ・ジャイアント」と呼ばれる、超一流のテナー奏者では無い。

それでも、このライブ盤でのテナーはとても素敵だ。アルとズートのテナーが唄うが如く、舞うが如く、流麗にダイナミックに吹き進む。それは聴いていて、とても心地良く、爽快感抜群のテナー。聴いていて「ああ、これがハードバップ・ジャズなんやなあ」と心からリラックスして聴き耳を立てる。

後半の2曲、ウッズのアルトが参入した「Wee Dot」「After You've Gone」も内容は良い。明朗なウッズのアルトが入って、ちょっと賑やかになった分、そこはかと無い「侘び寂び」の雰囲気がちょっと後退するが、逆に、明快なハードバップって感じの明るい演奏になって、これはこれで聴いていて楽しい。

そんな霧雨の如く「そぼ降る雨」の昼下がり、ほとんどお客のいない時間帯のジャズ喫茶。そんな時間帯に、こんな小粋で渋いアルバムがかかっていたら、そのジャズ喫茶って、きっと隅に置けない、お洒落なジャズ喫茶に違いない。

ジャケット・デザインも、明快にジャズって感じの落ち着いたお洒落なもの。ロゴタイプがさりげなく格好良い。これはこれでまた良い。音良し、内容良し、ジャケット良し。揃いも揃った3拍子。ジャズの歴史を彩る名盤の類では無いが、ハードバップの佳作として、長年愛聴できる小粋で渋い一枚。良いライブ盤です。

 
 

大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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