« ブルーベックの「米国の印象」 | トップページ | 懐かしの『かもめのジョナサン』 »

2014年5月30日 (金曜日)

ヴィダルのカバーに耳を傾ける

iTunes Storeで大人気のジャズ・ボーカリスト、Nina Vidal(ニーナ・ヴィダル)のカバー・コンピレーション。なかなか良いところを突いた企画ものである。

ニーナ・ヴィダルは、NY在住の黒人女性シンガー。テクニックに走らず、自然で伸びの良いボーカルは聴いていて気持ちが良い。変にテクニックに走らないので、すんなりとリラックスして聴ける。フェイクやスキャットなどなくても、すんなりと伸びの良いボーカルがあれば、それだけで良い、という気持ちにさせてくれる。

そんなヴィダルが今回リリースしたカバー集、Nina Vidal『Covers』(写真左)。収録された曲は以下の通り。なんと魅力的なラインナップであることか。僕達の世代にグッと訴求する粋な選曲がそもそも魅力的なアルバム。ちなみに括弧内はオリジナルを唄ったシンガーやグループである。

聴いていて、これは良いなあ、と思ったのは、2曲目「Time After Time」、4曲目「Calling You」、5曲目の「My Love」、7曲目の「Fragile」、9曲目「River」。とにかく曲が良い。オリジナルの曲が良いから、カバーも映える。

1. Driving(エブリシング・バット・ザ・ガールズ)
2. Time After Time(シンディ・ローパー)
3. Waiting In Vain(ボブ・マーリー)
4. Calling You(OST バグダット・カフェ)
5. My Love(ポール・マッカートニー)
6. For The Love of You(アイズレー・ブラザーズ)
7. Fragile(スティング)
8. Crying(ロイ・オービソン)
9. River(ジョニ・ミッチェル)
10. Don't Let Me be Lonley Tonight(ジェームス・テイラー)
 

Nina_vidal_covers

 
特にカバー曲として嬉しかったのは、シンディ・ローパーの「Time After Time」。この曲は、かのジャズの帝王、マイルス・デイヴィスが『You're Under Arrest』でカバー。以降、ライブ演奏の度に必ずと言って良いほど、この「Time After Time」を演奏。素晴らしく良い出来のカバー演奏となった。つまり、マイルスをして、このシンディの名曲の新スタンダード化を企図したのである。

しかし、なかなか他のジャズメン、ボーカリストはカバーしない。つまりはマイルスの演奏バージョンの出来がかなり良く、追従してこの「Time After Time」をやると、マイルスの物真似などというそしりを受けたり、内容として、明らかにマイルスと同等もしくはそれ以下になってしまうリスクが付きまとってしまうのが、やはり嫌だったんだろう。

よって、今回のヴィダルの「Time After Time」の選曲は、単純にマイルス者として嬉しかったなあ。マイルスが生前、新スタンダード化を企図し、ライブで吹きまくった名曲。このカバー集では、ヴィダルが素直にシンプルにシンディの名曲をしっとりと力強く唄い上げて立派である。

ヴィダルの自然で伸びの良いボーカルは、肩肘張らずにリラックスして聴ける。ナチュラルに唄われる曲は事前にすんなり耳に届く。そして、その曲が素晴らしく良い内容の楽曲であれば最早言うことは無い。ただただ、ヴィダルのカバーに耳を傾けるだけで、その間、至福の時間が流れていく。良いボーカル盤です。

 
 

大震災から3年2ヶ月。決して忘れない。まだ3年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ブルーベックの「米国の印象」 | トップページ | 懐かしの『かもめのジョナサン』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴィダルのカバーに耳を傾ける:

« ブルーベックの「米国の印象」 | トップページ | 懐かしの『かもめのジョナサン』 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー