最近のトラックバック

« 懐かしい欧州プログレ『Focus X』 | トップページ | 秋吉敏子のライブ音源を愛でる »

2014年5月14日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・50

1971年にマティアス・ウィンケルマンとホルスト・ウェーバーという二人のジャズ奏者によって創立されたレーベル「Enja」。この「Enja」ほど、欧州ジャズの志向を感じさせてくれるレーベルは無い。

特にフリー寄りの演奏の録音に強い、という印象で、純ジャズ路線まっしぐら。ファンキーで大衆的なジャズとは正反対な、クールでアーティスティックなメインストリーム・ジャズが目白押し。ジャズを真っ正面からアートと捉え、アーティスティックなジャズのみを記録してきた「Enja」。

例えば、このMal Waldron『Moods』(写真左)など、その「Enja」レーベルの個性を実に良く感じさせてくれる好盤である。1977年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p), Terumasa Hino (tp), Hermann Breuer (tb), Steve Lacy (ss), Cameron Brown (b), Makaya Ntshoko (ds)。トランペットに、日本人ジャズメン、日野皓正が参加している。

冒頭の「Minoat」の前奏のピアノの音からして、ポップな雰囲気、大衆音楽な雰囲気とは全く無縁。テンションの高い、硬質なタッチが、聴き手の襟元を正させる。インプロビゼーションの展開はモード。完璧にモーダルな展開は、もはやフリー一歩手前の、コンテンポラリーな硬派な純ジャズ。

いわゆる「新主流派」の音世界である。このアルバムの全ての演奏は、凛としていて硬派、甘さなど全く無縁、ビターで硬質なモード・ジャズが満載である。LP時代では、ジャズでは珍しく2枚組のボリュームでリリースされている。確かに、CDに収録された全曲、それぞれの内容は良い。捨て曲無しである。
 

Mal_waldron_moods

 
リーダーのマル・ウォルドロンのピアノが突出して素晴らしいという訳では無い。グループ・サウンドとして、グループ・トータルとしての演奏内容が秀逸。
 
どの楽器も水準以上の演奏レベルを維持していて、それぞれの楽器に着目して、何度も繰り返し、楽しむ事の出来る、コストパフォーマンスの良いアルバムでもある。

LP時代は、1枚目のA面、B面にセクステットの演奏を、2枚目のC面、D面にマル・ウォルドロンのソロピアノを収録していたそうなのだが、これは魅力的な編成ですね。セクステットを楽しみたい時は1枚目のLPを、マルのソロピアノを楽しみたい時は2枚目のLPを選択して聴き分けることが出来るんですね。

CDになっても、この2枚組編成でリリースして欲しかったなあ。実は、CDでは、LP時代のマルのソロピアノ「Duquility」がオミットされているんですよね。う〜ん、マルのソロピアノも内容が良いだけに、このオミットは残念ですね。

「Enja」レーベルのアルバムは、その硬派な内容故に、コアなジャズ者の方々には大受けなのですが、一般のジャズ者の方々には、ちょっと受けが悪いですかね。

でも、ジャズを真っ正面からアートと捉え、アーティスティックなジャズを記録し続けた「Enja」レーベル。もっともっと、多くのジャズ者の方々に聴いて貰いたいです。「Enja」レーベルのアルバムは、どのアルバムを選択しても、外れが無いことも特徴です。

 
 

大震災から3年2ヶ月。決して忘れない。まだ3年2ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 

« 懐かしい欧州プログレ『Focus X』 | トップページ | 秋吉敏子のライブ音源を愛でる »

コメント

マルちゃんのコンボ作品は、トリオ/ソロものに比べると、あまり人気がないような気がします。70年代はまだしも、80年代のものは日本盤が出ていないせいもあって、ほとんど存在自体知られていないので残念。

私のお勧めは、

Mal Waldron Quintet / CROWD SCENE (Soul Note)
Sonny Fortune (as) Ricky Ford (ts) Mal Waldron (p) Reggie Workman (b) Eddie Moore (ds) 1989/06/10, NYC
Crowd Scene (26'50") Yin and Yan (25'26")

長尺2曲のみと聞くのにも体力の要る作品ですけど、マルちゃんのコンボ作の代表作、Fortune、Fordの代表作といってもいいような気がします。Black Saint/Soul Noteは一旦つぶれかけたので、今入手しにくいですが気合入れて探してみてください。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/56191147

この記事へのトラックバック一覧です: ジャズ喫茶で流したい・50:

« 懐かしい欧州プログレ『Focus X』 | トップページ | 秋吉敏子のライブ音源を愛でる »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ