好調フリーの傑作ライブ盤です
フリー(Free)は、ブルースを指向するミュージシャンによって結成されたイギリスのロックバンド。ブルースを指向するロック・バンドとしては、ファースト盤の『Tons Of Sobs』やセカンド盤の『Free』が、フリーの在り方を如実に表している。弾きまくるエレギのコゾフとしては『Tons Of Sobs』、弾きまくるエレベのフレイザーとしては『Free』が素晴らしい。
そして、ブルースを指向するロック・バンドとしてのパフォーマンスの記録が、このライブ盤『Free Live!』(写真左)。1970年1月のサンダーランド、1970年9月のクロイドン、2つのコンサートからのライブ音源である。このライブ盤に、ブルースを指向するロック・バンドとしての、ハード・ロックを基調としたフリーの最高のパフォーマンスが詰まっている。
冒頭の「All Right Now」の前奏を聴けば、このライブ音源は絶対に、我々の期待を裏切らないことが判る。ポール・コゾフのエレギに気合いが入っており、指がしっかりと回っている。凄まじいリフ。やはり、このフリーというバンドのパフォーマンスの良し悪しは、このコゾフのエレギの出来次第なんだなあ、と改めて思う。
コゾフが好調の時の、このフリーというバンド・メンバーの結束は「凄まじい」の一言。泣きのエレギのポール・コゾフが先導するなか、ドシンドシンと重心の低いドラミングのサイモン・カーク、弾きまくるベースのアンディ・フレーザー、そして、渋くガッツあるボーカルのポール・ロジャース。この4人の化学反応が凄い。
このライブ盤でのコゾフのエレギは好調を維持。テクニックに優れ、乾いたブルース感覚と印象的なリフを武器に、すっ飛ばす。まともな時のポール・コゾフは凄い。完璧にブルースを基調とした、クールな「泣きのギター」。
他のブルース基調のギタリストは、ウェットに泣くギターで、ややもすれば「演歌っぽい」べったべたな響きが個性ではあるが、ポール・コゾフの「泣きのギター」は乾いている。実にクールなのだ。このクールさが堪らない。
フリーを語る時、あまりその名が出ないポール・ロジャースであるが、勿論、素晴らしい。時に、このライブ盤でのボーカルは、彼の代表的歌唱の一つだろう。テクニックに優れ、ガッツのある、それでいて意外と端正なボーカルは、唯一無二の個性。そう、ポール・ロジャースのボーカルには雑なところが無い。しっかりと端正なのだ。
さすが、フロントのヒーロー、エレギのコゾフが好調の時は、きっと叩き甲斐があるんだろう、このライブ盤でのサイモン・カークは、いつになく叩きまくっている。重心の低いタイトなドラミングで、ガンガンに好調のコゾフを鼓舞する。好調コゾフのバックで、叩きまくるカークは、これまた凄い。
そして、好調のコゾフ、歌いまくるロジャース、叩きまくるカークをしっかりと支え、ガッチリと束ねるのが、フレーザーのベースである。結構好き勝手に、独特のフレーズを弾きまくるフレーザーではあるが、押さえるところはしっかりと押さえている。やはり、ベースがバンドの要なんやね〜。このライブ盤を聴いていて良く判ります。
良いライブ盤です。ブルースを指向するロック・バンドとしての、好調なパフォーマンスが記録されていて、なかなか聴き応えがあります。フリーというバンド・メンバーが結束した時のパフォーマンスは「凄まじい」の一言。フリーを理解する上で、必須のライブ盤です。
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フリー!大好きでしたね。オールライト・ナウの音が途切れるところなんか、最高にカッコよかったです。ポールコゾフの「セカンドストリート」も大好き!
投稿: てつ | 2014年4月20日 (日曜日) 19時01分