俗っぽくポップなラテン・ジャズ
ラテン・ジャズの Mr.コンガマン、モンゴ・サンタマリア(Mongo Santamaria)。まあ、とにかく俗っぽい、ポップなラテン・ジャズをやりまくる「ラテン・ジャズの王様」である。
そんな「ラテン・ジャズの王様」、モンゴ・サンタマリアのファンクネス溢れるラテン・ジャズなアルバムがこれ。Mongo Santamaria『Mr. Watermelon Man』(写真左)。1963年の作品。モンゴ・サンタマリアの大ヒットアルバムである。
冒頭がラテン・ジャズの大ヒット曲「La Bamba」から、これはまあ、とにかく俗っぽい、とてもポップでジャジーな演奏に思わずニンマリ。1963年、米国でジャズがまだまだポピュラー音楽のひとつとして人気を博していた頃、古き良き時代のヒット曲の雰囲気が実に懐かしい。
この「La Bamba」の思いっきり俗っぽい、思いっきり脳天気なラテン・ジャズも良いが、脳天気なラテン・ジャズ風に思いっきりアレンジされ直した「Summertime」も聴いていて、これまた俗っぽくて、とにかく楽しい。
そして、極めつけはタイトル曲の「Watermelon Man」。ハービー・ハンコックの若かりし頃のヒット・チューンである。前奏からして、テーマ分のフレーズからして、思いっきりファンキーな、ファンキー・ジャズを代表する楽曲である。このファンキー・ジャズの楽曲を、サンタマリアは思いっきりラテン・ジャズ化する。
この「Watermelon Man」は、もはやファンキー・ジャズの範疇の演奏内容ではない。これはもうラテンだ。ラテン・ミュージックだ。リズム&ビートが辛うじてジャジーなので、ラテン・ジャズの範疇に引っ掛かってはいるが、これはもうポピュラー音楽の範疇。聴いていると、思わず腰が動く。猥雑で徹底的に俗っぽい、ポジティブな演奏。
4曲目の「Manha De Carnaval」も良い。こうやって聴き進めて行くと、この『Mr. Watermelon Man』ってアルバム、そもそも、収録曲の選曲が良い。ラテン・ジャズの王道を行く、ラテン・ジャズとして映える楽曲を上手く選択し、アレンジしている。そのサンタマリアの手腕に感心することしきり、である。
ヒューバート・ロウズのフルートも絶品。ところどころ、魅力的なフルートが爽快感溢れるフレーズ聴かせてくれる。ラテン・ジャズに爽やかなフルート。誰や、と思ってライナーノーツを見たら、なんとあのフルートの職人ヒューバート・ロウズでは無いか。いやはや、素晴らしいファンキー・フルートである。
「アーティスティック」という単語とは全く無縁の、とにかく俗っぽい、とてもポップでジャジーな演奏が印象的。つまりは良い意味で「俗っぽく」、つまりは良い意味で「ポップでジャジー」。米国でジャズがまだまだポピュラー音楽のひとつとして人気を博していた頃のポップでダンサフルな演奏です。アートでは無いけどポップです。思わず、腰が動きます(笑)。
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